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公開番号2025022341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126800
出願日2023-08-03
発明の名称製膜装置
出願人株式会社カネカ,OLED青森株式会社
代理人個人
主分類C23C 16/44 20060101AFI20250206BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】装置を大がかりにすることなく、生産性を向上することが可能な製膜装置を提供する。
【解決手段】基材に対して、少なくとも第1層と第2層を製膜する製膜装置において、製膜室と、材料ガス放出系統と、ガス放出部と、吸引手段を有し、材料ガス放出系統は、気化部を有し、気化部で気化された材料ガスをキャリアガスによってガス放出部に供給可能であり、基材に対して第1層を製膜する第1製膜工程と、第1層の製膜に使用されたキャリアガスとの温度の差が10℃以内の温度のキャリアガスのみをガス放出部から製膜室に流すキャリアガス洗浄工程と、吸引手段によって製膜室内のガスを吸引する吸引洗浄工程と、基材に対して第2層を製膜する第2製膜工程と、を含む製膜動作を実施可能であり、製膜動作では、第1製膜工程の後に、キャリアガス洗浄工程及び吸引洗浄工程をそれぞれ少なくとも1回行い、第2製膜工程を行う、構成とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基材に対して、少なくとも第1層と第2層を製膜する製膜装置であって、
製膜室と、材料ガス放出系統と、ガス放出部と、吸引手段を有し、
前記材料ガス放出系統は、気化部を有し、前記気化部で気化された材料ガスをキャリアガスによって前記ガス放出部に供給可能であり、
前記基材に対して前記第1層を製膜する第1製膜工程と、
前記第1層の製膜に使用されたキャリアガスとの温度の差が10℃以内の温度のキャリアガスのみを前記ガス放出部から前記製膜室に流すキャリアガス洗浄工程と、
前記吸引手段によって前記製膜室内のガスを吸引する吸引洗浄工程と、
前記基材に対して前記第2層を製膜する第2製膜工程と、を含む製膜動作を実施可能であり、
前記製膜動作では、前記第1製膜工程の後に、前記キャリアガス洗浄工程及び前記吸引洗浄工程をそれぞれ少なくとも1回行い、前記第2製膜工程を行う、製膜装置。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記製膜動作では、前記第1製膜工程の後に、前記キャリアガス洗浄工程及び前記吸引洗浄工程を交互に行う、請求項1に記載の製膜装置。
【請求項3】
前記製膜動作では、前記第1製膜工程の後に、前記キャリアガス洗浄工程及び前記吸引洗浄工程を交互に3回以上行う、請求項2に記載の製膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜を製膜する製膜装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池の製造や有機EL装置の製造において、薄膜を製膜する製膜装置が用いられている。例えば、特許文献1には、有機EL装置の各層の製膜に使用可能な真空蒸着装置が開示されている。
特許文献1の蒸着装置は、粉体状の薄膜形成材料を高温のキャリアガスで気化室内に導入するとともに、気化室内で薄膜形成材料を加熱し、気化又は昇華させて蒸気を生成し、キャリアガスで蒸気を製膜室まで流送し、製膜室内においてキャリアガスと蒸気の混合ガスを基材に対して吹き付ける構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-112316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した有機EL装置の各層からなる積層膜のように、異なる材料を含む複数の膜を積層して構成される積層膜を1つの製膜室で形成する場合、1つの膜を製膜した後、膜の材料を輸送する配管内や製膜室内に膜を形成する材料が残留してしまうことが考えられる。この場合、そのまま他の膜を製膜してしまうと、残留した材料が他の膜に混入してしまい、製品(例えば、有機EL装置)の特性が低下してしまうことが考えられる。
【0005】
したがって、1つの膜を製膜した後、製膜室を清掃(洗浄)する必要があるが、この清掃に時間がかかり、製膜室の温度が低下してしまう等すると、次の膜の製膜開始までに時間がかかってしまい、生産性が低下してしまうという問題がある。また、複数の製膜室を有する構成とし、積層膜を構成するそれぞれの膜を異なる製膜室で製膜することも考えられるが、この場合、装置が巨大化し、大掛かりになってしまうという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、装置を大がかりにすることなく、生産性を向上することが可能な製膜装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、基材に対して、少なくとも第1層と第2層を製膜する製膜装置であって、製膜室と、材料ガス放出系統と、ガス放出部と、吸引手段を有し、前記材料ガス放出系統は、気化部を有し、前記気化部で気化された材料ガスをキャリアガスによって前記ガス放出部に供給可能であり、前記基材に対して前記第1層を製膜する第1製膜工程と、前記第1層の製膜に使用されたキャリアガスとの温度の差が10℃以内の温度のキャリアガスのみを前記ガス放出部から前記製膜室に流すキャリアガス洗浄工程と、前記吸引手段によって前記製膜室内のガスを吸引する吸引洗浄工程と、前記基材に対して前記第2層を製膜する第2製膜工程と、を含む製膜動作を実施可能であり、前記製膜動作では、前記第1製膜工程の後に、前記キャリアガス洗浄工程及び前記吸引洗浄工程をそれぞれ少なくとも1回行い、前記第2製膜工程を行う、製膜装置である。
【0008】
本様相の製膜装置によると、第1製膜工程の後に、キャリアガス洗浄工程及び吸引洗浄工程をそれぞれ少なくとも1回行い、第2製膜工程を行う。このため、1つの製膜室で第1層の製膜と第2層の製膜を行う場合に、第1層の材料が第2層に混入してしまうことに起因する製品の低下の発生を抑制可能となる。このことから、必要以上に製膜室を増やすことなく装置の簡素化を図ることができる。
また、材料ガスの供給に使用するキャリアガスを流すキャリアガス洗浄工程を行うことで、洗浄工程のための設備を別途設けることなく、製膜室内に残留した材料の除去が可能となる。このことからも装置の簡素化を図ることができる。
さらに、キャリアガス洗浄工程において、第1層の製膜に使用されたキャリアガスとの温度の差が10℃以内の温度のキャリアガスを流すことで、洗浄工程の実施に起因する製膜室内の温度低下(温度変化)を防止できる。このことにより、洗浄工程後、いち早く第2製膜工程を実行可能となるので、生産性を向上できる。
【0009】
好ましくは、前記製膜動作では、前記第1製膜工程の後に、前記キャリアガス洗浄工程及び前記吸引洗浄工程を交互に行う。
【0010】
係る様相によると、より確実に製膜室内に残留した材料の除去が可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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