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公開番号2025006445
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023107247
出願日2023-06-29
発明の名称有価金属の回収方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 23/00 20060101AFI20250109BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスの際に発生する中和浸出残渣から有価金属を回収して中和浸出残渣の廃棄量を低減する。
【解決手段】ニッケル酸化鉱石に対して高温高圧下で酸により浸出処理を施して浸出液と浸出残渣とを含む浸出スラリーを得る浸出工程と、浸出スラリーに含まれる遊離酸を中和剤により中和する中和工程と、中和後のスラリーを固液分離して浸出液と中和浸出残渣とを得る固液分離工程と、を含む湿式製錬プロセスを経て得られる中和浸出残渣から鉄を含む有価金属を回収する有価金属の回収方法であって、中和浸出残渣と還元剤とを混合して混合物を得る混合工程S21と、回転炉床炉を用いて混合物に対して所定温度で還元処理を施し還元物を得る還元工程S23と、還元物からスラグを分離し、有価金属を含むメタルを回収する回収工程S24と、を有する有価金属の回収方法である。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
ニッケル酸化鉱石に対して高温高圧下で酸により浸出処理を施して浸出液と浸出残渣とを含む浸出スラリーを得る浸出工程と、該浸出スラリーに含まれる遊離酸を中和剤により中和する中和工程と、中和後のスラリーを固液分離して浸出液と中和浸出残渣とを得る固液分離工程と、を含む湿式製錬プロセスを経て得られる該中和浸出残渣から鉄を含む有価金属を回収する有価金属の回収方法であって、
前記中和浸出残渣と還元剤とを混合して混合物を得る混合工程と、
回転炉床炉を用いて前記混合物に対して還元処理を施し還元物を得る還元工程と、
前記還元物からスラグを分離し、有価金属を含むメタルを回収する回収工程と、
を有し、
前記還元工程では、1450℃超1550℃以下の還元温度で前記混合物に対して還元処理を施して還元物を得る、
有価金属の回収方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記中和浸出残渣は、20質量%以上の鉄分を含有する、
請求項1に記載の有価金属の回収方法。
【請求項3】
前記中和浸出残渣は、鉄を酸化物の形態で含有し、
前記混合工程では、前記還元剤を、前記中和浸出残渣を含む混合対象に含まれる鉄の酸化物を過不足なく還元するのに必要な還元剤の量を100質量%としたとき100質量%以上の混合割合となるように混合する、
請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項4】
前記還元工程では、3分以上50分以下の還元時間で前記混合物に対して還元処理を施して還元物を得る、
請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有価金属の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
リモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱石の製錬方法には、熔錬炉を使用して硫黄と共に硫化焙焼してニッケルマットを製造する乾式製錬プロセス、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用し炭素質還元剤を用いて還元することによってニッケルを含有する合金を製造する乾式製錬プロセス、オートクレーブを使用して硫酸でニッケルやコバルトを浸出して得た浸出液に硫化剤を添加して混合硫化物(ミックスサルファイド)を製造する湿式製錬プロセス等が知られている。
【0003】
オートクレーブを用いた湿式製錬プロセスによって、低品位ニッケル酸化鉱石からニッケルやコバルトを選択的に回収することができる。例えば、特許文献1には、ニッケル酸化鉱石を浸出して得られる浸出スラリーから、ニッケルコバルト混合硫化物を製造するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する技術が記載されている。この技術は、ニッケル酸化鉱石に硫酸を添加して浸出処理を施す浸出工程と、浸出処理により得られる浸出スラリーに中和剤を添加して中和処理を施し、浸出スラリーに含まれる遊離酸を除去する予備中和工程と、を含み、予備中和工程では、中和剤としてニッケルコバルト混合水酸化物を用いることを特徴とするものである。
【0004】
特許文献1によれば、予備中和工程において、所定の中和剤を用いることで、pHのばらつきを抑えて安定的な中和の処理を行うことができることが記載されている。
【0005】
その一方で、湿式製錬プロセスは、ニッケルやコバルトの浸出には大量の硫酸を必要とし、この硫酸を中和処理するために大量の中和剤(石灰石や消石灰)を消費し、これらは操業コストで大きな割合を占めている。また、中和浸出する際に多量の中和浸出残渣が発生する。
【0006】
この中和浸出残渣を廃棄する場合には、テーリングダムと呼ばれる大きな処分場に埋めたてることになる。一方で、このテーリングダムの建設コストは非常に大きく、例えば湿式製錬処理工場の規模によって100億円を超えるような額になり採算性に大きく影響を及ぼす。
【0007】
ところで、この中和浸出残渣は、例えば20質量%以上の多くの鉄を含んでいる。中和浸出残渣から効率的に鉄を回収できればコスト面でも環境面でも非常に大きなメリットとなるが、現在の技術では中和浸出残渣から効率的に鉄を回収することはされておらず、莫大なコストをかけてテーリングダムに埋め立てることで、中和浸出残渣を廃棄することが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-150719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスの際に発生する中和浸出残渣から有価金属を回収して中和浸出残渣の廃棄量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、中和浸出残渣と、還元剤と、の混合物を得て、回転炉床炉を用いて混合物に対して所定の温度で還元処理を施すことで、中和浸出残渣から有価金属を効率よく回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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