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公開番号
2025130949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-09
出願番号
2024028360
出願日
2024-02-28
発明の名称
高炉の操業方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
主分類
C21B
5/00 20060101AFI20250902BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】ベース操業から水素ガス吹込み操業に移行した際に、高炉を安定して操業することができる高炉の操業方法を提供する。
【解決手段】
本発明の要旨は以下である。(1)ベース操業から水素系還元ガスを高炉に吹き込む水素ガス吹込み操業に移行する際に行われる高炉の操業方法であって、少なくとも送風湿分、酸素富化率、及び微粉炭比を調整することで、羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度を一定に維持することを特徴とする、高炉の操業方法。(2)前記ベース操業から前記水素ガス吹込み操業への移行を開始した時点から所定時間が経過するまで、前記羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度をモニタリングすることを特徴とする、(1)に記載の高炉の操業方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
ベース操業から水素系還元ガスを高炉に吹き込む水素ガス吹込み操業に移行する際に行われる高炉の操業方法であって、少なくとも送風湿分、酸素富化率、及び微粉炭比を調整することで、羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度を一定に維持することを特徴とする、高炉の操業方法。
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【請求項2】
前記ベース操業から前記水素ガス吹込み操業への移行を開始した時点から所定時間が経過するまで、前記羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度をモニタリングすることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄鋼業においては、高炉法が銑鉄製造工程の主流を担っている。高炉法においては、高炉の炉頂から高炉用鉄系原料(酸化鉄を含む原料。主として、焼結鉱。以下、単に「鉄系原料」とも称する)及びコークスを高炉内に交互かつ層状に装入する一方で、高炉下部の羽口から熱風を高炉内に吹き込む。熱風は、熱風とともに吹き込まれる微粉炭、及び、高炉内のコークスと反応することで、高温の還元ガス(ここでは主としてCOガス)を発生させる。すなわち、熱風は、コークス及び微粉炭をガス化させる。還元ガスは、高炉内を上昇し、鉄系原料を加熱しながら還元する。鉄系原料は、高炉内を降下する一方で、還元ガスにより加熱及び還元される。その後、鉄系原料は溶融し、コークスによってさらに還元されながら高炉内を滴下する。鉄系原料は、最終的には炭素を5質量%弱含む溶銑(銑鉄)として炉床部に溜められる。炉床部の溶銑は、出銑口から取り出され、次の製鋼プロセスに供される。したがって、高炉法では、コークス及び微粉炭等の炭材を還元材として使用する。
【0003】
ところで、近年、地球温暖化防止が叫ばれ、温室効果ガスの一つである二酸化炭素(CO
2
ガス)の排出量削減が社会問題になっている。上述したように、高炉法では、還元材として炭材を使用するので、大量のCO
2
ガスを発生する。したがって、鉄鋼業はCO
2
ガス排出量において主要な産業のひとつとなっており、その社会的要請に応えねばならない。具体的には、高炉操業での更なる還元材比(溶銑1トンあたりの還元材使用量)の削減が急務となっている。
【0004】
還元材は炉内で熱となって装入物を昇温させる役割と、炉内の鉄系原料を還元する役割があり、還元材比を低減させるためには炉内の還元効率を上げる必要がある。炉内の還元反応は様々な反応式で表記することができる。これらの還元反応のうち、コークスによる直接還元反応(反応式:FeO+C⇒Fe+CO)は大きな吸熱を伴う吸熱反応である。したがって、この反応を極力発生させないことが還元材比の低減において重要となる。この直接還元反応は高炉炉下部で生じる反応であるため、鉄系原料が炉下部に至るまでにCO、H
2
等の還元ガスで鉄系原料を十分に還元することができれば、直接還元反応の対象となる鉄系原料を減らすことができる。
【0005】
上記課題を解決するための従来技術として、例えば特許文献1に開示されるように、羽口から熱風と共に水素ガスを吹き込むことで、炉内の還元ガスポテンシャルを向上させる技術が知られている。この技術では、水素ガスを鉄系原料の還元ガスとして使用することで、還元材比を低減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2021/107091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本発明者らが特許文献1に開示されている技術について検討したところ、ベース操業から水素ガスを高炉に吹き込む水素ガス吹込み操業に移行する際に炉内状態が大きく変化し、高炉の安定操業が難しくなるという問題が生じることが明らかになった。具体的には、ベース操業から水素ガス吹込み操業に移行した際に、羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度が大きく低下する。高炉操業を安定して行うためには、羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度をなるべく一定に維持する必要がある。例えば、詳細は後述するが、羽口先燃焼温度が低下すると溶銑温度が低下する。また、炉頂排ガス温度が低下すると、鉄系原料及びコークスに付着した水分が蒸発せずに高炉内に入り込み、炉内状態を悪化させる可能性がある。したがって、高炉操業を安定して行うことが難しくなる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ベース操業から水素ガス吹込み操業に移行した際に、高炉を安定して操業することができる高炉の操業方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は以下である。
(1)
ベース操業から水素系還元ガスを高炉に吹き込む水素ガス吹込み操業に移行する際に行われる高炉の操業方法であって、少なくとも送風湿分、酸素富化率、及び微粉炭比を調整することで、羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度を一定に維持することを特徴とする、高炉の操業方法。
(2)
前記ベース操業から前記水素ガス吹込み操業への移行を開始した時点から所定時間が経過するまで、前記羽口先燃焼温度及び炉頂排ガス温度をモニタリングすることを特徴とする、(1)に記載の高炉の操業方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベース操業から水素ガス吹込み操業に移行した際に、高炉を安定して操業することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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