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公開番号2025057949
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167803
出願日2023-09-28
発明の名称成膜装置
出願人芝浦メカトロニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20250402BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】回転テーブルの保持領域に対するワークの保持及び離脱を可能としつつ、保持領域においてワークを効率良く加熱しながら成膜できる成膜装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る成膜装置1は、チャンバ20内で複数のワーク10を保持し、円周の軌跡で循環搬送する回転テーブル31、循環搬送中のワーク10に成膜する成膜部40と、堆積された膜を処理する膜処理部50と、個々のワーク10が保持される複数の保持領域HAと、保持領域HAに配置された加熱部34と、回転テーブル31における加熱部34に平面視で重なりの無い位置を貫通して、回転軸311と平行な方向に移動可能に設けられ、ワーク10を保持領域HAに対して保持及び離脱させる一対のテーブル側プッシャ37と、テーブル側プッシャ37にワーク10を移送する移送部70と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内部を真空とすることが可能なチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、複数のワークを保持し、円周の軌跡で前記ワークを循環搬送する回転テーブルと、
成膜材料から成るターゲットと前記回転テーブルとの間に導入されるスパッタガスをプラズマ化するプラズマ発生器とを有し、前記回転テーブルにより循環搬送中の前記ワークに、スパッタリングにより前記成膜材料の粒子を堆積させて成膜する成膜部と、
前記回転テーブルにより循環搬送中の前記ワークに、前記成膜部により堆積された膜を処理する膜処理部と、
前記回転テーブルにおいて、回転軸以外の領域であって、前記成膜部及び前記膜処理部に対向する円環状の成膜領域に設けられ、個々の前記ワークが保持される複数の保持領域と、
前記複数の保持領域に配置された加熱部と、
前記回転テーブルにおける前記加熱部に平面視で重なりの無い位置を貫通して、前記回転テーブルの回転軸と平行な方向に移動可能に設けられ、前記ワークを前記保持領域に対して保持及び離脱させる一対のテーブル側プッシャと、
前記テーブル側プッシャに前記ワークを移送する移送部と、
を有することを特徴とする成膜装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記移送部は、前記ワークが載置され、前記回転テーブルの回転軸と平行なアームシャフトを中心に回動可能に設けられた搬送アームを有し、
前記テーブル側プッシャは、
前記ワークが載置されるテーブル側プッシャヘッドと、
前記テーブル側プッシャヘッドを支持し、前記回転テーブルの回転軸と平行な方向に移動可能なテーブル側昇降シャフトと、
を有し、
前記テーブル側昇降シャフトは、前記搬送アームの回転軌跡の領域外に設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項3】
前記テーブル側プッシャヘッドは、
前記ワークが載置されるトレイに設けられたヘッド用位置決め穴に嵌り、前記ヘッド用位置決め穴よりも小さな径のテーブル側ヘッドピンと、
前記テーブル側プッシャヘッドの上面に突出するように設けられ、前記トレイの下面に接して支持するテーブル側ヘッド突出部と、
を有することを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
【請求項4】
前記搬送アームは、
前記ワークが搭載されるトレイに設けられたアーム用位置決め穴に嵌り、前記アーム用位置決め穴よりも小さな径のアーム側ピンと
前記搬送アームの上面に突出するように設けられ、前記トレイの下面に接して支持するアーム側突出部と、
を有することを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
【請求項5】
前記移送部は、前記チャンバ内の真空を維持した状態で、前記ワークを搬入及び搬出するロードロックチャンバを有し、
前記ロードロックチャンバに、前記ワークを搬送アームに対して保持及び離脱させるロードロック側プッシャが設けられ、
前記ロードロック側プッシャは、
前記ワークが載置されるロードロック側プッシャヘッドと、
前記ロードロック側プッシャヘッドを支持し、前記回転テーブルの回転軸に平行な方向に昇降可能なロードロック側昇降シャフトと、
