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公開番号2024152163
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066198
出願日2023-04-14
発明の名称ガス浸炭装置及びガス浸炭方法
出願人株式会社日本テクノ,高圧ガス工業株式会社,個人
代理人個人,個人
主分類C23C 8/22 20060101AFI20241018BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】ガス浸炭装置等において原料ガスの使用量を抑制し、かつ操業中の安全性を高める。
【解決手段】装置は、ワークWが配置される前室60と、焼入用の油が貯留する油槽70と、焼入用移動装置90と、常圧よりも高圧下でワークを加熱する浸炭室10と、外部空間と前室をつなぐ前室出入口を気密に閉鎖する前室出入扉50と、ワークを搬入・搬出する前室搬送装置80と、前室と浸炭室をつなぐ前室第二出入口を気密に閉鎖する前室第二出入扉66と、前室と浸炭室の間でワークを移動する浸炭室搬送装置85と、浸炭室にキャリアガスよりもワークに吸着しやすい鎖式不飽和炭化水素を含む浸炭ガスを供給する原料ガス供給装置20と、前室出入扉及び前室第二出入扉が閉状態となる前室の内部気体を吸引して負圧状態とする負圧生成源62bと、負圧状態となる前室にパージガスを供給して前室を常圧よりも高圧下に復圧状態とするパージガス供給装置63と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ワークが一時的に配置される前室と、
前記前室から連続するように配置され、焼入用の油が貯留する油槽と、
前記ワークを移動させて前記油槽の前記油に浸漬させる焼入用移動装置と、
前記前室から連続するように配置され、常圧又は該常圧よりも高圧下でワークを加熱する浸炭室と、
外部空間と前記前室をつなぐ前室出入口を開閉可能に配置され、閉状態で前記前室出入口を気密に閉鎖する前室出入扉と、
外部空間と前記前室の間で前記前室出入口を介してワークを搬入・搬出する前室搬送装置と、
前記前室と前記浸炭室をつなぐ前室第二出入口を開閉可能に配置され、閉状態で前記前室第二出入口を気密に閉鎖する前室第二出入扉と、
前記前室と前記浸炭室の間で前記前室第二出入口を介してワークを移動する浸炭室搬送装置と、
前記浸炭室に、キャリアガス、及び、該キャリアガスよりもワークに吸着しやすい鎖式不飽和炭化水素を含む浸炭ガスを供給する原料ガス供給装置と、
前記前室出入扉及び前記前室第二出入扉が閉状態となる前記前室の内部気体を吸引して負圧状態とする負圧生成源と、
前記負圧状態となる前記前室にパージガスを供給して、前記前室を常圧又は該常圧よりも高圧下に復圧状態とするパージガス供給装置と、
を備えることを特徴とするガス浸炭装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記キャリアガスが窒素であり、前記鎖式不飽和炭化水素がアセチレンであることを特徴とする、
請求項1に記載のガス浸炭装置。
【請求項3】
前記パージガスが窒素であることを特徴とする、
請求項1に記載のガス浸炭装置。
【請求項4】
制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記前室出入扉を開状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記前室搬送装置によって前記外部空間から前記前室に前記前室出入口を介してワークを搬入する前室搬入処理部と、
前記前室出入扉を閉状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記負圧生成源を制御して前記ワークが搬入された前記前室を負圧状態とし、且つ、前記パージガス供給装置を制御して前記負圧状態となる前記前室にパージガスを供給して、前記前室を復圧状態とする前パージ処理部と、
前記原料ガス供給装置を制御して、前記浸炭室に前記キャリアガスを供給して、前記浸炭室を前記キャリアガスでパージする浸炭室パージ処理部と、
前記前パージ処理部による前記前室のパージ処理、及び、前記浸炭室パージ処理部による前記浸炭室のパージ処理の終了後、前記前室第二出入扉を開状態とし、前記浸炭室搬送装置と、前記前室の前記ワークを前記浸炭室に移動させる浸炭室搬入処理部と、
前記浸炭室のヒータを制御して前記ワークを加熱し、かつ、前記原料ガス供給装置を制御して加熱中の前記浸炭室に前記キャリアガス及び前記浸炭ガスを供給して、前記ワークを浸炭するガス浸炭処理部と、
