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公開番号2025012375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115163
出願日2023-07-13
発明の名称造水器
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類C02F 1/04 20230101AFI20250117BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】構造の簡素化を図りながらも、造水能力の向上(単位時間当たりの造水量の増加)を図り得る造水器を提供する。
【解決手段】原水を貯留する原水タンク11と、下部が原水タンク11の原水に浸漬し下部以外の上部が原水の水面より上方にある状態で設置され且つ原水を下部から上部へ吸い上げ蒸発する吸水蒸発部20と、原水タンク11及び吸水蒸発部20を密閉状態で覆うと共に透光性を有するカバー13とを有し、太陽光をカバー13を透過させて吸水蒸発部20へ照射し、吸水蒸発部20の上部から原水を蒸発させ、カバー13の内面で凝縮させて蒸留水を製造する造水器100であって、吸水蒸発部20は、筒状の繊維部材から成る筒型繊維部材構造体であって、筒型繊維部材構造体は、少なくとも太陽光が照射される表面が黒色であり、且つ筒軸心Pを原水の水面に沿わせた姿勢で設置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原水を貯留する原水タンクと、下部が前記原水タンクの前記原水に浸漬し前記下部以外の上部が前記原水の水面より上方にある状態で設置され且つ前記原水を前記下部から前記上部へ吸い上げ蒸発する吸水蒸発部と、前記原水タンク及び前記吸水蒸発部を密閉状態で覆うと共に透光性を有するカバーとを有し、
太陽光を前記カバーを透過させて前記吸水蒸発部へ照射し、前記吸水蒸発部の前記上部から前記原水を蒸発させ、前記カバーの内面で凝縮させて蒸留水を製造する造水器であって、
前記吸水蒸発部は、筒状の繊維部材から成る筒型繊維部材構造体であって、
前記筒型繊維部材構造体は、少なくとも前記太陽光が照射される表面が黒色であり、且つ筒軸心を前記原水の水面に沿わせた姿勢で設置される造水器。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記筒型繊維部材構造体は、前記筒軸心に沿う方向視で円又は多角形となる円筒形状又は多角形形状の単一の筒状部材から成る請求項1に記載の造水器。
【請求項3】
前記筒型繊維部材構造体は、前記筒軸心に沿う方向視で円又は多角形となる円筒形状又は多角形形状の複数の筒状部材から成り、
互いの前記筒軸心を沿わせた姿勢において、一の前記筒状部材が、他の前記筒状部材を筒内部に収容して設置される多重筒構造体である請求項1に記載の造水器。
【請求項4】
前記筒型繊維部材構造体は、前記繊維部材が筒軸心周りに多重に巻かれて、前記筒軸心に沿う方向視で渦巻き状に成型された渦巻き構造体である請求項1に記載の造水器。
【請求項5】
前記筒型繊維部材構造体は、平面視で互いに異なる位置に少なくとも2つ以上設けられている請求項1~4の何れか一項に記載の造水器。
【請求項6】
前記筒型繊維部材構造体は、前記繊維部材の表面又は裏面に沿わせて設けられ前記繊維部材の形状を筒状に維持する形状維持体を備え、
前記形状維持体は、前記繊維部材に沿って設けられる網目状の樹脂から成る請求項1に記載の造水器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原水を貯留する原水タンクと、前記原水タンクに下部が前記原水に浸漬し前記下部以外の上部が前記原水の水面より上方にある状態で設置され且つ前記原水を前記下部から前記上部へ吸い上げ蒸発する吸水蒸発部と、前記原水タンク及び前記吸水蒸発部を密閉状態で覆うと共に透光性を有するカバーとを有し、太陽光を前記カバーを透過させて前記吸水蒸発部へ照射し、前記吸水蒸発部の前記上部から前記原水を蒸発させ、前記カバーの内面で凝縮させて蒸留水が製造される造水器に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
海水、河川水、雨水等の直接の飲用や使用に適さない原水から動力源を用いることなく蒸留水を製造するために造水器が用いられる。
