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公開番号
2024163668
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-22
出願番号
2023079482
出願日
2023-05-12
発明の名称
材料破断判定方法、材料破断判定装置およびプログラム
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G06F
30/23 20200101AFI20241115BHJP(計算;計数)
要約
【課題】本発明は、衝突時の自動車車体部材に生じるような複合的な破断モード(引張破断、引張曲げ破断、および曲げ破断)を統一的に評価する部材の破断判定方法部材の破断判定装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】破断判定装置は、解析対象部材の材料でできた試験片のn値及びVDA(ドイツ自動車工業会)曲げ試験における曲げ破断時の曲げ外側表層の最大主ひずみおよび板厚とから破断限界関数(破断限界線)を求める破断限界関数生成部と、FEM(有限要素法)による部材の変形解析で得られた各要素の最大主ひずみおよび板厚方向の最大主ひずみの勾配とを求める部材シミュレーション実行部と、求めた曲げ外側最大主ひずみと破断限界関数とを比較して、当該部材が破断するかどうかを判定する破断判定部と、を備える。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
有限要素法(FEM)を用いた変形解析による部材の破断判定方法であって、
(a)前記部材を構成する材料でできた試験片のVDA曲げ試験における曲げ破断時の、前記試験片の曲げ外側表層での最大主ひずみの値である限界曲げ最大主ひずみと、
前記試験片に引張荷重と曲げ変形を同時に負荷する試験における破断時の、前記試験片の曲げ外側表層での最大主ひずみである曲げ外側最大主ひずみと、板厚方向の最大主ひずみの勾配である板厚方向ひずみ勾配との関係と、
前記材料の加工硬化指数であるn値と、前記試験片の板厚とから、前記板厚に応じた板厚方向ひずみ勾配に対する曲げ外側最大主ひずみの関数である破断限界関数を求めるステップと、
(b)有限要素法による前記部材の変形解析により、前記部材の要素ごとに、曲げ外側最大主ひずみと前記板厚方向ひずみ勾配を求めるステップと、
(c)前記要素ごとに、前記有限要素法による変形解析で求めた前記板厚方向ひずみ勾配と前記部材の板厚に応じた前記破断限界関数から求められる前記曲げ外側最大主ひずみと、
前記有限要素法による変形解析で求めた前記曲げ外側最大主ひずみを比較して、
前記部材が破断しているかどうかを判定するステップと、
(d)前記部材が破断したかどうかの判定結果を出力するステップを、
有することを特徴とする部材の破断判定方法。
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
前記破断限界関数を求めるステップにおいて、
前記VDA曲げ試験における破断時点での前記試験片の限界VDA曲げ角度と有限要素法から、前記VDA曲げ試験における破断時点での前記限界曲げ最大主ひずみを求め、
前記板厚方向ひずみ勾配を横軸に、曲げ外側最大主ひずみを縦軸にした平面であるひずみ勾配-最大主ひずみ平面において、
前記破断限界関数が一次関数としたときの傾きを破断限界勾配としたとき、
縦軸の切片となる前記n値の点を通り、
予め求めた前記板厚と前記破断限界勾配の関係から求められる前記試験片の板厚に応じた前記破断限界勾配を傾きとし、前記限界曲げ最大主ひずみを上限とする線分である破断限界線を取得し、
前記破断限界線を前記破断限界関数とする、請求項1に記載の部材の破断判定方法。
【請求項3】
予め求めたn値と前記破断限界勾配の関係と前記部材の前記材料の前記n値に基づき、前記破断限界勾配を補正する、請求項2に記載の部材の破断判定方法。
【請求項4】
予め求めたFEM解析における要素サイズと前記部材の前記材料の引張試験における引張破断時の最大主ひずみである引張限界ひずみとの関係に基づき、前記FEMの変形解析で用いた前記要素サイズに対応する前記引張限界ひずみを求め、求めた前記引張限界ひずみを前記破断限界関数の下限値とし、さらに、
予め求めたFEM解析における前記要素サイズと前記部材の材料の前記限界曲げ最大主ひずみとの関係に基づき、前記FEMの変形解析で用いた前記要素サイズに対応する前記限界曲げ最大主ひずみを求め、前記求めた限界曲げ最大主ひずみを前記破断限界関数の上限値とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の部材の破断判定方法。
【請求項5】
前記部材の前記材料のひずみと応力の関係に基づき、前記限界曲げ最大主ひずみ、前記破断限界関数を、引張限界応力、限界曲げ最大主応力、破断限界応力関数に変換して求め、前記部材の要素ごとに曲げ外側表層での最大主応力と板厚方向の最大主応力の勾配である板厚方向応力勾配を求め、前記部材が破断したかどうかを判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の部材の破断判定方法。
【請求項6】
前記部材の材料のひずみと応力の関係に基づき、前記引張限界ひずみ、前記限界曲げ最大主ひずみ、前記破断限界関数を、引張限界応力、限界曲げ最大主応力、破断限界応力関数に変換して求め、前記部材の要素ごとに曲げ外側表層での最大主応力と板厚方向の最大主応力の勾配である板厚方向応力勾配を求め、前記部材が破断したかどうかを判定する、請求項4に記載の部材の破断判定方法。
【請求項7】
前記部材が980MPa以上の引張強度を有する鋼材である、請求項1~3のいずれか1項に記載の部材の破断判定方法。
【請求項8】
有限要素法(FEM)を用いた変形解析による部材の破断判定装置であって、
(a)前記部材を構成する材料でできた試験片のVDA曲げ試験における曲げ破断時の、前記試験片の曲げ外側表層での最大主ひずみの値である限界曲げ最大主ひずみと、
