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公開番号
2024128852
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-24
出願番号
2023038108
出願日
2023-03-10
発明の名称
高力ボルト摩擦接合構造
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C23C
28/00 20060101AFI20240913BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】美観の低下の抑制とすべり係数の向上とを両立できる高力ボルト摩擦接合構造を提供する。
【解決手段】高力ボルト摩擦接合構造FSは、Znを含むめっき部(第一めっき層21,第二めっき層27,第三めっき層31)を表面に有する複数のめっき鋼材(第一めっき鋼材20,第二めっき鋼材26,第三めっき鋼材30)を、高力ボルトによって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、複数のめっき鋼材(第一めっき鋼材20,第二めっき鋼材26,第三めっき鋼材30)が重ね合わせられた部分において、1つ以上のめっき鋼材(第一めっき鋼材20,第二めっき鋼材26,第三めっき鋼材30)のめっき部(第一めっき層21,第二めっき層27,第三めっき層31)の上に配置され、Ti及びZrのうち少なくとも一方を含む化成被膜42,43,46を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
Znを含むめっき部を表面に有する複数のめっき鋼材を、高力ボルトによって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、
前記複数のめっき鋼材が重ね合わせられた部分において、1つ以上の前記めっき鋼材の前記めっき部の上に配置され、Ti及びZrのうち少なくとも一方を含む化成被膜を備える、
高力ボルト摩擦接合構造。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記化成被膜における前記Tiの含有量と前記Zrの含有量との和は、40mg/m
2
以上、250mg/m
2
以下である、
請求項1に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
【請求項3】
前記化成被膜は、Pを含む、
請求項1又は2に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
【請求項4】
前記Pの含有量は、200mg/m
2
以上、700mg/m
2
以下である、
請求項3に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
【請求項5】
前記Tiの含有量と前記Zrの含有量との和は、40mg/m
2
以上、250mg/m
2
以下であり、
前記和の前記Pの含有量に対する比は、0.06以上、0.6以下である、
請求項4に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、高力ボルト摩擦接合構造に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、めっき処理が施された複数のめっき鋼材を、高力ボルト、ナット、及び座金によって摩擦接合させる高力ボルト摩擦接合構造が知られている。めっき部は、通常、亜鉛(Zn)を含む。
【0003】
特許文献1の高力ボルト摩擦接合構造では、めっき部のビッカース硬さを母材である鋼材表面のビッカース硬さよりも大きくすることによって、すべり係数を向上させる。また、特許文献1では、対向するめっき鋼材のめっき部同士の間に配置された、化成被膜としてのりん酸亜鉛被膜によって、すべり係数が更に高められる。
【0004】
また、特許文献2には、めっき処理が施された鋼板のめっき層の表面にりん酸塩皮膜を形成する技術が開示されている。りん酸塩皮膜に含まれるりん酸塩の結晶粒子が有する光の散乱作用によって、鋼板の光沢を低下させる防眩性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-156425号公報
特開2021-127475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、高力ボルト摩擦接合構造の表面では、接合部が形成された後、時間の経過によって、めっき部から亜鉛が外側に流出すると共に、流出した亜鉛を含む酸化物、いわゆる白錆が形成される。白錆は、高力ボルト摩擦接合構造の美観を低下させる。
【0007】
ここで、本件開示者らは、めっき部鋼材が重ね合わせられた部分に配置された化成被膜にチタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のうち少なくとも一方を含ませることによって、高力ボルト摩擦接合構造の接合部のすべり係数を向上させつつ、白錆の発生を抑制できるという、新たな知見を得た。この点、特許文献1及び2のいずれにおいても、白錆に起因する美観の低下の抑制と、すべり係数の向上との両立については、何ら検討されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、上記に鑑みなされたものであって、美観の低下の抑制とすべり係数の向上とを両立できる高力ボルト摩擦接合構造を提供する。
【0009】
本開示に係る高力ボルト摩擦接合構造は、Znを含むめっき部を表面に有する複数のめっき鋼材を、高力ボルトによって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、複数のめっき鋼材が重ね合わせられた部分において、1つ以上のめっき鋼材のめっき部の上に配置され、Ti及びZrのうち少なくとも一方を含む化成被膜を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、美観の低下の抑制とすべり係数の向上とを両立できる高力ボルト摩擦接合構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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