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公開番号2024159169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074998
出願日2023-04-28
発明の名称操業条件決定装置、操業条件決定方法及びプログラム
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類B21B 37/00 20060101AFI20241031BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】注文情報に応じた鋼材の製造工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る操業条件決定装置100は、鋼材の製造工程における操業条件を注文情報に応じて決定する装置であって、鋼材の製造工程における操業条件を入力とし、鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、鋼材の製造工程における操業条件を、材料特性値予測モデルに入力したときに出力される鋼材の材料特性値の確率分布と、注文情報に含まれる鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、製造工程における操業条件を決定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材の製造工程における操業条件を注文情報に応じて決定する操業条件決定装置であって、
前記鋼材の製造工程における操業条件を入力とし、前記鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、
前記鋼材の製造工程における操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件を決定する、
操業条件決定装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
少なくとも前記鋼材の用途に起因する前記操業条件の制約条件下で、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件を決定する、
請求項1に記載の操業条件決定装置。
【請求項3】
前記鋼材の生産性及び材料特性値以外の品質のうちの少なくとも何れか一方を考慮した前記操業条件の制約条件下で、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件を決定する、
請求項1又は2に記載の操業条件決定装置。
【請求項4】
前記材料特性値予測モデルは、ベイズ推定を用いたモデルである、
請求項1又は2に記載の操業条件決定装置。
【請求項5】
前記材料特性値予測モデルは、分散不均一ガウス過程を用いたモデルである、
請求項1又は2に記載の操業条件決定装置。
【請求項6】
前記鋼材の製造工程における操業条件の範囲を入力とし、前記鋼材の製造工程における操業条件の確率分布を出力とする操業条件予測モデルを更に備え、
前記鋼材の製造工程における操業条件の範囲を前記操業条件予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の製造工程における操業条件の確率分布を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記操業条件予測モデル及び前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件の範囲を決定する、
請求項1又は2に記載の操業条件決定装置。
【請求項7】
前記注文情報は、過去に注文実績の無い新規の注文情報であり、
少なくとも前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様によって予め決められた、前記鋼材の製造工程における初期操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上である場合には、前記初期操業条件を前記鋼材の製造工程における操業条件として決定し、
前記初期操業条件を用いた場合の前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値未満である場合には、前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件を決定する、
請求項1又は2に記載の操業条件決定装置。
【請求項8】
前記注文情報は、過去に注文実績の無い新規の注文情報であり、
少なくとも前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様によって予め決められた、前記鋼材の製造工程における初期操業条件の範囲を前記操業条件予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の製造工程における操業条件の確率分布を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上である場合には、前記初期操業条件の範囲を前記鋼材の製造工程における操業条件として決定し、
前記初期操業条件の範囲を用いた場合の前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値未満である場合には、前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記操業条件予測モデル及び前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件の範囲を決定する、
請求項6に記載の操業条件決定装置。
【請求項9】
前記初期操業条件は、少なくとも前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値及び厚みの仕様によって予め決められている、
請求項7に記載の操業条件決定装置。
【請求項10】
前記初期操業条件の範囲は、少なくとも前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値及び厚みの仕様によって予め決められている、
