TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024143155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055681
出願日2023-03-30
発明の名称炭化金属被覆炭素材料
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 16/32 20060101AFI20241003BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】半導体単結晶の結晶成長およびエピタキシャル成長時の結晶多形の発生を抑制して半導体単結晶の歩留まりを向上させることができる炭化金属被覆炭素材料を提供する。
【解決手段】本発明は、炭素を主成分とする炭素基材と、炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化金属被覆膜とを含む炭化金属被覆炭素材料であり、炭化金属被覆膜を構成する金属炭化物は、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム及び炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属炭化物であり、炭化金属被覆膜中の塩素濃度が25000ppm・μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化金属被覆膜とを含む炭化金属被覆炭素材料であって、
前記炭化金属被覆膜を構成する金属炭化物は、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム及び炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属炭化物であり、
前記炭化金属被覆膜中の塩素濃度が25000ppm・μm以下である炭化金属被覆炭素材料。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記炭化金属被覆膜の膜厚が10μm以上、100μm以下である請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。
【請求項3】
前記炭化金属被覆膜の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、9.5μm以下である請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。
【請求項4】
前記炭素基材の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、10.0μm以下である請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。
【請求項5】
前記炭素基材の線形熱膨張係数が3.5×10
-6
/℃以上、8.2×10
-6
/℃以下である請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。
【請求項6】
前記炭化金属被覆膜の少なくとも表面を構成する金属炭化物が炭化タンタルである請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。
【請求項7】
前記炭化金属被覆膜を構成する金属炭化物が炭化タンタルである請求項1に記載の炭化金属被覆炭素材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素基材表面に炭化金属被覆膜を被覆した炭化金属被覆炭素材料に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化タングステンなどの炭化物は、融点が高く、化学的安定性、強度、靭性および耐食性に優れている。このため、炭化物で炭素基材をコーティングすることにより、炭素基材の耐熱性、化学的安定性、強度、靭性、耐食性などの特性を改善することができる。炭素基材表面に炭化物膜を被覆した炭化物被覆炭素材料、特に炭化タンタル被覆炭素材料は、Si(シリコン)、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの半導体単結晶製造装置の部材として用いられている。
【0003】
SiCのバルク単結晶を製造する方法としては、昇華再結晶法(改良レーリー法)が広く知られている。昇華再結晶法では、ルツボ内部にSiC原料を充填し、その上部にSiC種結晶が配置される。また、SiC種結晶の周囲には筒状のガイド部材が設置される。SiC原料の加熱によって発生した昇華ガスは、ガイド部材の内壁に沿って上昇し、SiC種結晶でSiC単結晶が成長していく。
【0004】
また、半導体デバイスなどで用いられるSiC単結晶基板は、バルク単結晶から成るSiC基板上に、SiC単結晶をエピタキシャル成長させることによって、製造されている。SiC単結晶をエピタキシャル成長させる方法は、液相エピタキシー(LPE)法、気相エピタキシー(VPE)法、化学気相堆積(CVD)法などが知られている。通常、SiC単結晶をエピタキシャル成長させる方法は、CVD法である。CVD法によるエピタキシャル成長方法は、装置内のサセプタ上にSiC基板を載置し、1500℃以上の高温下で原料ガスを供給することで、SiC単結晶へ成長させている。
【0005】
このようなSiC単結晶の製造方法において、より高品質な結晶を得るために、特許文献1には、黒鉛基材の内面を炭化タンタルで被覆したルツボを用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、内壁を炭化タンタルで被覆したガイド部材を用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-99453号公報
特開2019-108611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
