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公開番号2025025015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023129447
出願日2023-08-08
発明の名称複合めっき皮膜及びめっき製品
出願人日本化学産業株式会社
代理人個人
主分類C23C 18/52 20060101AFI20250214BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】固体潤滑材である複合材料の含有量を相当量以上共析させることによって、摺動条件下における摩耗や焼き付きを効果的に抑制することができる複合めっき皮膜を提供すること
【解決手段】摺動特性に優れた複合めっき皮膜であって、無電解金属めっき液に非膨潤性マイカが分散している複合めっき皮膜用めっき液から形成されることを特徴とする複合めっき皮膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
摺動特性に優れた複合めっき皮膜であって、無電解金属めっき液に非膨潤性マイカが分散している複合めっき皮膜用めっき液から形成されることを特徴とする複合めっき皮膜。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記非膨潤性マイカの含有量2.0~12.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の複合めっき皮膜。
【請求項3】
前記非膨潤性マイカを構成する粒子の粒径が、0.1~5.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合めっき皮膜。
【請求項4】
請求項3に記載の複合めっき皮膜を備えることを特徴とするめっき製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合めっき皮膜及びめっき製品に関する。特に、本発明は、皮膜硬度を低下させることなく耐焼き付き性を向上させた複合めっき皮膜及びめっき製品に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
低摩擦係数で耐久性に優れた表面処理技術として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)をめっき皮膜に共析させた複合めっき皮膜が検討されている。このような複合めっき皮膜は、摺動部材等で実用されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、ガソリン燃料ポンプ用プランジャピストン等の摺動部品に対する無電解複合ニッケル-リン合金めっき方法が開示されている。特許文献1に記載された無電解複合ニッケル-リン合金めっき方法は、無電解ニッケル-リン合金めっき液にフッ素樹脂微粒子を分散させためっき液を使用するものであり、このめっき液は、フッ素樹脂微粒子をめっき液中に分散させるため、カチオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を含有している。
特許文献2には、表面の硬度が高くて摩耗の少ない、また摺動性が良く、静電気の発生が少ないアイロンの表面に使用することができるフッ素化合物微粒子を分散含有する複合めっき皮膜が開示されている。特許文献2に開示された複合めっき皮膜は、フッ素化合物微粒子をめっき液中に均一に分散させるために、界面活性剤が用いられている。
【0003】
複合めっき皮膜に含まれるめっき皮膜は、マトリクスとして機能している。めっき皮膜には、硬度に優れた電気ニッケルめっき、無電解ニッケル-リンめっきが主として使用されている。一方、複合めっき皮膜に含まれるPTFEは、固体潤滑材として機能する高分子材料であるが、その硬度は低く、耐摩耗性、高面圧摺動条件下での使用特性に弱点があった。
このため、複合めっき皮膜の組成成分としてめっき皮膜を採用し、PTFEをめっき皮膜へ取り込ませることによって、PTFEが有する物性上の弱点を補うことができる。
そこで、PTFEをめっき皮膜へ取り込ませるためには各種界面活性剤を用いて、PTFE粒子をめっき液へ分散させることが必要となる。
【0004】
しかしながら、PTFEをめっき皮膜へ取り込ませるため用いられる各種界面活性剤は、めっき皮膜であるマトリクス自体の硬度を低下させ、めっき皮膜の耐摩耗性を悪化させる。このため、PTFEを含む複合めっき皮膜には、耐摩耗性、特に高面圧摺動条件下におけるその耐久性に問題があった。そこで、複合めっき皮膜の耐久摩耗性を改善するために複合めっき皮膜に自己潤滑材を添加することが検討され、自己潤滑材料として、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、マイカなどの劈開性結晶を使用されている。
【0005】
ここで、黒鉛、二硫化モリブデンは、その耐熱温度に課題があり、窒化ホウ素は価格が高く用途が限られている。一方、マイカは、ケイ酸を主成分とする板状鉱物であって、その耐熱性が高い。マイカは、資源として豊富に存在することから安価に入手することができる。このような技術的観点から、膨潤性マイカを複合材料として用いためっき皮膜が提案されている(例えば、特許文献3、4)。
特許文献3には、膨潤性フッ素雲母を分散材として添加する複合めっきにおいて、フッ素雲母の膨潤による異常球状析出を生じないようにした複合めっきが開示されている。
特許文献3に記載された複合めっきは、ニッケル等の母材に、膨潤性フッ素雲母を分散材として添加する前に、そのフッ素雲母を膨潤状態で微細に粉砕し、その雲母微粒子を添加することによって製造される。
さらに、特許文献4には、分散促進剤を不要とし、かつ安価に高潤滑性皮膜を形成できる複合めっきおよびこれを用いた摺動部材が開示されている。特許文献4に記載された複合めっきは、次亜燐酸ニッケル液(Ni-P)をベースとし、これに膨潤性雲母、もしくはフッ素系雲母またはフッ素系膨潤性雲母を分散材として添加した雲母複合めっきを用い、摺動部材の表面に潤滑性皮膜を形成する。
【0006】
また、良好な特性を有するニッケル-リン複合めっきに耐摩耗性、自己潤滑性等の新たな機能性を付与させた無電解ニッケル-リン-窒化ケイ素複合めっきが提案されている(例えば、特許文献5)。特許文献5に記載された無電解ニッケル-リン-窒化ケイ素複合めっきは、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケルめっき浴に耐摩耗性粒子としてSi
3

4
を雲母と共に添加することによって得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-49449号公報
特開平9-149998号公報
特開平8-120457号公報
特開平7-62550号公報
特開平8-13152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1~5に記載された複合めっき皮膜は、当該複合めっき皮膜に含まれる固体潤滑材である複合材料として、いずれも膨潤性マイカを含んでいる。このため、かかる膨潤性マイカは、複合めっき皮膜を製造する工程において使用するめっき液中で膨潤して薄片となってしまうという問題点を有する。
すなわち、膨潤性マイカを使用して複合めっき皮膜を製造する場合には、当該膨潤性マイカはめっき液との均一分散性が高い反面、当該膨潤性マイカがめっき皮膜に取り込まれ難くなる。その結果、自己潤滑剤である複合材料の含有量が高い複合めっき皮膜を得ることが困難となる。
【0009】
さらに、膨潤性マイカを用い、無電解ニッケルめっきをめっき液として用いて複合めっき皮膜を製造する場合には、当該めっき液からなるめっき浴の安定性に欠けるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、自己潤滑材である複合材料の含有量を相当量以上共析させることによって、摺動条件下における摩耗や焼き付きを効果的に抑制することができる複合めっき皮膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る複合めっき皮膜は、高面圧下での特性に優れ、耐熱性の高い固体潤滑材であるマイカを、無電解ニッケル-リンめっき等の無電解金属めっきに共析させためっき皮膜であって、その皮膜硬度を低下させることなく、摩擦係数を低減することができる。本発明に係る複合めっき皮膜は、被めっき物に焼き付きにくい特性を付与することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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