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公開番号2025033509
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139266
出願日2023-08-29
発明の名称製膜装置
出願人OLED青森株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 14/04 20060101AFI20250306BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】本発明は、従来に比べてマスク部材が撓みにくく、製膜位置によって膜厚の差が生じにくい製膜装置を提供する。
【解決手段】基材保持部と、ガス放出部と、マスクユニットを有し、ガス放出部から放出される製膜ガスがマスクユニットによって制限されて、基材保持部に保持された基材上に薄膜が製膜されるものであり、マスクユニットは、マスク部材と、マスクフレームを有し、製膜ガスは、薄膜を形成する薄膜形成ガスと、キャリアガスの混合ガスであり、マスクユニットを設けずに基材に薄膜を製膜したときに、基材の中央を通る断面における薄膜の膜厚分布が正規分布状であって最大膜厚の0%超過5%以下となる裾野領域があり、マスクフレームは、ガス放出部側から基材に対して直交する方向にみたときに、裾野領域と重なる位置にマスク部材を支持するマスク支持部を備える構成とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基材保持部と、ガス放出部と、マスクユニットを有し、前記ガス放出部から放出される製膜ガスが前記マスクユニットによって制限されて、前記基材保持部に保持された基材上に薄膜が製膜される製膜装置であって、
前記マスクユニットは、マスク部材と、マスクフレームを有し、
前記製膜ガスは、前記薄膜を形成する薄膜形成ガスと、キャリアガスの混合ガスであり、
前記マスクユニットを設けずに前記基材に前記薄膜を製膜したときに、前記基材の中央を通る断面における前記薄膜の膜厚分布が正規分布状であって最大膜厚の0%超過5%以下となる裾野領域があり、
前記マスクフレームは、前記ガス放出部側から前記基材に対して直交する方向にみたときに、前記裾野領域と重なる位置に前記マスク部材を支持するマスク支持部を備える、製膜装置。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記薄膜の膜厚分布は、最大膜厚の50%以上となる主要領域があり、
前記マスク支持部は、前記ガス放出部側から前記基材に対して直交する方向にみたときに、前記主要領域と重ならない、請求項1に記載の製膜装置。
【請求項3】
前記マスク部材は、開口部を有し、
前記開口部は、前記ガス放出部側から前記基材に対して直交する方向にみたときに、前記主要領域と重なる、請求項2に記載の製膜装置。
【請求項4】
前記ガス放出部と、前記基材保持部に保持された前記基材は、鉛直方向に重なっており、
前記マスクフレームは、前記マスク部材に対して前記ガス放出部側に位置している、請求項1~3のいずれか1項に記載の製膜装置。
【請求項5】
前記マスク支持部は、鉛直方向の下方側から前記マスク部材を支持する、請求項4に記載の製膜装置。
【請求項6】
前記製膜ガスは、前記キャリアガスの割合が10%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製膜装置。
【請求項7】
前記薄膜の膜厚分布は、最大膜厚が2.5nm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に薄膜を製膜する製膜装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、有機EL装置の各層の製膜には、真空蒸着装置が使用されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の蒸着装置は、いわゆる、ガスキャリア方式の蒸着装置であり、固体状(主に粉体状)の薄膜形成材料を高温のキャリアガスで気化室内に導入するとともに、気化室内で薄膜形成材料を加熱し、気化させて薄膜形成ガスを生成し、キャリアガスで薄膜形成ガスを製膜室まで圧送し、製膜室内においてキャリアガスと薄膜形成ガスの混合ガスを基材に対して吹き付ける構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-112316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL装置を工業的に製造する際は、一枚の大判の基板を用いて複数枚の有機EL装置を同時に製造することが多い。すなわち、有機EL装置に使用される蒸着装置は、各有機EL装置に対応する部分に開口を有するマスク部材を使用し、マスクフレームによって開口が基板に対応するようにマスク部材を製膜室に固定し、その状態で基板に対してガス放出部から製膜ガスを吹き付ける。こうすることで、一枚の基板上に複数枚の有機EL装置を構成する各薄膜層を製膜する。このようにして得られた仕掛有機EL装置を複数に分割して複数枚の有機EL装置が製造される。
【0005】
このとき、一枚の基板に対してできる限り多くの有機EL装置を製造するには、基板の大きさを大きくするとともに、単位面積当たりのマスク部材の開口率を大きくし、薄膜を基材の縁に近いところまで製膜することが好ましい。
【0006】
しかしながら、基板を大きくすると、マスク部材の大きさもそれに応じて大きくする必要がある。マスク部材が大きくなりすぎると、重力によってマスク部材自体に撓みが生じ、開口の形状が変形してしまう問題がある。このような開口の変形が生じると、開口縁付近に対応する有機EL装置では有機EL装置の品質を一定水準以上に維持できなくなる問題がある。
【0007】
また、ガスキャリア方式の蒸着装置は、薄膜形成ガスをキャリアガスで送り出すので、薄膜形成ガスをそのまま基板に吹き付ける蒸着装置に比べて、基材上に形成される薄膜の膜厚分布が大きく変化することが多い。すなわち、ガスキャリア方式の蒸着装置は、薄膜形成ガスをそのまま基板に吹き付ける蒸着装置に比べて、膜厚分布において膜厚が薄い裾野領域が広いことが多い。そのため、マスク部材の開口を大きくして、基板の縁付近まで製膜すると、縁付近に対応する有機EL装置では、膜厚分布において膜厚が薄い裾野領域と重なってしまう。その結果、縁付近に対応する有機EL装置では品質を一定水準以上に維持できなくなる問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、従来に比べてマスク部材が撓みにくく、製膜位置によって膜厚の差が生じにくい製膜装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、基材保持部と、ガス放出部と、マスクユニットを有し、前記ガス放出部から放出される製膜ガスが前記マスクユニットによって制限されて、前記基材保持部に保持された基材上に薄膜が製膜される製膜装置であって、前記マスクユニットは、マスク部材と、マスクフレームを有し、前記製膜ガスは、前記薄膜を形成する薄膜形成ガスと、キャリアガスの混合ガスであり、前記マスクユニットを設けずに前記基材に前記薄膜を製膜したときに、前記基材の中央を通る断面における前記薄膜の膜厚分布が正規分布状であって最大膜厚の0%超過5%以下となる裾野領域があり、前記マスクフレームは、前記ガス放出部側から前記基材に対して直交する方向にみたときに、前記裾野領域と重なる位置に前記マスク部材を支持するマスク支持部を備える、製膜装置である。
【0010】
本様相によれば、薄膜形成ガスの濃度が薄く、膜厚分布への影響が小さい裾野領域にマスク支持部が設けられているため、大型のマスク部材であってもマスク部材が変形しにくく、製膜ガスもマスク支持部によって遮られにくい。すなわち、本様相によれば、従来に比べてマスク部材が撓みにくく、製膜位置によって膜厚の差が生じにくい。
(【0011】以降は省略されています)

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