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公開番号2024127735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023212549
出願日2023-12-15
発明の名称ギ酸製造用触媒、ギ酸製造用触媒の製造方法、及びギ酸の製造方法
出願人日本製鉄株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01J 23/89 20060101AFI20240912BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素の非塩基性の溶媒への溶解性に優れたギ酸製造用触媒の提供。
【解決手段】パラジウム成分及び銀成分がチタンを主成分とする触媒担体に担持されたPd系触媒体と、四酸化三コバルトを含むCo系触媒体と、を含む、ギ酸製造用触媒。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
パラジウム成分及び銀成分がチタンを主成分とする触媒担体に担持されたPd系触媒体と、
四酸化三コバルトを含むCo系触媒体と、を含む、ギ酸製造用触媒。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
パラジウムとコバルトとのモル比(Pd/Co)が0.0010以上0.030以下である、請求項1に記載のギ酸製造用触媒。
【請求項3】
パラジウムとコバルトとのモル比(Pd/Co)が0.0015以上0.025以下である、請求項2に記載のギ酸製造用触媒。
【請求項4】
パラジウムとコバルトとのモル比(Pd/Co)が0.0010以上0.010以下である、請求項2に記載のギ酸製造用触媒。
【請求項5】
前記四酸化三コバルトが、立方晶、六方晶、八面体晶、又は正方晶の結晶構造を有する、請求項1に記載のギ酸製造用触媒。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のギ酸製造用触媒を製造する方法であって、
パラジウム成分及び銀成分を、チタンを主成分とする触媒担体に担持させる第一工程と、前記触媒担体に担持された前記パラジウム成分及び銀成分に対し還元により活性金属を発生させる第二工程と、を経てPd系触媒体を得る工程と、
水熱合成法によって四酸化三コバルトを調製してCo系触媒体を得る工程と、
を有する、ギ酸製造用触媒の製造方法。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のギ酸製造用触媒を含む非塩基性の溶媒中にて、二酸化炭素及び水素を加圧条件下で反応させてギ酸を製造するギ酸反応工程を有する、ギ酸の製造方法。
【請求項8】
前記非塩基性の溶媒が水である、請求項7に記載のギ酸の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ギ酸製造用触媒、ギ酸製造用触媒の製造方法、及びギ酸の製造方法
に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化への関心が高まり、温室効果ガス排出削減等の国際的枠組みを協議する気候変動枠組条約締約国会議(Conference of the Parties; COP)では、世界共通の長期目標として産業革命前からの平均気温の上昇を2℃よりも十分下方に保持することを目的とし、排出ピークをできるだけ早期に抑え、最新の科学に従って急激に削減することを目標とされている。COP21パリ協定では、全ての国が長期の温室効果ガス低排出開発戦略を策定・提出するように努めるべきとされている。欧州グリーンディールでは、2050年のカーボンニュートラル化、中間時点での削減目標の引き上げ等、法制化して施策を強固に推進する動きもある。我が国においても、政府が2050年カーボンニュートラルを宣言した。これらの動きを受け、二酸化炭素削減のための対策技術開発が各所で精力的に行われている。対策技術の一つとして、排出された二酸化炭素を有用物に変換する幾つかの試みが提案されているが、二酸化炭素を別の物質に変換させるためには大きなエネルギーが必要であり、反応を促進させるための有効な触媒の開発が望まれている。
【0003】
また、二酸化炭素削減に資する技術とするためには、需要の多い有用物を製造する必要がある。ギ酸(HCOOH)は二酸化炭素(CO

)及び水素(H

)を原料として製造可能な有用物であり、二酸化炭素削減のための対策技術として位置付けられる。
【0004】
化学反応によってギ酸を製造する技術としては、下記文献に記載の技術が挙げられる。例えば、特許文献1には、担体に担持された金属ルテニウムと塩基性有機化合物の存在下、超臨界状態にある二酸化炭素と水素とを反応させることを特徴とするギ酸の製造方法、が開示されている。
また、特許文献2には、還元剤、触媒、極性溶媒および塩基の存在下でHCOOR(RはHまたはNa)を合成する合成方法、が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、第三級アミン(I)、ジアミン(II)、極性溶媒および金を含む触媒の存在下、圧力0.2~30MPaおよび温度100℃での二酸化炭素の水素化によるギ酸の製造方法、が開示されている。
また、特許文献4には、層状複水酸化物の表面に、水素解離可能な金属原子が単原子で担持されている水素化触媒を用いて、二酸化炭素を水素化してギ酸を製造する水素キャリア物質の製造方法、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-288137号公報
国際公開第2016/024293号
国際公開第2013/186156号
特開2018-103158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
二酸化炭素(CO

)及び水素(H

)を原料とするギ酸(HCOOH)の製造においては、CO

の水への溶解度が小さいことが難点として挙げられる。そのためCO

は純水中では活性が低く、これを改善させるために塩基性水溶液中で反応を行うことが一般的な方法である。しかし、塩基性水溶液中でギ酸を生成させた場合にはギ酸と塩基とがギ酸塩を形成し、このギ酸塩からギ酸を取り出す際にギ酸塩からギ酸への変換工程が必要となり、つまり余分な工程及び余分なコストを要する。
なお、ギ酸塩を生じさせずにギ酸を製造する方法としては、上記のように溶媒として水を用いる方法が挙げられ、さらに水に替えて他の非塩基性の溶媒を用いる方法も挙げられる。
【0008】
これらに鑑み、本開示は、二酸化炭素の非塩基性の溶媒への溶解性に優れたギ酸製造用触媒、該ギ酸製造用触媒の製造方法、及びギ酸塩を形成することなくギ酸を製造することができるギ酸の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、二酸化炭素(CO

)の非塩基性の溶媒(例えば水など)への溶解性に優れたギ酸製造用触媒について検討したところ、以下の知見を得た。二酸化炭素及び水素からギ酸を製造する機能を有する触媒であるパラジウム成分及び銀成分が触媒担体に担持されたPd系触媒体と、二酸化炭素を水和させる機能を有する触媒である四酸化三コバルトを含むCo系触媒体と、を合わせて用いることで、ギ酸製造用触媒に対し二酸化炭素の非塩基性の溶媒への溶解性を与えられることを見出した。そして、非塩基性の溶媒中での二酸化炭素と水素との反応において高い触媒性能を発揮でき、ギ酸塩を形成することなくギ酸を製造することができるギ酸製造用触媒を見出した。
【0010】
つまり、本開示に係るギ酸製造用触媒、ギ酸製造用触媒の製造方法、及びギ酸の製造方法は、以下に示すものである。
(【0011】以降は省略されています)

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