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公開番号2025069988
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023179982
出願日2023-10-19
発明の名称光学薄膜形成装置および方法
出願人株式会社オプトラン
代理人個人,個人
主分類C23C 14/54 20060101AFI20250424BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 各層の膜厚を最適化するにあたり、的確なFOM最小時間を判断でき、最適膜厚を少しオーバーコーティングすることによる系統誤差の発生を防止することにより、多層光学薄膜の製品を量産する場合の歩留まりを向上させ、最も設計に近い成膜を可能とする。
【解決手段】 光学薄膜形成装置が、光学薄膜の成膜を制御する制御部を有し、その制御部が、成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)し、前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測し、前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定し、前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行する構成となっている。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
成膜対象基板上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成装置であって、
前記成膜対象基板を透過したモニタ光を受光して得られた受光信号に応じて前記成膜対象基板上に薄膜の成膜を制御する制御部を有し、
前記制御部が、
成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)し、
前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測し、
前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定し、
前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行する光学薄膜形成装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記成膜停止時間の設定処理が、起動されたFOM最小時間予測アルゴリズムにより行われる請求項1に記載の光学薄膜形成装置。
【請求項3】
前記各波長点のフィッティング曲線のそれぞれに対して外挿を行い、それを全ての波長点について重ね合わせる事で、前記未来のスペクトラム(spectrum)を予測する請求項1あるいは2に記載の光学薄膜形成装置。
【請求項4】
成膜チャンバ内に配置された成膜材料供給部から供給される成膜材料が成膜されて薄膜の多層膜が形成される成膜対象基板にモニタ光を投光する投光部と、
前記成膜対象基板を透過した前記モニタ光を受光して受光信号を出力する受光部と、
成膜中の基板温度を測定する温度測定部と、
前記受光信号に応じて前記成膜対象基板の光透過率を取得し、取得した光透過率情報に関連付けて薄膜の成膜を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、
成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)し、
前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測し、
前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定し、
前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行する光学薄膜形成装置。
【請求項5】
前記成膜停止時間の設定処理が、起動されたFOM最小時間予測アルゴリズムにより行われる請求項4に記載の光学薄膜形成装置。
【請求項6】
前記各波長点のフィッティング曲線のそれぞれに対して外挿を行い、それを全ての波長点について重ね合わせる事で、前記未来のスペクトラム(spectrum)を予測する請求項1あるいは5に記載の光学薄膜形成装置。
【請求項7】
成膜対象基板を透過したモニタ光を受光して得られた受光信号に応じて前記成膜対象基板上に薄膜の成膜を制御する制御部を有し、前記成膜対象基板上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成装置において、前記成膜対象基板上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成方法であって、
前記制御部により、成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)するステップと、
前記制御部により、前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測するステップと、
前記制御部により、前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFOMを計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定するステップと、
前記制御部により、前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行するステップと、を有する光学薄膜形成方法。
【請求項8】
前記成膜停止時間の設定処理が、起動されたFOM最小時間予測アルゴリズムにより行われる請求項7に記載の光学薄膜形成方法。
【請求項9】
前記各波長点のフィッティング曲線のそれぞれに対して外挿を行い、それを全ての波長点について重ね合わせる事で、前記未来のスペクトラム(spectrum)を予測する請求項7あるいは8に記載の光学薄膜形成方法。