前記ガス浸炭処理部において少なくとも前記浸炭ガスの供給を停止した後、前記前室第二出入扉を開いて、前記浸炭室搬送装置によって、前記浸炭室内の前記ワークを前記前室に移動させる浸炭室搬出処理部と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載のガス浸炭装置。
【請求項5】
前記制御装置において、前記事前パージ処理部と、前記浸炭室パージ処理部が同時に実行されることを特徴とする、
請求項4に記載のガス浸炭装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記浸炭室搬出処理によって前記前室に存在する前記ワークを、前記焼入用移動装置によって前記油槽の前記油に浸漬させる焼入処理部と、
前記焼入処理部による前記ワークの焼入処理が完了した後、前記焼入用移動装置によって前記ワークを前記前室に移動させて油切を行う油切処理部と、
前記前室出入扉を閉状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記負圧生成源を制御して、前記焼入処理部による焼入処理中の前記前室及び/又は前記油切処理部による油切処理中の前記前室を負圧状態とし、且つ、前記パージガス供給装置を制御して前記負圧状態となる前記前室にパージガスを供給して、前記前室を復圧状態とする後パージ処理部と、
前記後パージ処理部における前記復圧状態完了後、前記前室出入扉を開状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記前室搬送装置によって前記前室から前記外部空間に前記前室出入口を介してワークを搬出する前室搬出処理部と、
を有することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のガス浸炭装置。
【請求項7】
前記制御装置におけるガス浸炭処理部は、前記浸炭ガスの流量が50(L/min)以下となるように流量を制御することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のガス浸炭装置。
【請求項8】
外部空間と前室の間に配置される前室出入扉を開状態、且つ、前記前室と浸炭室の間に配置される前室第二出入扉を閉状態とし、前記外部空間から前記前室にワークを搬入する搬入工程と、
前記前室出入扉を閉状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、負圧生成源によって、前記ワークが搬入された前記前室を負圧状態とし、該負圧状態となる前記前室にパージガスを供給して、前記前室を復圧状態とする前パージ工程と、
前記浸炭室にキャリアガスを供給して、前記浸炭室を前記キャリアガスでパージする浸炭室パージ工程と、
前記前パージ工程による前記前室のパージ処理、及び、前記浸炭室パージ工程による前記浸炭室のパージ処理の終了後、前記前室第二出入扉を開状態とし、前記前室の前記ワークを前記浸炭室に移動させる浸炭室搬入工程と、
前記浸炭室で前記ワークを加熱し、かつ、前記浸炭室に前記キャリアガス及び該キャリアガスよりもワークに吸着しやすい鎖式不飽和炭化水素を含む浸炭ガスを供給して、前記ワークを浸炭するガス浸炭工程と、
前記ガス浸炭工程において少なくとも前記浸炭ガスの供給を停止した後、前記前室第二出入扉を開いて、前記浸炭室内の前記ワークを前記前室に移動させる浸炭室搬出工程と、
を備えることを特徴とするガス浸炭方法。
【請求項9】
前記中間搬出工程によって前記前室に存在する前記ワークを、該前室からつながる油槽の油に浸漬させる焼入工程と、
前記焼入工程による前記ワークの焼入処理が完了した後、前記ワークを前記前室に移動させて油切を行う油切工程と、
前記前室出入扉を閉状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記焼入工程による焼入処理中の前記前室及び/又は前記油切工程による油切処理中の前記前室を前記負圧生成源によって負圧状態とし、その後、前記負圧状態となる前記前室にパージガスを供給して、前記前室を復圧状態とする後パージ工程と、
前記後パージ工程において前記前室が前記復圧状態となってから、前記前室出入扉を開状態且つ前記前室第二出入扉を閉状態とし、前記前室から前記外部空間に前記ワークを搬出する搬出工程と、
を備えることを特徴とする、請求項8に記載のガス浸炭方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はガス浸炭装置及びガス浸炭方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、鋼等の金属の表面層の硬化を目的として浸炭が行われている。特許文献1には浸炭方法の一例として、吸熱型変成ガス(RXガス)やアルコール類等の熱分解ガスとなるキャリアガス(担体ガス)と、メタン(CH