を有し、
前記ロードロック側昇降シャフトは、前記搬送アームの回転軌跡の領域外に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜装置。
【請求項6】
前記ロードロック側プッシャヘッドは、
前記ワークが載置されるトレイに設けられたヘッド用位置決め穴に嵌り、前記ヘッド用位置決め穴よりも径が小さいロードロック側ヘッドピンと、
前記ロードロック側プッシャヘッドの上面に突出するように設けられ、前記トレイの下面に接して支持するロードロック側ヘッド突出部と、
を有することを特徴とする請求項5記載の成膜装置。
【請求項7】
前記回転テーブルにより循環搬送中の前記ワークの表面及び前記膜の少なくとも一方の表面を処理する表面処理部を有することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項8】
前記成膜部は、GaNを含む前記成膜材料の粒子を堆積させるGaN成膜部を含み、
前記膜処理部は、前記GaN成膜部において堆積された前記成膜材料の粒子を窒化させる窒化処理部を含むことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ガリウム(Ga)を窒化させた化合物半導体は、次世代のデバイス材料として注目されている。例えば、窒化ガリウム(GaN:Gallium Nitride)を使用したデバイスとして、発光デバイス、パワーデバイス、高周波通信デバイスなどがある。このようなデバイスは、Gaを窒化させた化合物膜(GaN膜)をシリコン(Si)ウェーハ、シリコンカーバイド(SiC)ウェーハ、サファイヤ基板、ガラス基板に形成(成膜)することで製造される。
【0003】
従来から、GaNの成膜は、MO-CVD(metal organic chemical vapor deposition)法によって行われている。MO-CVD法は、常温常圧で液体であるガリウム(Ga)の蒸発を抑え、かつGaと窒素(N)を反応させるために、処理に使用するNH

ガスが大量に必要となるので、材料の使用効率が悪い。さらに、材料ガスの取り扱いが難しく、装置の状態を安定に維持することが難しいため、歩留まりが悪い。また、処理の際に処理ガス中の水素(H)が取り込まれたGaN膜に、脱水素処理という余分な工程が必要となる。
【0004】
そこで、真空のチャンバ内にスパッタガス、プロセスガスを流し、チャンバ内に保持されたワークに対して、スパッタリングによりターゲットの材料を堆積、窒化させることによって、材料の使用効率を高めた成膜装置が提案されている。このような成膜装置は、水素(H)を含む反応ガスを使用しないため、脱水素等の余分な工程が不要となる。さらに、扱いやすい希ガスをチャンバ内に導入すればよいため、装置の状態を安定に維持しやすく、歩留まりが良好となる。
【0005】
例えば、特許文献1に示す成膜装置では、回転テーブルでワークを循環搬送し、スパッタリングによるターゲット材料の堆積と、堆積したターゲット材料を窒化させることを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-164927公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スパッタリングによりガリウム(Ga)を窒化させた化合物膜などを成膜する場合には、成膜時に膜の結晶性を向上させるために、数100℃程度まで加熱しつつ成膜を行う必要がある。したがって、成膜装置においては、加熱源を、例えば、基板を載置する回転テーブルから離隔させて固定配置するものがある。
【0008】
しかし、回転テーブルから離隔した位置から加熱する場合、チャンバ内は真空のため、ワークは主に輻射熱でしか加熱されない。すると、たとえ30mm程度の近い距離であっても、必要な温度以上で加熱することが必要となる。例えば、ワークを600℃にしようとする場合、1000℃以上で加熱することが必要となるため、高出力の加熱装置が必要となりコスト高となる。
【0009】
そこで、ワークに直接接触して加熱しようとする場合、回転テーブルに加熱源を設けることになる。このとき、回転テーブルにおけるワークの保持領域に加熱源を設けることが好ましい。
【0010】
例えば、回転テーブルにワークを載置、あるいはワークを取り出しするために、ワークを押し上げて、ワークを回転テーブルと接離させる場合、回転テーブルにおけるワークの保持領域に回転テーブルを貫通して昇降可能なプッシャ機構をが設けることになる。したがって、加熱源を回転テーブルにおけるワークの保持領域に設ける場合、ワークを昇降するプッシャ機構を配置することが困難になる。
(【0011】以降は省略されています)

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