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公開番号
2024175237
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-18
出願番号
2023092850
出願日
2023-06-06
発明の名称
樹脂部材
出願人
日産自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C23C
24/04 20060101AFI20241211BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】光触媒効果が高く、かつ樹脂基材の劣化を防止できる、光触媒被膜を備えた樹脂部材を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂部材は、樹脂基材表面に光触媒被膜を備える。
そして、上記光触媒被膜が、上記樹脂基材側から順に遮蔽層と活性層とを有し、
上記活性層は、アナターゼ型酸化チタン粒子と金属粒子とが混在した構造であり、上記遮蔽層が、金属材料から成ることとしたため、高い光触媒効果と樹脂基材の劣化防止とを両立させた、光触媒被膜を備えた樹脂部材を提供することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂基材表面に光触媒被膜を備える樹脂部材であって、
上記光触媒被膜が、上記樹脂基材側から順に遮蔽層と活性層とを有し、
上記活性層は、アナターゼ型酸化チタン粒子と金属粒子とが混在した構造であり、
上記遮蔽層が、金属材料から成ることを特徴とする樹脂部材。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
上記金属粒子のビッカース硬度が、700(Hv)以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項3】
上記遮蔽層と活性層とが、少なくともアンカー効果により接合していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項4】
上記遮蔽層が、粒子積層構造であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項5】
上記遮蔽層が、メッキ層であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項6】
表面粗さ(Ra)が、25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項7】
自動車用樹脂部品、輸送機器用樹脂部品、電子機器用樹脂部品、家電用樹脂部品、事務用樹脂部品、住宅用樹脂部品及び医療衛生用樹脂部品から成る群から選ばれた樹脂部品を構成していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つの項に記載の樹脂部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂部材に係り、更に詳細には、セルフクリーニング性を有する樹脂部材に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
酸化チタンは、光エネルギーによって酸化作用を発現する光触媒効果を有し、汚染物質や臭い物質などの有機物を酸化分解することができ、加えて、抗菌・抗ウイルス効果をも示すので、部材の表面を被覆することで、部材の表面をきれいに保つセルフクリーニング性を付与することができる。
【0003】
この酸化チタンの光触媒効果は、結晶構造がアナターゼ型の方がルチル型よりも高く、上記アナターゼ型の酸化チタンは、700℃を超える温度でルチル型に転移し、光触媒効果が低下してしまう。
【0004】
特許文献1には、酸化チタン粒子を造粒により大粒径化することで、被膜形成時の溶射熱による酸化チタンのアナターゼ型からルチル型への転移を抑制でき、アナターゼ型酸化チタンの残存比率を向上できる旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許3944551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の光触媒被覆材にあっては、酸化チタンのルチル型への転移抑制が充分でなく、光触媒効果が低いのに加えて、酸化チタンの酸化作用よって樹脂基材が劣化しまう。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光触媒効果が高く、かつ樹脂基材の劣化を防止できる、光触媒被膜を備えた樹脂部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、光触媒被膜の樹脂基材側に、金属材料から成る遮蔽層を設けることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の樹脂部材は、樹脂基材表面に光触媒被膜を備える。
そして、上記光触媒被膜が、上記樹脂基材側から順に遮蔽層と活性層とを有し、
上記活性層は、アナターゼ型酸化チタン粒子と金属粒子とが混在した構造であり、上記遮蔽層が、金属材料から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光触媒被膜の樹脂基材側に、金属材料から成る遮蔽層を設けることとしたため、高い光触媒効果と樹脂基材の劣化防止とを両立させた、光触媒被膜を備えた樹脂部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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