TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024141710
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023053502
出願日
2023-03-29
発明の名称
原料粉、成膜方法及び成膜体
出願人
大阪瓦斯株式会社
代理人
弁理士法人R&C
主分類
C23C
24/04 20060101AFI20241003BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】エアロゾルデポジション法による一度の成膜処理で多孔質層と緻密層とを有する膜を形成できる原料粉を提供する。
【解決手段】原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを基材Kの処理対象面Kaに向けて噴出して、処理対象面Ka上に膜を形成する方法に用いる原料粉であって、原料粉の体積基準での粒度分布について、粒子径が0.5μm未満の範囲を第1粒子径範囲と、粒子径が0.1μm以上2.0μm未満の範囲を第2粒子径範囲と、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲を第3粒子径範囲とし、各粒子径範囲における頻度の積分値を第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3と定義した場合に、第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3が以下の式(1)及び式(2)の関係を満たす。
I1:I2=1~50:99~50 (1)
1<(I1+I2)/I3≦5 (2)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを基材の処理対象面に向けて噴出して、前記処理対象面上に、多孔質層と緻密層とを有する膜を形成する方法に用いる原料粉であって、
前記原料粉の体積基準での粒度分布について、粒子径が0.5μm未満の範囲を第1粒子径範囲と、粒子径が0.1μm以上2.0μm未満の範囲を第2粒子径範囲と、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲を第3粒子径範囲とし、各粒子径範囲における頻度の積分値を第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3と定義した場合に、前記第1積分値I1、前記第2積分値I2及び前記第3積分値I3が以下の式(1)及び式(2)の関係を満たす原料粉。
I1:I2=1~50:99~50 (1)
1<(I1+I2)/I3≦5 (2)
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基材の処理対象面に向けて噴出して、前記処理対象面上に、多孔質層と緻密層とを有する膜を形成する成膜方法であって、
前記原料粉は、体積基準での粒度分布について、粒子径が0.5μm未満の範囲を第1粒子径範囲と、粒子径が0.1μm以上2.0μm未満の範囲を第2粒子径範囲と、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲を第3粒子径範囲とし、各粒子径範囲における頻度の積分値を第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3と定義した場合に、前記第1積分値I1、前記第2積分値I2及び前記第3積分値I3が以下の式(1)及び式(2)の関係を満たし、
前記基材の処理対象面における任意の位置が所定の移動経路を通るように前記基材と前記ノズルとを相対移動させる成膜方法。
I1:I2=1~50:99~50 (1)
1<(I1+I2)/I3≦5 (2)
【請求項3】
前記第1粒子径範囲の粒子による多孔質体の形成と、前記第2粒子径範囲の粒子による緻密体の形成と、前記第3粒子径範囲の粒子による前記多孔質体及び前記緻密体の削り取りとの組み合わせによって、前記処理対象面上に膜を形成する請求項2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記移動経路の調整によって前記処理対象面上に多孔質層と緻密層とが積層された前記膜を形成する請求項2に記載の成膜方法。
【請求項5】
走査回数の調整によって前記多孔質層と前記緻密層との繰り返し回数を変更する請求項4に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記移動経路は、前記処理対象面と平行な第1方向に沿った第1経路と、当該第1方向と直交し、前記処理対象面と平行な第2方向に沿った第2経路との組み合わせからなり、