前記試験片に引張荷重と曲げ変形を同時に負荷する試験における破断時の、前記試験片の曲げ外側表層での最大主ひずみである曲げ外側最大主ひずみと、板厚方向の最大主ひずみの勾配である板厚方向ひずみ勾配との関係と、
前記材料の加工硬化指数であるn値と、前記試験片の板厚とから、前記板厚に応じた板厚方向ひずみ勾配に対する曲げ外側最大主ひずみの関数である破断限界関数を生成する破断限界関数生成部と、
(b)有限要素法による前記部材の変形解析により、前記部材の要素ごとに、曲げ外側最大主ひずみと前記板厚方向ひずみ勾配を求める部材シミュレーション実行部と、
(c)前記要素ごとに、前記部材シミュレーション実行部で求めた板厚方向ひずみ勾配と前記破断限界関数生成部で求めた前記部材の板厚に応じた前記破断限界関数から求められる前記曲げ外側最大主ひずみと、
前記部材シミュレーション実行部で求めた曲げ外側最大主ひずみを比較して、
前記部材が破断しているかどうかを判定する破断判定部と、
(d)前記部材が破断したかどうかの判定結果を出力する出力部を
有することを特徴とする部材の破断判定装置。
【請求項9】
前記破断限界関数生成部において、
前記VDA曲げ試験における破断時点での前記試験片の限界VDA曲げ角度と有限要素法から、前記VDA曲げ試験における破断時点での前記限界曲げ最大主ひずみを求め、
前記板厚方向ひずみ勾配を横軸に、曲げ外側表層の最大主ひずみを縦軸にした平面であるひずみ勾配-最大主ひずみ平面において、
前記破断限界関数が一次関数としたときの傾きを破断限界勾配としたとき、
縦軸の切片となる前記n値の点を通り、
予め求めた前記板厚と前記破断限界勾配の関係から求められる前記試験片の板厚に応じた前記破断限界勾配を傾きとし、前記限界曲げ最大主ひずみを上限とする線分である破断限界線を取得し、
前記破断限界線を前記破断限界関数とする、請求項8に記載の部材の破断判定装置。
【請求項10】
前記破断限界関数生成部において、
予め求めたn値と前記破断限界勾配の関係と前記部材の前記材料の前記n値に基づき、前記破断限界勾配を補正する、請求項9に記載の部材の破断判定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の破断判定方法、破断判定装置およびプログラムに関する。特に、金属材料の変形モードを考慮した破断判定方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車において衝突時の衝撃を低減し得る車体構造の開発は、常に重要な課題の一つである。自動車の衝突時への対処方法の一つとして、自動車の構造部材により衝突エネルギーを吸収し、人間の乗車空間を保護することが重要である。そのため自動車の車体構造の設計時において、衝突を想定した構造設計がなされ、その中で例えば、FEM(有限要素法)解析を用いた車体構造部材の衝突変形解析が行われており、破断判定も含めた解析がなされている。
【0003】
例えば特許文献1では、材料の引張曲げ破断限界強度を推定し、曲げ加工部に作用する張力との関係から、材料の曲げ破断の危険性を判定して、破断予測する方法が提案されている。また、例えば特許文献2では、剪断加工された金属板のプレス曲げ成形において、剪断加工面での板厚方向の表面ひずみ分布の勾配と、曲げ稜線方向の表面ひずみ分布の勾配から求めた指標値に基づき、剪断加工面での変形限界を評価して破断予測する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-33039号公報
国際公開第2019/017136号
国際公開第2020/204059号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
衝突エネルギーを吸収するためには、衝突時に構造部材が設計時に狙ったモードで変形することが重要である。仮に変形過程で材料破断が発生した場合は、狙った変形モードとならず、十分なエネルギー吸収性能が得られない場合がある。
【0006】
さらに、鋼板の高強度化に伴って延性が低下し、自動車車体の衝突変形時の材料破断モードが多様化してきている。例えば、引張強度が980MPa以上の超ハイテン材と呼ばれる鋼板においては、衝突変形時の面内引張力による材料破断(引張破断)に加え、座屈によって生じる曲げ変形による材料破断(曲げ破断)だけでなく、それらが複合化した材料破断(引張曲げ破断)が生じる場合もある。つまり、衝突時の変形部材は部位によって変形形態が異なるだけでなく、同一部位であっても変形の進行に伴い変形形態が変化する場合があり、部材ごとの材料破断モードが複雑化しており、自動車車体構造を設計する際の破断判定を難しくしている。
【0007】
これに対して、特許文献1の方法は、曲げ内側半径ごとの張力と伸びの関係から曲げ破断強度を予測し、引張曲げの破断を判定する方法であるが、あくまで引張曲げ変形下での破断を予測する方法であって、例えば単純曲げのような張力がほとんど負荷されず曲げ変形だけで破断に至る場合には適用できない。
【0008】
特許文献2の方法は、あくまで、プレス成形時に剪断加工面で伸びフランジ変形を受ける特殊な部位に限定した技術であり、衝突変形時の部材のように複合的な破断モードに対する破断判定に適用するには限界がある。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するため、衝突時の自動車車体部材に生じるような複合的な破断モード(引張破断、引張曲げ破断、および曲げ破断)を統一的に評価することを課題とし、全破断モードを統一的に評価する材料破断判定方法、装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を進め、以下の知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)
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