TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024166552
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023082724
出願日
2023-05-19
発明の名称
高炉冷却装置
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
C21B
7/10 20060101AFI20241122BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】高さ別に複数段のステーブ群を設置しつつ設備の簡素化が図れる高炉冷却装置を提供する。
【解決手段】高炉冷却装置1は、高炉2の内側に張られた複数のステーブ4と、ステーブ4に冷却水を循環させる循環装置30を有し、ステーブ4は、所定の高さ範囲に設置された上段ステーブ10と、上段ステーブ10よりも低い範囲に設置された下段ステーブ20と、を有し、上段ステーブ10および下段ステーブ20は、冷却水路11,21、給水口12,22、排水口13,23を有し、循環装置30は、上段ステーブ10より高い位置に設置されたヘッドタンク31と、ヘッドタンク31から下段ステーブ20の給水口22に至る下降配管32と、下段ステーブ20の排水口23から上段ステーブ10の給水口12に至る中間配管33と、上段ステーブ10の排水口13からヘッドタンク31に至る回収配管34と、中間配管33の途中に設置されたポンプ35と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
高炉の内側に張られた複数のステーブと、前記ステーブに冷却水を循環させる循環装置を有する高炉冷却装置であって、
前記ステーブは、所定の高さ範囲に設置された上段ステーブと、前記上段ステーブよりも低い範囲に設置された下段ステーブと、を有し、
前記上段ステーブおよび前記下段ステーブは、それぞれ給水口、排水口、および前記給水口から前記排水口に至る冷却水路を有し、
前記循環装置は、
前記上段ステーブより高い位置に設置されたヘッドタンクと、
前記ヘッドタンクから前記下段ステーブの前記給水口に至る下降配管と、
前記下段ステーブの前記排水口から前記上段ステーブの前記給水口に至る中間配管と、
前記上段ステーブの前記排水口から前記ヘッドタンクに至る回収配管と、
前記中間配管の途中に設置されたポンプと、を有する高炉冷却装置。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記中間配管は、両端が前記下段ステーブの前記排水口および前記上段ステーブの前記給水口に接続されるとともに、前記ポンプが設置された中間部が下方に引き回され、前記中間部の前記下段ステーブとの間の立下り開始点における前記ヘッドタンクのヘッド圧が、前記下降配管の圧力損失、前記下段ステーブの前記冷却水路の圧力損失、および前記中間配管の前記下段ステーブから前記立下り開始点までの圧力損失の合計より大きい、請求項1に記載した高炉冷却装置。
【請求項3】
前記ポンプの入口側に熱交換器を備える、請求項1または請求項2に記載した高炉冷却装置。
【請求項4】
前記下段ステーブおよび前記上段ステーブは、それぞれ銅ステーブである、請求項1または請求項2に記載した高炉冷却装置。
【請求項5】
前記回収配管の前記上段ステーブの前記排水口に接続される端部および前記中間配管の前記下段ステーブの前記排水口に接続される端部の少なくともいずれかにフロートスイッチを有する、請求項1または請求項2に記載した高炉冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は高炉冷却装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
高炉は、外殻である鉄皮の内側に耐火物層が張られるとともに、耐火物層の内側にステーブが設置される。
ステーブは、銅または鋳鉄などで形成されたパネル状の部材とされ、鉄皮の内側に沿って配列される。ステーブには、内部に冷却水路が形成され、各ステーブの冷却通路にはそれぞれ鉄皮の外側から冷却水が循環され、所期の冷却能力を確保している。
【0003】
ステーブの冷却水路は、ステーブの下部に給水管を有し、上部に排水管を有する。これらの給水管および排水管は、それぞれ鉄皮の外側へ引き出され、上下に隣接するものどうしが連結管で連結される。複数段のステーブのうち最下段に設置されたステーブの給水管、および最上段に設置されたステーブの排水管には、冷却水の循環装置が接続される。
循環装置は、貯水用のタンク、放熱用の熱交換器、および圧送用のポンプを有し、タンク内の冷却水を、熱交換器で冷却したのち、ポンプで最下段のステーブに圧送する。供給された冷却水は、各段のステーブを通過しながら吸熱し、最上段のステーブからタンクへ戻される。これらのステーブおよび循環装置により、高炉冷却装置が構成される。
【0004】
既存の高炉冷却装置においては、炉内への漏水防止を目的として、冷却水路における冷却水の圧力を炉内圧力よりも低くすることが行われていた。ただし、冷却水の圧力を低くすると、ステーブへの冷却水の供給が十分でなくなり、冷却能力が低下し、ステーブないし鉄皮の破損に至る可能性がある。
一方、十分な圧力で冷却水を供給する場合、ステーブの一部、特に下段のステーブにおいて、冷却水路の圧力が炉内圧力より高くなり、炉内への漏水の可能性がある。
とくに、近年、操業条件の変化による高熱負荷に対応するため、シャフト部に銅ステーブが採用されている。銅ステーブを採用して奪熱量が増加した際には、冷却水路での蒸気発生を抑制するため、冷却水の流速が高く設定され、これに伴ってステーブ内の冷却水路における圧力損失が増加し、シャフト下部で冷却水路の圧力が炉内圧力より高くなる状況が生じている。
【0005】
このような状況に対し、本願出願人により、高炉の内側に張られた複数のステーブと、各ステーブに冷却水を循環させる循環装置を有し、各ステーブは高さ別に複数段(例えば上下2段)のステーブ群に区分され、循環装置としてステーブ群に対応した複数系統が設置されている高炉冷却装置が開発されている(特許文献1参照)。