【請求項10】
成膜対象基板を透過したモニタ光を受光して得られた受光信号に応じて前記成膜対象基板上に薄膜の成膜を制御するコンピュータからなる制御部を有し、前記成膜対象基板上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成装置において、
前記コンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラム。
成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)する手順、
前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測する手順、
前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定する手順、
前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行する手順。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学薄膜形成装置および方法に関し、特に、多層光学薄膜におけるFOM制御による最適膜厚制御装置を採用した光学薄膜形成装置および方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
光学機器分野において幅広く応用されている光学薄膜として、基材上に複数の光学薄膜が重ねられた積層構造の多層光学薄膜が知られている。
【0003】
多層光学薄膜における成膜制御として、直視ブロードバンドモニタリング(BBM)が知られている。そして、直視ブロードバンドモニタリング(BBM)における一般的な制御方式の1つにFigure-of-Merit(FOM)制御がある。
【0004】
そのFigure-of-Merit(FOM)制御で使用されるFOM関数は、成膜中のスペクトラム測定値と各層の設計スペクトラムの差の積分を取る評価関数である。
そして、このFOM関数が最小になる時間で成膜停止して、各層の膜厚を最適化する制御が、FOM制御となっており、この評価関数の最小値を与える膜厚構成が最適な解であるとして、このFOM関数の最小値を求めている(例えば、文献1参照)。
【0005】
特開2010-138463号公報
特開2003-279727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来のFOM関数が最小になる時間で成膜停止して、各層の膜厚を最適化するFOM制御では、以下のような2つの問題点があった。
すなわち、1つ目の問題点は、FOM関数が最小になる時間で成膜停止して、各層の膜厚を最適化するためには、最小点となる時間を少し行きすぎなければ、どこがFOM最小時間なのか判断出来ないことである。
従って、最小点となる時間を少し行きすぎてしまうため、最適膜厚よりも常に少しオーバーコーティングすることになり系統誤差が生じる。
【0007】
2つ目の問題点は、FOM関数の計算に対する直視ブロードバンドモニタリング(BBM)光学系の測定ノイズが生じてしまい、その悪影響が無視できないことである。
すなわち、各時間点ごとにFOM関数を独立に計算するので、時間方向の情報を活用出来ず、それよって各時間の光学系の測定ノイズが直接的に偶然誤差要因になってしまい、ノイズによる偶然誤差が生じてしまう。
上記2つの問題点により、多層光学薄膜の製品を量産する場合の歩留まりが悪化してしまうものであった。
【0008】
本発明は前記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、各層の膜厚を最適化するにあたり、的確なFOM最小時間を判断でき、最適膜厚を少しオーバーコーティングすることによる系統誤差の発生を防止することができる光学薄膜形成装置および方法を得ることを目的とする。
本発明の他の目的は、各時間点ごとのFOM関数の独立計算による測定ノイズによる偶然誤差の発生を防止し、多層光学薄膜の製品を量産する場合の歩留まりを向上させる光学薄膜形成装置および方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的達成のために、本発明に係る光学薄膜形成装置は、成膜対象基板上に光学薄膜を形成する光学薄膜形成装置であって、前記成膜対象基板を透過したモニタ光を受光して得られた受光信号に応じて前記成膜対象基板上に薄膜の成膜を制御する制御部を有し、前記制御部が、成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)し、前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測し、前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定し、前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の特徴は、光学薄膜形成装置が、成膜チャンバ内に配置された成膜材料供給部から供給される成膜材料が成膜されて薄膜の多層膜が形成される成膜対象基板にモニタ光を投光する投光部と、前記成膜対象基板を透過した前記モニタ光を受光して受光信号を出力する受光部と、成膜中の基板温度を測定する温度測定部と、前記受光信号に応じて前記成膜対象基板の光透過率を取得し、取得した光透過率情報に関連付けて薄膜の成膜を制御する制御部と、を有し、前記制御部が、成膜される光学薄膜における各波長点ごとの透過率時間変化をフィッティング(Fitting)し、前記フィッティングにより得られた各波長点のフィッティング曲線を外挿して、未来時間の各波長の透過率である未来のスペクトラム(spectrum)を予測し、前記予測により得られた未来の各時間のスペクトラム予測に対してFigure-of-Merit(FOM)関数を計算し、予測FOMが最小値を取る時間を成膜停止時間と設定し、前記設定された成膜停止時間に基づいて、前記光学薄膜の成膜制御を実行することである。
(【0011】以降は省略されています)

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