前記ノズルから噴出されたエアロゾルの噴出方向と直交する断面領域を、
前記ノズルの軸心の延長線上の位置を中心とし、前記第1粒子径範囲、前記第2粒子径範囲及び前記第3粒子径範囲の粒子が含まれる第1衝突領域と、
前記第1衝突領域を取り囲み、含まれる粒子が前記第1粒子径範囲の粒子及び第2粒子径範囲の粒子よりも前記第3粒子径範囲の粒子の方が少ない第2衝突領域と、
前記第2衝突領域を取り囲み、含まれる粒子が前記第1粒子径範囲の粒子よりも前記第2粒子径範囲の粒子及び前記第3粒子径範囲の粒子の方が少ない第3衝突領域と、に分割した場合に、
前記移動経路における前記第1経路のピッチ幅は、前記第1衝突領域、前記第2衝突領域及び前記第3衝突領域の前記第2方向における幅よりも小さい請求項2に記載の成膜方法。
【請求項7】
前記第1粒子径範囲は、粒子径が10nm以上300nm未満の範囲である請求項2に記載の成膜方法。
【請求項8】
前記第2粒子径範囲は、粒子径が0.3μm以上1.5μm未満の範囲である請求項2に記載の成膜方法。
【請求項9】
前記第3粒子径範囲は、粒子径が1.5μm以上7μm以下の範囲である請求項2に記載の成膜方法。
【請求項10】
前記原料粉中の粒子は、比重が1g/cm
3
以上10g/cm
3
以下の無機材料である請求項2に記載の成膜方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料粉、成膜方法及び成膜体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
焼結のような高温での熱処理を経ることなく、セラミックス膜を基材上に形成する方法として、エアロゾルデポジション法(AD法)と呼ばれる手法が知られている。このAD法は、膜の材料となる粒子からなる原料粉を、ノズルから音速程度で基材に向けて噴射し、原料粉が基材に衝突する際のエネルギーによって粒子を破砕、変形させることで、基材上に緻密な膜を形成する手法である。
【0003】
近年、AD法と他の手法とを組み合わせることにより、質の異なる2つの層を形成し、特有の機能性を持たせた膜を成膜する技術の開発が進められている。例えば、特許文献1には、良好な遮熱性、耐熱衝撃性及び酸素バリア性を有し、層間の界面乖離が抑制されたセラミックス積層体が開示されている。
【0004】
特許文献1記載のセラミックス積層体は、第1のセラミックス膜の上に、当該第1のセラミックス膜よりも相対密度が高い第2のセラミックス膜が積層された構造を有している。このセラミックス積層体は、第1のセラミックス膜がプラズマ溶射法又は電子ビーム蒸着法により成膜され、第2のセラミックス膜がエアロゾルデポジション法により成膜されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
特開2009-293058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のように、特許文献1では、AD法とプラズマ溶射法又は電子ビーム蒸着法とを組み合わせて第1及び第2セラミックス膜を有する積層体を形成している。つまり、特許文献1記載の方法では、質の異なる2つの層を有した膜を形成するために、少なくともAD法による成膜工程と、プラズマ溶射法又は電子ビーム蒸着法による成膜工程との2つの工程が必要であり、成膜時における煩雑な作業が避けられず、成膜に要する作業時間も長くなる。このように、特許文献1記載の方法は、質の異なる2つの層を有する膜の形成手法として、改良の余地がある。
【0007】
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、エアロゾルデポジション法による一度の成膜処理で多孔質層と緻密層とを有する膜を形成できる成膜粉及び成膜方法、並びに当該成膜方法で成膜した成膜体の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る原料粉の特徴構成は、
原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを基材の処理対象面に向けて噴出して、前記処理対象面上に、多孔質層と緻密層とを有する膜を形成する方法に用いる原料粉であって、
前記原料粉の体積基準での粒度分布について、粒子径が0.5μm未満の範囲を第1粒子径範囲と、粒子径が0.1μm以上2.0μm未満の範囲を第2粒子径範囲と、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲を第3粒子径範囲とし、各粒子径範囲における頻度の積分値を第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3と定義した場合に、前記第1積分値I1、前記第2積分値I2及び前記第3積分値I3が以下の式(1)及び式(2)の関係を満たす点にある。