特許文献1の高炉冷却装置では、複数段のステーブ群は、それぞれ所定の高さ範囲の複数のステーブで構成され、各々には対応する循環装置から冷却水が循環される。各系統の循環装置は、それぞれ対応するステーブ群に属するステーブに対して十分な圧力で送水できればよく、各ステーブ群において冷却水の圧力を抑制しつつ十分な冷却能力が得られる。その結果、高炉冷却装置全体として、冷却水の圧力を抑制しつつ十分な冷却能力を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-085070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1の高炉冷却装置では、ステーブ内の冷却水圧を炉内圧より下げるために、例えばシャフト部を高さ別に複数段に分割し、分割されたステーブ群のそれぞれにポンプおよびタンク等の循環装置を設けることで、冷却水の圧力を抑制しつつ十分な冷却能力を得ている。
ところが、複数のステーブ群ごとに多数のポンプおよびタンクを増設することは設備の複雑化およびコスト増という問題があるとともに、高炉の周辺には機器や配管類が多数設置されており、追加で複数のポンプおよびタンクを増設することは難しいという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、高さ別に複数段のステーブ群を設置しつつ設備の簡素化が図れる高炉冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高炉冷却装置は、高炉の内側に張られた複数のステーブと、前記ステーブに冷却水を循環させる循環装置を有する高炉冷却装置であって、前記ステーブは、所定の高さ範囲に設置された上段ステーブと、前記上段ステーブよりも低い範囲に設置された下段ステーブと、を有し、前記上段ステーブおよび前記下段ステーブは、それぞれ給水口、排水口、および前記給水口から前記排水口に至る冷却水路を有し、前記循環装置は、前記上段ステーブより高い位置に設置されたヘッドタンクと、前記ヘッドタンクから前記下段ステーブの前記給水口に至る下降配管と、前記下段ステーブの前記排水口から前記上段ステーブの前記給水口に至る中間配管と、前記上段ステーブの前記排水口から前記ヘッドタンクに至る回収配管と、前記中間配管の途中に設置されたポンプと、を有する。
【0010】
このような本発明では、循環装置により高さが異なる上段ステーブおよび下段ステーブの冷却水路が直列に接続され、冷却水はヘッドタンクから下降配管を経て下段ステーブへ送られ、下段ステーブから中間配管を経て上段ステーブに送られ、上段ステーブから回収配管を経てヘッドタンクに戻される。
循環装置において、上段ステーブの冷却水路における圧力損失は、中間配管に設置されたポンプによって負担される。下段ステーブの冷却水路における圧力損失は、ヘッドタンクから下段ステーブまでのヘッド圧、つまり上段ステーブの設置高さ範囲に相当するヘッド圧によって負担される。従って、1系統分のポンプだけで、上段ステーブおよび下段ステーブへの冷却水の循環を確保できる。
循環装置において、ポンプは中間配管に設置され、下降配管からの高いヘッド圧がかかる下段ステーブにポンプによる昇圧が及ぶことはなく、下段ステーブおよび上段ステーブのいずれにおいても冷却水の圧力が炉内圧を超えるような状況は回避できる。
従って、本発明では、高さが異なる上段ステーブおよび下段ステーブに区分しつつ、ポンプは1系統分だけでよく、設備の簡素化ができる。また、上段ステーブおよび下段ステーブの冷却水路が直列に接続されることから、上段ステーブおよび下段ステーブに区分する前の既存の配管をそのまま利用できる。
なお、本発明において、上段ステーブおよび下段ステーブは、それぞれ高さ方向に一段分のステーブであってもよく、高さ方向に複数段のステーブを含むステーブ群であってもよい。上段ステーブあるいは下段ステーブを複数段のステーブとする際には、各ステーブの内部の冷却水路を順次直列に接続すればよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋳塊
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
23日前
日本製鉄株式会社
ボルト
23日前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
1か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉冷却装置
2日前
日本製鉄株式会社
鉄道車両用台車
23日前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
溶銑の脱硫方法
1か月前
日本製鉄株式会社
溶銑の脱硫方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
3日前
日本製鉄株式会社
電気炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
製鋼炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
11日前
日本製鉄株式会社
高炉用冷却構造体
17日前
日本製鉄株式会社
電気炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉炉底部冷却構造
1か月前
日本製鉄株式会社
銑鉄の割裂切断工法
1か月前
日本製鉄株式会社
軸圧潰衝撃吸収部材
1か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の脱窒処理方法
1か月前
日本製鉄株式会社
測定装置及び測定方法
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼板およびその製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼板およびその製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼板およびその製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
制御装置および制御方法
1か月前
日本製鉄株式会社
振動抑制装置の動作診断システム
25日前
日本製鉄株式会社
レーザ溶接継手及び自動車用部材
16日前
日本製鉄株式会社
成形性に優れた高強度嵌合用鋼管
1か月前
日本製鉄株式会社
プレス成形シミュレーション方法
10日前
日鉄環境株式会社
廃水の処理方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉装入物の衝撃エネルギ推定方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る