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公開番号2025057841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167624
出願日2023-09-28
発明の名称鉄鉱石の還元気化脱リン方法
出願人日本製鉄株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C22B 1/11 20060101AFI20250402BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】脱リン効率に優れた鉄鉱石の還元気化脱リン方法を提供する。
【解決手段】
本発明の要旨は以下である。
(1)
鉄鉱石のリン濃縮度αを次式で定義するとき、
α(-)=Wp(+3mm)/Wp
Wp(+3mm):粒度3mm以上の粗粒鉄鉱石のリン濃度(質量%)
Wp:全粒度平均の鉄鉱石のリン濃度(質量%)
還元温度T(℃)を次式の範囲として、鉄鉱石を還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
-3333×α+4111≦T≦-3333×α+4211
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鉄鉱石のリン濃縮度αを次式で定義するとき、
α(-)=Wp(+3mm)/Wp
Wp(+3mm):粒度3mm以上の粗粒鉄鉱石のリン濃度(質量%)
Wp:全粒度平均の鉄鉱石のリン濃度(質量%)
還元温度T(℃)を次式の範囲として、鉄鉱石を還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
-3333×α+4111≦T≦-3333×α+4211
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
リン濃縮度αが0.95以上1.10以下の鉄鉱石を還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、請求項1に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
【請求項3】
前記鉄鉱石を目開き3mmの篩で分級することで、前記粗粒鉄鉱石を取得し、前記粗粒鉄鉱石を前記還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、請求項1または2に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
【請求項4】
前記粗粒鉄鉱石のうち、黄色系の鉄鉱石を選別し、前記黄色系の鉄鉱石を前記還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、請求項3に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鉱石の還元気化脱リン方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、鉄鉱石に含まれるリンの濃度が高くなってきている。リンは鋼材の強度を下げる等、鋼材の品質を下げる元素なので、様々な鉄鉱石の脱リン方法が提案されている。例えば、鉄鉱石の脱リン方法として、酸を使用する浸出法、バクテリアを使用するバイオリーチング法、鉄鉱石を焙焼してリン成分を濃縮させた後、還元磁選でリン成分を鉄分と分離する焙焼還元法、雰囲気を制御して加熱する還元気化法、鉄鉱石へのアルカリ水熱反応の適用によるアルカリ水熱反応法等が知られている(特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公昭45-21174号公報
特開2000-119759号公報
特表2016-529396号公報
特開2020-20010号公報
特開2018-95893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、いずれの方法も脱リン効率が十分でないという問題があった。例えば、浸出法やバイオリーチング法は、酸使用の後処理に手間が掛かり、生産性が十分でないという問題があり、実用化に至っていない。焙焼還元法や還元気化法は、いずれも鉄鉱石を1000℃以上に加熱する必要があるため、エネルギー消費が高いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、脱リン効率に優れた鉄鉱石の還元気化脱リン方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下である。
(1)
鉄鉱石のリン濃縮度αを次式で定義するとき、
α(-)=Wp(+3mm)/Wp
Wp(+3mm):粒度3mm以上の粗粒鉄鉱石のリン濃度(質量%)
Wp:全粒度平均の鉄鉱石のリン濃度(質量%)
還元温度T(℃)を次式の範囲として、鉄鉱石を還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
-3333×α+4111≦T≦-3333×α+4211
(2)
リン濃縮度αが0.95以上1.10以下の鉄鉱石を還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、(1)に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
(3)
前記鉄鉱石を目開き3mmの篩で分級することで、前記粗粒鉄鉱石を取得し、前記粗粒鉄鉱石を前記還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、(1)または(2)に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
(4)
前記粗粒鉄鉱石のうち、黄色系の鉄鉱石を選別し、前記黄色系の鉄鉱石を前記還元気化脱リン方法で脱リンすることを特徴とする、(3)に記載の鉄鉱石の還元気化脱リン方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記観点によれば、脱リン効率に優れた鉄鉱石の還元気化脱リン方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
還元温度と脱リン率との相関を示すグラフである。
リン濃縮度αと還元温度との相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態において、粒度範囲を示す「A-B」はA以上B未満を意味するものとする。また、篩による分級では、目開きXmmの篩に残った鉄鉱石の粒度がXmm以上になり、篩から落ちた鉄鉱石の粒度がXmm未満となる。
【0010】
<1.本発明者による知見>
まず、本実施形態の基礎となる本発明者による知見について説明する。本発明者は、鉄鉱石の脱リン方法として、還元気化脱リン方法に着目した。還元気化脱リン方法は、概略的には、鉄鉱石を加熱し、ついで鉄鉱石を還元雰囲気下に置くことで、鉄鉱石を脱リンする方法である。さらに、本発明者は、鉄鉱石を篩分けにより複数の粒度区分に分級し、各粒度区分の鉄鉱石を観察した。なお、鉄鉱石の観察はMLA(Mineral Liberation Analysis)により行った。この結果、リンはゲーサイトに凝集しており、その傾向は、粗粒鉄鉱石(粒度3mm以上の鉄鉱石)で特に顕著になることが判明した。このようなリンはゲーサイトに化学吸着しており、加熱、すなわち還元気化により脱離しやすいと考えられる。また、粗粒鉄鉱石には、還元気化脱リン中の還元粉化により大きな亀裂が入りやすく、この亀裂からリンが脱離しやすいと考えられる。なお、微粉の鉄鉱石では還元気化脱リン中の還元粉化による応力が分散して亀裂発生に至らないと考えられる。したがって、粗粒鉄鉱石に含まれるリンが多いほど、脱リンが生じやすいと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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