I1:I2=1~50:99~50 (1)
1<(I1+I2)/I3≦5 (2)
【0009】
本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを基材の処理対象面に向けて噴出して処理対象面上に膜を形成する方法(エアロゾルデポジション法)を行う際に、上記原料粉を用いることにより、第1粒子径範囲の粒子、第2粒子径範囲の粒子及び第3粒子径範囲の粒子によって多孔質体の形成や緻密体の形成、多孔質体や緻密体の削り取りが起こり、多孔質層と緻密層という質の異なる2つの層を有した膜を形成できることを発見し、本発明を完成させた。
つまり、上記特徴構成によれば、上記原料粉を用いたエアロゾルデポジション法による一度の成膜処理を行うだけで、他の方法を併用することなく、多孔質層と緻密層という質の異なる2つの層を有した膜を形成できる。
なお、本願において、「原料粉の体積基準での粒度分布」は、マイクロトラックベル製のMT3300で測定したものとする。
【0010】
上記目的を達成するための本発明に成膜方法の特徴構成は、
原料粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基材の処理対象面に向けて噴出して、前記処理対象面上に、多孔質層と緻密層とを有する膜を形成する成膜方法であって、
前記原料粉は、体積基準での粒度分布について、粒子径が0.5μm未満の範囲を第1粒子径範囲と、粒子径が0.1μm以上2.0μm未満の範囲を第2粒子径範囲と、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲を第3粒子径範囲とし、各粒子径範囲における頻度の積分値を第1積分値I1、第2積分値I2及び第3積分値I3と定義した場合に、前記第1積分値I1、前記第2積分値I2及び前記第3積分値I3が以下の式(1)及び式(2)の関係を満たし、
前記基材の処理対象面における任意の位置が所定の移動経路を通るように前記基材と前記ノズルとを相対移動させる点にある。
I1:I2=1~50:99~50 (1)
1<(I1+I2)/I3≦5 (2)
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
大阪瓦斯株式会社
造水器
1か月前
大阪瓦斯株式会社
電力調達装置
17日前
大阪瓦斯株式会社
通信状態判定装置
24日前
大阪瓦斯株式会社
電力供給システム
1か月前
大阪瓦斯株式会社
調理時間予測装置
1か月前
大阪瓦斯株式会社
二次圧制御機構、及び制御方法
10日前
大阪瓦斯株式会社
造粒体および樹脂組成物ならびにそれらの製造方法および用途
3日前
日本発條株式会社
ばね、ばねを挿入する方法、およびばねを挿入するための治具
21日前
大阪瓦斯株式会社
含酸素炭化水素類製造システム、その製造方法及び運転方法
24日前
大阪瓦斯株式会社
含酸素炭化水素類製造システム、その製造方法及び運転方法
24日前
大同特殊鋼株式会社
熱処理方法
4か月前
日鉄建材株式会社
波形鋼板
1か月前
株式会社カネカ
製膜装置
1か月前
株式会社電気印刷研究所
金属画像形成方法
1か月前
日産自動車株式会社
樹脂部材
2か月前
神東塗料株式会社
鋼構造物の防食方法
4か月前
日鉄防食株式会社
防食施工方法
3か月前
株式会社アルバック
成膜方法
3か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置
1か月前
株式会社神戸製鋼所
被膜および軸受
3か月前
株式会社アルバック
ガス導入管
3か月前
栗田工業株式会社
金属部材の防食方法
2か月前
一般財団法人電力中央研究所
耐腐食膜
2か月前
大阪富士工業株式会社
浴中軸部材の製造方法
21日前
東京エレクトロン株式会社
基板処理方法
3か月前
株式会社不二越
熱処理に用いる油切り装置
2か月前
株式会社カネカ
製膜装置
24日前
株式会社カワイ
無電解CoW鍍金処理方法
3日前
信越化学工業株式会社
ガス発生装置
4か月前
日本化学産業株式会社
複合めっき皮膜及びめっき製品
17日前
日揚科技股分有限公司
防着オブジェクト
4か月前
キヤノントッキ株式会社
成膜装置
1か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜装置及び成膜方法
4か月前
キヤノントッキ株式会社
成膜装置
2か月前
東京エレクトロン株式会社
パージ方法及び成膜装置
3日前
株式会社アルバック
電子ビーム式蒸着ユニット
1か月前
続きを見る
他の特許を見る