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公開番号2024154550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068418
出願日2023-04-19
発明の名称設計支援装置、設計支援方法、および設計支援用コンピュータプログラム
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06F 30/20 20200101AFI20241024BHJP(計算;計数)
要約【課題】貫通孔を有する梁部材について、貫通孔の周辺を補強せずに曲げ耐力およびせん断耐力を確保した設計を支援し、かかる設計に要する時間を短縮する。
【解決手段】設計支援装置1は、建築物を構成する、所定の断面形状および所定の鋼材強度を有する鋼材からなる部材が、所定位置に所定寸法で貫通孔が設けられたときに所定の部材耐力を有するか否かを判定し、部材が所定の部材耐力を有しないと判定された場合、所定の部材耐力を有するように鋼材の断面形状および鋼材強度の少なくとも一方を変更し、判定および/または変更の結果を出力する。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
建築物を構成する、所定の断面形状および所定の鋼材強度を有する鋼材からなる部材が、所定位置に所定寸法で貫通孔が設けられたときに所定の部材耐力を有するか否かを判定する判定部と、
前記部材が前記所定の部材耐力を有しないと判定された場合、前記所定の部材耐力を有するように前記鋼材の前記断面形状および前記鋼材強度の少なくとも一方を変更する変更部と、
前記判定および/または前記変更の結果を出力する出力部と、
を備える設計支援装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記部材は、前記建築物の梁構造を構成する梁部材である請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記鋼材はH形鋼であり、前記貫通孔は前記H形鋼におけるウェブの前記所定位置に設けられる請求項2に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記変更部は、前記断面形状の変更において、前記ウェブの厚さを変更する請求項3に記載の設計支援装置。
【請求項5】
前記変更部は、前記鋼材の変更前の前記ウェブの厚さと変更後のウェブの厚さとの差が所定の厚さ差分閾値を超えても前記部材が前記所定の部材耐力を有しない場合に、前記鋼材の前記鋼材強度を変更する請求項4に記載の設計支援装置。
【請求項6】
前記変更部は、前記鋼材について適用可能な前記断面形状または前記鋼材強度の複数の候補を含む候補リストから一の候補を選択することにより、前記鋼材の前記断面形状および前記鋼材強度の少なくとも一方を変更する請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記断面形状および前記鋼材強度の少なくとも一方が変更された前記鋼材からなる前記部材において、前記所定の部材耐力を有しつつ前記貫通孔を設けることができる位置を表す設置可能情報をさらに出力する、請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項8】
前記設置可能情報は、前記貫通孔の寸法ごとに前記貫通孔を設けることができる位置を表す、請求項7に記載の設計支援装置。
【請求項9】
建築物の設計を支援する設計支援装置が、
前記建築物を構成する、所定の断面形状および所定の鋼材強度を有する鋼材からなる部材が、所定位置に所定寸法で貫通孔が設けられたときに所定の部材耐力を有するか否かを判定し、
前記部材が前記所定の部材耐力を有しないと判定された場合、前記所定の部材耐力を有するように前記鋼材の前記断面形状および前記鋼材強度の少なくとも一方を変更し、
前記判定および/または前記変更の結果を出力する、
ことを含む設計支援方法。
【請求項10】
建築物を構成する、所定の断面形状および所定の鋼材強度を有する鋼材からなる部材が、所定位置に所定寸法で貫通孔が設けられたときに所定の部材耐力を有するか否かを判定することと、
前記部材が前記所定の部材耐力を有しないと判定された場合、前記所定の部材耐力を有するように前記鋼材の前記断面形状および前記鋼材強度の少なくとも一方を変更することと、
前記判定および/または前記変更の結果を出力することと、
をコンピュータに実行させる設計支援用コンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、建築物の設計を支援する設計支援装置、設計支援方法、および設計支援用コンピュータプログラムに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
H形鋼などの梁部材により構成された梁構造を有する建造物では、梁構造に支持される床スラブの下の天井裏部分において、梁部材と設備配管とが干渉することがある。このような場合、梁部材の鉛直部分(H形鋼におけるウェブ)に貫通孔を設けることで、梁部材と設備配管との干渉を解消することができる。
【0003】
梁部材と設備配管との干渉を解消するために梁部材に貫通孔を設けると、梁部材の曲げ耐力およびせん断耐力といった部材耐力が低下する。梁構造の設計は設備配管の設計に先立って行われるため、予め貫通孔の設置による部材耐力の低下を見込んだ適切な梁構造を設計することは困難である。梁構造の設計を維持しつつ、貫通孔の設置により低下する梁部材の部材耐力を確保するため、貫通孔の周辺の補強が行われる。
【0004】
特許文献1には、鉄骨梁貫通孔の補強設計を効率良く行う鉄骨梁貫通孔の補強設計支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-28802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
貫通孔の周辺の補強には、補強部材の加工や接合等に手間やコストが必要となる。建築物の施工の生産性向上のためには、補強することなく梁部材に貫通孔を設けることが望ましい。
【0007】
特許文献1に記載の補強設計支援システムによると、貫通孔を設けた梁部材の補強の要否の判定および補強部材の仕様の検討を行うことができる。しかし、この補強設計支援システムは貫通孔への補強を前提としているため、補強が必要との結果が得られた場合に、貫通孔の設置による強度低下を見込んだ上で補強が不要となるように梁部材を設計することはできない。
【0008】
近年、建築物の設計に、パーツの形状および属性を有するパラメータの集合として建築物の構造を表すBIM(Building Information Modeling)アプリケーションプログラムが用いられている。BIMアプリケーションプログラムのデータ(BIMデータ)は、設計者、施工者、維持管理者といった関係者に共有され、効率的に活用される。
【0009】
関係者によりBIMデータが共有されるBIMシステムにおいては、関係者は梁構造の設計と設備配管の設計とを並行して進めることができる。このような設計環境に対応した、貫通孔を有する梁部材の設計支援装置が求められている。
【0010】
そこで、本開示は、貫通孔を有する梁部材について、貫通孔の周辺を補強せずに部材耐力を確保した設計を支援し、かかる設計に要する時間を短縮する設計支援装置、設計支援方法、および設計支援用コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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