請求項7に記載の操業条件決定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、注文情報に応じた鋼材の製造工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置、操業条件決定方法、及び操業条件決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
鋼板等の鋼材は、顧客毎に注文仕様の異なる受注生産を行う場合も多い。受注生産を行う場合に、製造後の鋼材の引張強度等の材料特性値、形状、疵などの品質を予測し、この予測した品質が注文仕様を満足するように、鋼材の製造工程における適切な操業条件を決定する業務(品質設計業務)は、製造コストや品質に影響を与える重要な業務である。
【0003】
品質設計業務のうち、特に材料特性値に関わる業務では、通常、過去の操業実績及び過去の操業実績によって得られた材料特性値実績を参考にして、新規注文に対する適切な操業条件を探索して決定する。しかしながら、材料特性値及び操業条件を構成するパラメータは多次元であるため、品質設計業務を行う品質設計者が、これら全てのパラメータの実績を全て同時に視認して操業条件を決定することは難しい。そこで、従来、品質設計者は、以下に述べる散布図を用いて、操業条件を決定している。
図1は、従来の品質設計業務で用いられている散布図を模式的に示す図である。図1に、「〇」、「△」及び「□」でプロットしたものが過去の実績データである。品質設計者は、図1に示すような、直交する2軸にそれぞれ操業条件及び材料特性値を取った2次元の散布図を、パラメータの数に応じて複数描くことで、操業条件と材料特性値との関係を推測して、顧客の注文仕様を満足する操業条件を探索する。図1に示す例では、「〇」でプロットした上位グレードの鋼種の鋼材についても、「△」でプロットした下位グレードの鋼種の鋼材についても、過去の実績は、横軸の操業条件(熱延工程における冷却温度)が大きくなれば、縦軸の材料特性値(引張強度)が小さくなる傾向にある。「□」でプロットした顧客の注文仕様に対応するグレート(決定対象グレード)の鋼種の鋼材についても、同様の傾向にあると考えれば、操業条件を図1に破線で囲った予測範囲内の値に決定すれば、注文仕様を満足する操業条件にできると考えられる。
【0004】
しかしながら、過去の全ての実績データを用いて散布図を描くと、散布図に取った2軸以外の様々な操業条件や材料特性値のパラメータの値が異なるものが同じ散布図にプロットされるため、バラツキの大きな散布図になる場合が多く、操業条件と材料特性値との関係を上手く推測できないことがある。そこで、実際には、品質設計者の経験や知識に基づき、参考にしたい鋼種や規格を指定して、散布図作成に用いる実績データを抽出し、この抽出した実績データを用いて散布図を作成している。
このように、同じ実績データを用いたとしても、品質設計者の経験や知識に強く依存して作成される散布図が異なり、操業条件の探索範囲も限定的となることから、適切な操業条件を決定できない場合があるという問題がある。また、品質設計業務の業務負荷が非常に高いという問題もある。
【0005】
上記のような問題を解決するため、例えば、特許文献1に記載の鋼材の製品受注支援システムが提案されている。
特許文献1に記載のシステムは、過去に製造した製品毎に、素材成分と操業条件の実績値、及び、材質実績値を事例として蓄積する製造情報記憶手段と、入力される素材成分及び操業条件の指示値に基づいて製品を製造した時に得られる材質を、前記製造情報記憶手段に蓄積されたデータを利用して推定する材質推定手段と、該材質推定手段から出力された材質推定値とその推定誤差から、要求仕様を満足する製品を製造することが可能な素材成分及び操業条件の指示値を出力する製品品質設計手段と、を備えたことを特徴とするものである(特許文献1の請求項1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、材質推定手段から出力される材質推定値及びその推定誤差が、それぞれ入力値の近傍にある実績データ又は当該材質に関連する実績データの平均値及び標準偏差になっており、過去の実績データが無いことによる予測の不確実性については考慮できていない。このため、特許文献1に記載のシステムで決定した素材成分及び操業条件の指示値を用いて鋼材を製造しても、製造後の鋼材の材料特性値(特許文献1では、材質)が注文仕様を満足しない(鋼材の材料特性値が不合格となる)リスクが高いという問題がある。
【0006】
なお、非特許文献1、2には、分散不均一ガウス過程(分散不均一を考慮したガウス過程回帰)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-14878号公報
【非特許文献】
【0008】
Alan D. Saul, James Hensman, Aki Vehtari, Neil D. Lawrence, "Chained Gaussian Processes", Proceedings of the 19th International Conference on Artificial Intelligence and Statistics, PMLR 51:1431-1440, 2016
「ヘテロスケダスティック尤度と多潜在GP」, [online], [令和5年1月16日検索], インターネット<URL:https://gpflow.github.io/GPflow/develop/notebooks/advanced/heteroskedastic.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、注文情報に応じた鋼材の製造工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置、操業条件決定方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、鋼材の製造工程における操業条件を注文情報に応じて決定する操業条件決定装置であって、前記鋼材の製造工程における操業条件を入力とし、前記鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、前記鋼材の製造工程における操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記製造工程における操業条件を決定する、操業条件決定装置を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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