このような造水器として、特許文献1には、吸水蒸発部が不織布等から成る構造体であるものが示されている。当該構造体としての不織布は、折り目が上下方向に沿って延びるプリーツ形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-152562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の造水器では、吸水蒸発部としての不織布をプリーツ形状等の比較的複雑な形状に成型する必要があり、構造の簡素化の観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造の簡素化を図りながらも、造水能力の向上(単位時間当たりの造水量の増加)を図り得る造水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための造水器は、
原水を貯留する原水タンクと、下部が前記原水タンクの前記原水に浸漬し前記下部以外の上部が前記原水の水面より上方にある状態で設置され且つ前記原水を前記下部から前記上部へ吸い上げ蒸発する吸水蒸発部と、前記原水タンク及び前記吸水蒸発部を密閉状態で覆うと共に透光性を有するカバーとを有し、
太陽光を前記カバーを透過させて前記吸水蒸発部へ照射し、前記吸水蒸発部の前記上部から前記原水を蒸発させ、前記カバーの内面で凝縮させて蒸留水を製造する造水器であって、
前記吸水蒸発部は、筒状の繊維部材から成る筒型繊維部材構造体であって、
前記筒型繊維部材構造体は、少なくとも前記太陽光が照射される表面が黒色であり、且つ筒軸心を前記原水の水面に沿わせた姿勢で設置される点にある。
【0007】
本願の発明者らは、鋭意検討した結果、吸水蒸発部を、筒状の繊維部材から成る筒型繊維部材構造体とし、筒型繊維部材構造体の表面のうち少なくとも太陽光が照射される面を黒色とし、且つ筒型繊維部材構造体の筒軸心を原水の水面に沿わせた姿勢で設置することで、特許文献1に示す造水器に比べて、造水能力の向上(単位時間当たりの造水量の増加)を図ることができることを、後述する実験的に確認した。尚、当該実験では、太陽光が照射されると仮定される受光面積、及び原水の水面から吸水蒸発部の上端部までの高さの条件を揃えて行っている。
即ち、本構成によれば、吸水蒸発部を、繊維部材を筒状に成型するという簡易な構成にできるから、従来技術に比べ、構成の簡素化を図りつつも造水量の増加(造水効率の向上)を図ることができる。
【0008】
造水器の更なる特徴構成は、
前記筒型繊維部材構造体は、前記筒軸心に沿う方向視で円又は多角形となる円筒形状又は多角形形状の単一の筒状部材から成る点にある。
【0009】
造水器の造水能力(単位時間当たりの造水量)は、吸水蒸発部の下部から上部へ原水を吸い上げる吸上能力と、吸水蒸発部の上部からカバー内の空間へ原水を蒸発させる蒸発能力に依存する。従来、蒸発能力を高めるには、吸水蒸発部の上部及び下部を構成する繊維部材等の原水を吸い上げる部材の総表面積が重要であると考えられていた。
しかしながら、本願の発明者らは、鋭意検討した結果、本構成の如く、筒型繊維部材構造体を、筒軸心に沿う方向視で円又は多角形となる円筒形状又は多角形形状の単一の筒状部材から構成し、当該筒状部材の軸心を原水の水面に沿わせた姿勢で設置することで、従来技術に比べ総表面積を大きく低減しながらも、従来技術よりも高い造水能力を発揮できることを、後述する実験により確認した。これにより、吸水蒸発部の構成の簡素化を図りながらも、高い造水能力を発揮し得る造水器を実現できる。
尚、発明者らは、太陽光を受ける受光面積が造水能力に大きく影響しているため、本構成の如く、総表面積が低い構成であっても、造水能力の向上(単位時間当たりの造水量の増加)を図ることができると考えている。
【0010】
造水器の更なる特徴構成は、
前記筒型繊維部材構造体は、前記筒軸心に沿う方向視で円又は多角形となる円筒形状又は多角形形状の複数の筒状部材から成り、
互いの前記筒軸心を沿わせた姿勢において、一の前記筒状部材が、他の前記筒状部材を筒内部に収容して設置される多重筒構造体である点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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