)、プロパン(C



)またはブタン(C


10
)等のエンリッチガス(浸炭ガス)を、炉内のワークへ供給することで浸炭を行うガス浸炭方法が開示されている。ガス浸炭は、常圧(略大気圧)下で浸炭を行うことが可能であり、炉内の雰囲気制御が容易であるとのメリットも有する。
【0003】
また近年、窒素ガス等のベースガス(キャリアガス)と、ワークに侵入させる炭素(C)を供給するアセチレン(C



)を含む浸炭ガスを、常圧(略大気圧)下で浸炭室内のワークへ供給することで浸炭を行うガス浸炭方法が開示されている(特許文献2参照)。ワークへの炭素(C)の供給(すなわち、浸炭)は、キャリアガスとなる窒素よりも、アセチレンの方がワーク表面に吸着しやすい特性を利用し、C



→2C+H2 の関係式によって炭素をワークに直接的に侵入させる技術となる。このガス浸炭手法を「直接ガス浸炭」と称する場合もある。
【0004】
ガス浸炭またはガス浸炭等で用いられる従来の常圧型のガス浸炭装置1001を図9(A)に示す。ガス浸炭装置1001は、前室1060、前室1060の下方に設けられる油槽1070、前室1060における搬入経路Hinの奥側に配置される浸炭室1010を備える。前室1060における搬入経路Hinの手前側には、排気フード1055及び開閉自在の前室出入扉1050が配置される。前室1060と浸炭室1010間には、開閉自在の断熱扉1084が配置される。前室1060及び油槽1070には、エレベータ装置1090が配置され、ワークW及び搬送トレイCを、前室1060及び油槽1070の間で昇降できる。前室出入扉1050の下方には、フレームカーテン用バーナー1058が設けられる。
【0005】
図9(B)に示すように、前室出入扉1050を開放して、ワークW及び搬送トレイCを前室1060に搬入する際には、キャリアガスや浸炭ガス等を原料としてフレームカーテン用バーナー1058に着火して、炎によるフレームカーテンFを形成する。このフレームカーテンFによって、外気に含まれる酸素(O

)や水(H

O)が、そのまま前室1060に進入しないようにする。浸炭処理の途中で、酸素(O

)や水(H

O)が存在すると、ワークWの表面に優先的に吸着して浸炭を阻害する要因となる。なお、フレームカーテン用バーナー1058によって燃焼されたガス(CO

等)は、排気フード1055を介して外部に排気される。
【0006】
ワークWが前室1060又は浸炭室1010に存在する場合、浸炭室1010に供給されるキャリアガス及び浸炭ガス(エンリッチガス)が、断熱扉1084の隙間を介して、常に、前室1060に積極的に漏洩させている。この漏洩ガスによって、前室1060や浸炭室1010に外気(酸素)が進入しない構造となっている。なお、前室1060には、油槽1070の焼入処理によって生じる油煙も充満する。
【0007】
図10に示すように、前室出入扉1050を開放して、前室1060に存在するワークW及び搬送トレイCを搬出する際には、フレームカーテン用バーナー1058に着火して、炎によるフレームカーテンFを形成する。このフレームカーテンFによって、前室1060内の漏洩ガスや油煙を燃焼させることで、漏洩ガスや油煙がそのまま大気中に放出されない構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-166035号公報
特許第6543208号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の常圧型のガス浸炭装置1001では、操業中において、浸炭室1010に供給するキャリアガスや浸炭ガス(エンリッチガス)を、積極的に前室1060に漏洩させる必要があり、浸炭ガスの消費量が多いという問題があった。
【0010】
また前室出入扉1050を開放して、ワークW及び搬送トレイCを搬入・搬出する際には、フレームカーテン用バーナー1058に着火して、フレームカーテンFを形成する必要があり、このフレームカーテンFによって原料ガスの消費量が増大するという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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