TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025030738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136290
出願日2023-08-24
発明の名称スラグの排出方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C21C 1/02 20060101AFI20250228BHJP(鉄冶金)
要約【課題】ランスの溶損リスクが小さい状態でランスからガスを吹付けて、効率よくスラグを排出できるスラグの排出方法を提供する。
【解決手段】溶銑およびスラグが収容された取鍋を傾動させ、前記取鍋の上側からランスを下降し、前記ランスの先端の水平方向の位置を、前記取鍋を上部から見て前記排滓口と反対側の前記取鍋の円周上の点を円弧上の中心とする半円領域内に含まれるようにし、前記ランスの先端の高さを、静止スラグ表面から上側100mm~静止溶銑表面から下側100mmの範囲内になるようにし、かつ、前記ランスの出口から出るガスの進行方向と静止スラグ表面とのなす角度が45度以上になるようにし、前記ランスの先端が露出する流量で前記ガスを前記溶銑に吹付けて、スラグ掻き出し装置を用いて前記スラグを掻き出して排滓口からスラグを排出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
溶銑およびスラグが収容された取鍋を傾動させ、スラグ掻き出し装置を用いて前記スラグを掻き出して排滓口から排出するスラグの排出方法であって、
前記取鍋の上側からランスを下降し、
前記ランスの先端の水平方向の位置を、前記取鍋を上部から見て前記排滓口と反対側の前記取鍋の円周上の点を円弧上の中心とする半円領域内に含まれるようにし、
前記ランスの先端の高さを、静止スラグ表面から上側100mm~静止溶銑表面から下側100mmの範囲内になるようにし、
かつ、前記ランスの出口から出るガスの進行方向と静止スラグ表面とのなす角度が45度以上になるようにし、
前記ランスの先端が露出する流量で前記ガスを前記溶銑に吹付けることを特徴とするスラグの排出方法。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記ランスの出口から出るガスの進行方向と静止スラグ表面とのなす角度が60度以上になるようにすることを特徴とする請求項1に記載のスラグの排出方法。
【請求項3】
前記スラグの厚みを100mm以下に調整してから前記ガスの吹付けを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のスラグの排出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーキを用いたスラグの排出方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、KR脱硫では、取鍋に溶銑が装入され、攪拌翼によって溶銑を攪拌しながらフラックスが添加され、脱硫が行われる。脱硫工程で発生するスラグは溶銑よりも低密度なため、溶銑湯面に浮遊する。スラグを排出する際には、攪拌翼を溶銑から引き揚げ、取鍋を傾動させながら、レーキにより取鍋上端からスラグを掻き出すことによってスラグが排出される。
【0003】
一方で、溶銑の上側または溶銑中にガスを吹付けることによってスラグを排出する方法も提案されている。特許文献1には、電気炉のスラグの排滓口の内壁の上部にガス吹き出し口を設け、そこからガスを吹付けることによって排滓口へスラグを誘導する技術が開示されている。また、特許文献2には、ランスを溶銑中に浸漬させて溶銑内からガスを吹込むことによって気泡を発生させ、ガスの気泡による浴の盛り上がりとスラグ層の波動現象とによってスラグを迅速に排出させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-139662号公報
特開平6-194066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ガスを吹き付けてもスラグにランス出口径ほどの穴が形成される程度であり、ガスの運動エネルギーで高比重の溶銑やスラグを流動させることが難しく、排滓効果が小さい。また、特許文献2に記載の方法では、ランスを溶銑中に浸漬させることを前提としているためランス先端の溶損が激しく、メンテナンスおよびコスト面で問題がある。
【0006】
本発明は前述の問題点を鑑み、ランスの溶損リスクが小さい状態でランスからガスを吹付けて、効率よくスラグを排出できるスラグの排出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
