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公開番号2024161838
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2023076928
出願日2023-05-08
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22B 1/20 20060101AFI20241113BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】焼結原料の化学組成の変動を迅速に検出し、RDIを安定化する焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明における焼結鉱の製造方法は、複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、装入した前記配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、篩分けした前記成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続測定し、前記測定により得られた成分濃度データに基づいて、前記配合原料を前記焼結機に装入して形成する原料充填層の層厚さの調整を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、
装入した前記配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、
前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、
篩分けした前記成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続測定し、
前記測定により得られた成分濃度データに基づいて、前記配合原料を前記焼結機に装入して形成する原料充填層の層厚さの調整を行う、焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
測定対象となる前記成分は、CaO、SiO

、Al



、MgO及びTiO

のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
前記層厚さの調整は、前記成品焼結鉱の還元粉化性(RDI)を目的変数とし、前記成分濃度データと前記層厚さを説明変数として含む予測式をもとに、RDIを所定の範囲に制御するように行われる請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記測定において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱にレーザ光を照射することで、レーザ誘起ブレークダウン分光法による成分分析を行うことにより、前記成分濃度データを得る、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉用の焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
現在、高炉製銑の主原料は、焼結鉱である。高炉原料となる焼結鉱(成品焼結鉱)は、一般的に、鉄鉱石を含む焼結鉱製造用の原料(焼結原料)を下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機内で焼結した後に、粉砕、篩分け等により所定の粒度に整粒して製造される。成品焼結鉱は、4~7時間ごとにサンプリングされて、蛍光X線分析や化学分析により元素組成が測定される。そして、この測定データに基づいて、焼結鉱の製造工程や高炉操業が管理される。
【0003】
近年、均質かつ質の良い鉄鉱石は枯渇傾向にあり、焼結原料として使用される鉄鉱石の劣質化により脈石などの成分が多く含まれるようになった。その結果、同じロット内でも焼結鉱の成分に変動が生じるようになった。高炉操業の生産効率向上のためには、焼結鉱の成分変動に応じて、焼結鉱の製造工程における焼結原料の配合比率、高炉操業における高炉原料の配合比率や操業条件(炉内温度や圧力など)を、きめ細やかに管理する必要がある。しかしながら、従来の焼結鉱の製造工程や高炉操業の管理は、上述したように、所定の時間間隔で搬送中の成品焼結鉱の中から試料を採取し、その成分分析結果に基づいて実施されていた。成分分析結果がわかるまでに時間を要するため、焼結鉱の成分変動に成分分析が追いつかず、適切な管理を実施することが難しくなっていた。
【0004】
これに対し、特許文献1には、搬送コンベア30上を搬送される焼結原料に含まれる水分およびCaOの成分濃度を連続測定する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、鉄含有原料、前記焼結原料および前記造粒された焼結原料のうち少なくとも1つの成分濃度を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された成分濃度を用いて、前記装入層の装入密度が予め定められた装入密度になるように前記装入ゲートの開度および前記シュートの水平面に対する傾斜角度のうち少なくとも1つを調整する調整工程とを有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-173161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
焼結鉱の品質管理の指標の一つとして、還元粉化率(RDI:Reduction Degradation Index)が用いられる。RDIが高いと高炉操業における還元反応の過程で焼結鉱が粉化し、高炉内の通気性が悪化する。原料充填層の層厚さを小さく(層高を低く)すると、原料充填層内を通過する大気の流量(通過風量)が増加するため、RDIの低い焼結鉱が得られる。目標とするRDIを有する焼結鉱を得るために制御すべき原料充填層の層厚さは、焼結鉱の化学組成にも依存する。
【0007】
本発明は、焼結原料の化学組成の変動を迅速に検出し、RDIを安定化する焼結鉱の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、
装入した前記配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、
前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、
篩分けした前記成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続測定し、
前記測定により得られた成分濃度データに基づいて、前記配合原料を前記焼結機に装入して形成する原料充填層の層厚さの調整を行う、焼結鉱の製造方法。
(2)測定対象となる前記成分は、CaO、SiO2、Al2O3、MgO及びTiO2のうちの少なくとも一つである、(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記層厚さの調整は、前記成品焼結鉱の還元粉化性(RDI)を目的変数とし、前記成分濃度データと層厚さを説明変数として含む予測式をもとに、RDIを所定の範囲に制御するように行われる(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記測定において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱にレーザ光を照射することで、レーザ誘起ブレークダウン分光法による成分分析を行うことにより、前記成分濃度データを得る、(1)~(3)のいずれか1つに記載の焼結鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送中の成品焼結鉱の成分濃度を連続測定して得た測定データに基づいて、原料充填層の層厚さを調整することにより、焼結原料の化学組成の変動を迅速に検出し、RDIを安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の焼結鉱製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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