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公開番号2024155202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069683
出願日2023-04-20
発明の名称継目無鋼管
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20241024BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い強度と優れた破壊靭性とが得られる継目無鋼管を提供する。
【解決手段】本開示の継目無鋼管は、質量%で、C:0.03~0.08%、Si:0.05~0.25%、Mn:1.0~2.5%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Al:0.030~0.100%、Ti:0.001~0.050%、Mg:0.0005~0.0050%、希土類元素:0.0005~0.0050%、N:0.0150%以下、O:0.0050%以下、及び、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、引張強さが531~758MPaであり、円相当径が2.0μm以上の酸化物系介在物である特定酸化物系介在物の個数密度が40個/mm2以下であり、特定酸化物系介在物のアスペクト比が2.0以下であり、特定酸化物系介在物の硬さが18GPa以下である。
0.3≦REM/Mg≦2.0 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
継目無鋼管であって、
質量%で、
C:0.03~0.08%、
Si:0.05~0.25%、
Mn:1.0~2.5%、
P:0.05%以下、
S:0.005%以下、
Al:0.030~0.100%、
Ti:0.001~0.050%、
Mg:0.0005~0.0050%、
希土類元素:0.0005~0.0050%、
N:0.0150%以下、
O:0.0050%以下、
Mo:0~0.3%、
Nb:0~0.020%、
Ca:0~0.0002%、
B:0~0.0002%、
Cu:0~0.50%、
Ni:0~0.50%、
Cr:0~0.50%、
V:0~0.08%、及び、
残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、
引張強さが531~758MPaであり、
円相当径が2.0μm以上の酸化物系介在物である特定酸化物系介在物の個数密度が40個/mm

以下であり、
前記特定酸化物系介在物のアスペクト比が2.0以下であり、
前記特定酸化物系介在物の硬さが18GPa以下である、
継目無鋼管。
0.3≦REM/Mg≦2.0 (1)
ここで、式(1)中の「REM」には、希土類元素の質量%での含有量が代入され、「Mg」にはMgの質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の継目無鋼管であって、
Al:0.072~0.100%、
を含有する、
継目無鋼管。
【請求項3】
請求項1に記載の継目無鋼管であって、
Cu:0.01~0.50%、
Ni:0.01~0.50%、
Cr:0.01~0.50%、及び、
V:0.01~0.08%、からなる群から選択される1種以上を含有する、
継目無鋼管。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の継目無鋼管であって、
前記継目無鋼管は、ラインパイプ用継目無鋼管である、
継目無鋼管。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、継目無鋼管に関し、さらに詳しくは、ラインパイプとしての使用に適した継目無鋼管に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地上や海底面等に設置され、天然ガスや原油等を移送するシステムをパイプラインという。海底に敷設されるパイプラインは、複数の鋼管(ラインパイプ)で構成される。海底に敷設されるパイプラインはさらに、パイプライン内部を通る生産流体から高い圧力を受ける。パイプラインはさらに、波浪による繰り返し歪みと海水圧とを外部から受ける。さらに近年、低温環境といった、過酷な環境でパイプラインが敷設される場合がある。したがって、パイプラインを構成する鋼管(ラインパイプ)には、高い強度と、優れた低温靱性とが求められてきている。
【0003】
これまでに、ラインパイプ用途の継目無鋼管の強度と低温靭性とを高める技術が、特開2010-242222号公報(特許文献1)、及び、特開2004-124158号公報(特許文献2)に提案されている。
【0004】
特許文献1に提案される継目無鋼管は、C:0.03~0.08%、Si:0.15%以下、Mn:0.3~2.5%、Al:0.001~0.10%、Cr:0.02~1.0%、Ni:0.02~1.0%、Mo:0.02~1.2%、Ti:0.004~0.010%、N:0.002~0.008%を含有し、さらに、Ca、Mg及びREMのうちの1種又は2種以上を合計で0.0002~0.005%含有し、残部はFe及び不純物からなり、肉厚が30~50mmである。この継目無鋼管では、Ca、Mg及びREMの1種以上を適量含有することにより、厚肉の継目無鋼管であっても優れた低温靭性が得られる、と特許文献1には開示されている。
【0005】
特許文献2に提案される継目無鋼管は、質量%で、C:0.02~0.15%、Si:0.05~1.0%、Mn:0.30~2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Ti:0.002~0.017%、Al:0.001~0.100%、N:0.008%以下、及び、O(酸素):0.004%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる。そして、JIS G 0551で規定される粒度番号が7未満である。さらに、鋼中に存在する酸化物系介在物のうち、直径が300μm超の酸化物系介在物の個数が1cm

あたり1個以下で、直径が5~300μmの酸化物系介在物の個数が1cm

あたり200個以下である。この継目無鋼管では酸化物系介在物のサイズごとの個数密度を制限することにより、優れた低温靭性が得られる、と特許文献2には開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-242222号公報
特開2004-124158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2には、ラインパイプ用途の継目無鋼管において、優れた低温靭性が得られる技術が提案されている。しかしながら、上記特許文献1及び2以外の技術によって、優れた低温靭性が得られてもよい。
【0008】
また、最近では、破壊靭性の評価として、CTOD(Crack Tip Opening Displacement:亀裂先端開口変位)試験がある。CTOD試験は、ラインパイプのような大型の構造物に亀裂が存在したときに曲げ荷重をかけた場合に、割れ亀裂が進展する現象を模擬した試験である。亀裂を有する試験片に荷重を加えていくと、亀裂が急速に進展する現象である「不安定破壊」が生じる。CTOD試験は、この亀裂が急速に進展する直前の開口部の変化を評価指標とする。寒冷地でのラインパイプでは特に、高いCTOD値が求められる。特許文献1及び2では、このような破壊靭性について検討されていない。
【0009】
本開示の目的は、高い強度と優れた破壊靭性とが得られる継目無鋼管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示による継目無鋼管は、
質量%で、
C:0.03~0.08%、
Si:0.05~0.25%、
Mn:1.0~2.5%、
P:0.05%以下、
S:0.005%以下、
Al:0.030~0.100%、
Ti:0.001~0.050%、
Mg:0.0005~0.0050%、
希土類元素:0.0005~0.0050%、
N:0.0150%以下、
O:0.0050%以下、
Mo:0~0.3%、
Nb:0~0.020%、
Ca:0~0.0002%、
B:0~0.0002%、
Cu:0~0.50%、
Ni:0~0.50%、
Cr:0~0.50%、
V:0~0.08%、及び、
残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、
引張強さが531~758MPaであり、
円相当径が2.0μm以上の酸化物系介在物である特定酸化物系介在物の個数密度が40個/mm

以下であり、
前記特定酸化物系介在物のアスペクト比が2.0以下であり、
前記特定酸化物系介在物の硬さが18GPa以下である、
0.3≦REM/Mg≦2.0 (1)
ここで、式(1)中の「REM」には、希土類元素の質量%での含有量が代入され、「Mg」にはMgの質量%での含有量が代入される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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