取鍋からスラグを排出する際に、従来の方法として、取鍋を傾動させながらレーキを用いてスラグを掻き出す場合には、鍋奥や縁に溜まったスラグはレーキが鍋に干渉するため掻き出しにくく、排滓効率に課題がある。一方、ランスからガスを吹付けてスラグを排出する方法では、溶銑中にランス先端を浸漬させると、ランス先端が溶損するリスクが大きい。そこで、本発明者らは、取鍋を傾動した状態でレーキを用いてスラグを掻き出しつつ、鍋奥や縁に溜ったスラグも掻き出せるようガスの吹付けも行う方法について鋭意検討を行った。その結果、ランスの先端が露出した状態でガスを溶銑表面に吹付け、溶銑の揺動を利用して鍋奥や縁に溜ったスラグも掻き出せるようなガスの吹付け条件を見出した。
【0008】
本発明は以下のとおりである。
[1]
溶銑およびスラグが収容された取鍋を傾動させ、スラグ掻き出し装置を用いて前記スラグを掻き出して排滓口から排出するスラグの排出方法であって、
前記取鍋の上側からランスを下降し、
前記ランスの先端の水平方向の位置を、前記取鍋を上部から見て前記排滓口と反対側の前記取鍋の円周上の点を円弧上の中心とする半円領域内に含まれるようにし、
前記ランスの先端の高さを、静止スラグ表面から上側100mm~静止溶銑表面から下側100mmの範囲内になるようにし、
かつ、前記ランスの出口から出るガスの進行方向と静止スラグ表面とのなす角度が45度以上になるようにし、
前記ランスの先端が露出する流量で前記ガスを前記溶銑に吹付けることを特徴とするスラグの排出方法。
[2]
前記ランスの出口から出るガスの進行方向と静止スラグ表面とのなす角度が60度以上になるようにすることを特徴とする上記[1]に記載のスラグの排出方法。
[3]
前記スラグの厚みを100mm以下に調整してから前記ガスの吹付けを行うことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のスラグの排出方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランスの溶損リスクが小さい状態でランスからガスを吹付けて、効率よくスラグを排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
取鍋を傾動させた状態でスラグを排出する様子を説明するための図である。
本発明の実施形態におけるランス高さの条件を説明するための図である。
本発明の実施形態において、レーキによる掻き出し効率向上のメカニズムを説明するための図である。
本発明の実施例におけるランス先端の位置を説明するための図である。
本発明の実施例におけるランス高さを説明するための図である。
本発明の実施例におけるスラグの掻き出し方法を説明するための図である。
本発明の実施例におけるスラグの表面被覆率の結果を示す図である。
本発明の実施例におけるスラグの排滓効率指標の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日本製鉄株式会社
鋼材
20日前
日本製鉄株式会社
鋼材
14日前
日本製鉄株式会社
部品
6日前
日本製鉄株式会社
鋼材
14日前
日本製鉄株式会社
溶接継手
5日前
日本製鉄株式会社
捻回試験装置
6日前
日本製鉄株式会社
柱梁接合構造
15日前
日本製鉄株式会社
表面処理鋼材
6日前
日本製鉄株式会社
鋼の製造方法
14日前
日本製鉄株式会社
多角形筒形構造
14日前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
1日前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
1日前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
1日前
日本製鉄株式会社
コイルばねの製造方法
15日前
日本製鉄株式会社
固定具および固定構造
1日前
日本製鉄株式会社
ラインパイプ用電縫鋼管
15日前
日本製鉄株式会社
高力ボルト摩擦接合構造
14日前
日本製鉄株式会社
素形材及びその製造方法
6日前
日本製鉄株式会社
ハット形鋼矢板の製造方法
20日前
日本製鉄株式会社
Al脱酸鋼の連続鋳造方法
7日前
日本製鉄株式会社
試験システム及び試験方法
19日前
日本製鉄株式会社
鉄鉱石の還元気化脱リン方法
20日前
日本製鉄株式会社
鉄鉱石の還元気化脱リン方法
20日前
日本製鉄株式会社
転炉の吹錬終了温度設定方法
15日前
日本製鉄株式会社
応力分布測定方法及びプログラム
20日前
日本製鉄株式会社
応力分布測定方法及びプログラム
20日前
日本製鉄株式会社
溶接継手の応力拡大係数推定方法
12日前
日本製鉄株式会社
回転機械の異常診断支援方法及び装置
20日前
日本製鉄株式会社
直流電気炉の設計方法および直流電気炉
22日前
日本製鉄株式会社
直流電気炉および直流電気炉の設計方法
22日前
日本製鉄株式会社
炭素鋼鋳片、および炭素鋼鋳片の製造方法
6日前
日本製鉄株式会社
コイルばねの製造方法及びコイルばねの加工装置
15日前
日本製鉄株式会社
計画立案装置、計画立案方法及び制御プログラム
20日前
日本製鉄株式会社
下地部材、面材接合体、屋根パネル及び壁パネル
13日前
日本製鉄株式会社
異常検知装置、異常検知方法、および、プログラム
6日前
日本製鉄株式会社
連続鋳造設備、及び、連続鋳造設備の操業整備方法。
15日前
続きを見る