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公開番号2025018411
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122094
出願日2023-07-27
発明の名称脱炭精錬方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C21C 5/32 20060101AFI20250130BHJP(鉄冶金)
要約【課題】炭材の使用量を低減できる脱炭精錬方法を提供する。
【解決手段】脱炭精錬方法は、精錬炉(100)に溶銑(M)を収容し、溶銑(M)の上方に上吹きランス(2)を配置し、上吹きランス(2)の先端部に設けられたノズル(21)から溶銑(M)に向かって酸素を吹出して溶銑(M)を脱炭精錬する。脱炭精錬方法では、主孔(211)と、主孔(211)の周囲に配置された複数の副孔(212)とを有するノズル(21)を用い、溶銑(M)の表面(Ma)からノズル(21)の先端(21a)までの上下方向の距離(H)を3700~5400mmとし、ノズル(21)からの酸素の吹出し量を20~75Nm3/hr/tonとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
精錬炉に溶銑を収容し、前記溶銑の上方に上吹きランスを配置し、前記上吹きランスの先端部に設けられたノズルから前記溶銑に向かって酸素を吹出して前記溶銑を脱炭精錬する、脱炭精錬方法であって、
主孔と、前記主孔の周囲に配置された複数の副孔とを有する前記ノズルを用い、
前記溶銑の表面から前記ノズルの先端までの上下方向の距離を3700~5400mmとし、
前記ノズルからの前記酸素の吹出し量を20~75Nm

/hr/tonとする、脱炭精錬方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の脱炭精錬方法であって、
前記溶銑がクロムを含有する、脱炭精錬方法。
【請求項3】
請求項1に記載の脱炭精錬方法であって、
前記主孔は前記上吹きランスの中心軸上に設けられ、前記複数の副孔は前記上吹きランスの前記中心軸まわりに等間隔に設けられる、脱炭精錬方法。
【請求項4】
請求項3に記載の脱炭精錬方法であって、
前記複数の副孔の各々は、入口から出口に向かうにつれて前記主孔から離れるように傾斜し、前記複数の副孔の各々の中心軸の延長線は、前記精錬炉の炉体の側壁よりも先に前記溶銑の表面と交わる、脱炭精錬方法。
【請求項5】
請求項1に記載の脱炭精錬方法であって、
前記主孔は先細末広形状を有し、前記複数の副孔の各々はストレート形状を有する、脱炭精錬方法。
【請求項6】
請求項1に記載の脱炭精錬方法であって、
前記複数の副孔のそれぞれの最小断面積の総和は、前記主孔及び前記複数の副孔のそれぞれの最小断面積の総和の3%以上30%以下である、脱炭精錬方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、脱炭精錬方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
鋼を製造する上で精錬は欠かせない。特に、ステンレス鋼などのようにクロム(Cr)を含有する鋼を製造するとき、精錬は不可欠である。精錬では、例えば脱炭が行われる。脱炭を含む精錬には、転炉やAOD炉などの精錬炉が用いられる。精錬炉に収容した溶銑に酸素(O

)を吹き込むことにより、溶銑中の過剰な炭素(C)を燃焼させて溶銑から除去する。精錬炉に収容される溶銑は、電気炉から出鋼した溶鋼である場合を含む。本明細書において、精錬炉に収容した酸素吹込み前のものを溶銑と総称する。精錬炉で溶銑から酸素を除去することにより、所望のC含有量を有する鋼を得ることができる。
【0003】
例えば、特開平9-41018号公報(特許文献1)には、上吹きランスを備える精錬炉を用いた、含Cr溶鋼の脱炭精錬方法が記載されている。特許文献1の脱炭精錬方法は、ダストの発生及びCrの酸化損失を抑制するとともに、高生産性も維持できることを目的としている。この目的を達成するため、上吹きランスの先端部に多孔ノズルが設けられている。特許文献1の多孔ノズルでは、複数の主孔がノズルの周縁寄りに配置され、副孔がノズルの中心又はその近傍に配置されている。
【0004】
特許文献1の脱炭精錬方法において、上吹きランスの多孔ノズルから溶銑に酸素が吹き付けられる。この場合、主に主孔から吹出された酸素により、溶銑中のCが一次燃焼してCOガスが生成され、主に副孔から吹出された酸素により、COガスが二次燃焼してCO

ガスが生成される。その際、主孔は、ノズルの中心近傍に配置された副孔の周囲に配置されているため、主孔から吹出された酸素ジェットが溶銑に衝突する速度は比較的小さくなる。また、ノズルの中心近傍に配置されている孔が副孔であるため、ランスの中心軸上の溶銑に吹き付けられる酸素の速度は減衰される。これらにより、一次燃焼による脱炭が進行しつつ、ダストの発生が抑制される。さらに、二次燃焼により生じた熱の外向きの移動が、主孔から吹出された酸素ジェットによって遮断されるため、その二次燃焼熱は、副孔から吹出された酸素ジェットによって溶銑に与えられ、溶銑を昇温する。これにより、Crの酸化損失が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平9-41018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばCr系ステンレス鋼を製造する場合、精錬炉において、溶銑に酸素を吹き付けて脱炭精錬を行うとともに、溶銑にCr及びニッケル(Ni)などの合金原料を投入して成分調整を行う。しかしながら、合金原料の投入に伴って溶銑の温度が降下するため、溶銑中のCの燃焼だけでは熱不足となり、Crの酸化が助長されるおそれがある。この熱不足を補填するため、通常、精錬中に、炭材(例:黒鉛、石炭、ピッチコークスなど)を溶銑に添加し、炭材の燃焼熱を溶銑の昇温に利用している。
【0007】
本開示は、上記の実情に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、炭材の使用量を低減できる脱炭精錬方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る脱炭精錬方法は、精錬炉に溶銑を収容し、溶銑の上方に上吹きランスを配置し、上吹きランスの先端部に設けられたノズルから溶銑に向かって酸素を吹出して溶銑を脱炭精錬する。当該脱炭精錬方法では、主孔と、主孔の周囲に配置された複数の副孔とを有するノズルを用い、溶銑の表面からノズルの先端までの上下方向の距離を3700~5400mmとし、ノズルからの酸素の吹出し量を20~75Nm

/hr/tonとする。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る脱炭精錬方法によれば、炭材の使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本実施形態に係る脱炭精錬方法で用いられる精錬炉の構成を示す模式図である。
図2は、ノズルの先端を下方から見たときの平面図である。
図3は、図2の線III-IIIにおける断面図である。
図4は、実施例における試験結果を示す図である。
図5は、実施例における試験結果を示す図である。
図6は、実施例における試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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