炭化金属被覆炭素材料を坩堝やガイド部材として使用して結晶成長させたSiC単結晶は、何も被覆していない炭素材料を使用した場合と比較して、結晶成長の歩留まりが向上することが知られている。しかしながら、炭化金属被覆炭素材料を使用した場合であっても、さらなる歩留り改善が求められている。歩留り低下の主な原因は、点欠陥、拡張欠陥(転位、積層欠陥)、結晶多形(ポリタイプ)などが挙げられる。その中でも、本発明は結晶多形の抑制に焦点を当てて半導体単結晶の歩留りの向上を試みた。
【0008】
そこで、本発明は、炭化金属被覆炭素材料を使用することによる半導体単結晶の結晶多形の抑制および歩留まり向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討の結果、炭化金属被覆炭素材料の炭化金属被覆膜中の塩素濃度を25000ppm・μm以下にすることで、半導体単結晶の結晶多形を抑制して、半導体単結晶の歩留まりを向上ができることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化金属被覆膜とを含む炭化金属被覆炭素材料であって、前記炭化金属被覆膜を構成する金属炭化物は、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム及び炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属炭化物であり、前記炭化金属被覆膜中の塩素濃度が25000ppm・μm以下である炭化金属被覆炭素材料。
[2]前記炭化金属被覆膜の膜厚が10μm以上、100μm以下である上記[1]に記載の炭化金属被覆炭素材料。
[3]前記炭化金属被覆膜の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、9.5μm以下である上記[1]又は[2]に記載の炭化金属被覆炭素材料。
[4]前記炭素基材の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、10.0μm以下である上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の炭化金属被覆炭素材料。
[5]前記炭素基材の線形熱膨張係数が3.5×10
-6
/℃以上、8.2×10
-6
/℃以下である上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の炭化金属被覆炭素材料。
[6]前記炭化金属被覆膜の少なくとも表面を構成する金属炭化物が炭化タンタルである上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の炭化金属被覆炭素材料。
[7]前記炭化金属被覆膜を構成する金属炭化物が炭化タンタルである上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の炭化金属被覆炭素材料。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体単結晶の結晶成長およびエピタキシャル成長時の結晶多形の発生を抑制して半導体単結晶の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

大同特殊鋼株式会社
熱処理方法
1か月前
神東塗料株式会社
鋼構造物の防食方法
1か月前
株式会社アルバック
成膜方法
7日前
株式会社神戸製鋼所
被膜および軸受
1日前
信越化学工業株式会社
ガス発生装置
22日前
日揚科技股分有限公司
防着オブジェクト
1か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置及び成膜方法
1か月前
JFEスチール株式会社
耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼板
1か月前
出光興産株式会社
水溶性防錆剤組成物
1か月前
株式会社高純度化学研究所
金属薄膜の原子層堆積方法
1か月前
JFEスチール株式会社
絶縁被膜付き電磁鋼板
1か月前
株式会社フジミインコーポレーテッド
溶射用粉末
1か月前
三菱重工業株式会社
風車翼の前縁保護層施工方法
1か月前
テス カンパニー、リミテッド
非晶質炭素膜及びその蒸着方法
1か月前
上村工業株式会社
めっき皮膜の製造方法
28日前
株式会社神戸製鋼所
表面処理金属材、及び接合体
1日前
大陽日酸株式会社
前駆体用バブリング容器
20日前
キヤノントッキ株式会社
成膜装置及び成膜方法
1か月前
株式会社アルバック
モリブデンターゲットおよびその製造方法
1日前
神港精機株式会社
マグネトロンスパッタ法による成膜装置および成膜方法
1日前
キヤノントッキ株式会社
マスク支持装置及び成膜装置
1か月前
株式会社デンソー
粉体成膜装置及び粉体成膜方法
1か月前
武漢大学
蒸気環境でのマルテンサイト系耐熱鋼の酸化層の内層厚さの計算方法
28日前
株式会社高純度化学研究所
蒸発原料用容器および固体気化供給システム
1か月前
日立建機株式会社
窒化鋼部品及び窒化鋼部品の製造方法
1か月前
キヤノントッキ株式会社
製造方法、成膜装置及び成膜方法
7日前
株式会社神戸製鋼所
表面処理金属材の製造方法及び接合体の製造方法
1日前
東京エレクトロン株式会社
基板処理方法および基板処理装置
6日前
株式会社日本テクノ
ガス浸炭装置及びガス浸炭方法
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
金属酸化物膜
13日前
株式会社ブイ・イー・ティー
蒸着マスクのためのマスクフレーム
14日前
日本表面化学株式会社
皮膜除去剤及び皮膜除去方法
1か月前
石原ケミカル株式会社
無電解銅メッキ用のニッケルコロイド触媒液並びに無電解銅メッキ方法
1か月前
株式会社アプトデイト
防錆用液状薬品、防錆鉄鋼製品の製造方法及び防錆鉄鋼製品
20日前
キヤノントッキ株式会社
アライメント装置、アライメント方法及び成膜装置
21日前
三菱マテリアル電子化成株式会社
銀被覆樹脂粒子、銀被覆樹脂粒子の製造方法
1か月前
続きを見る