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公開番号2024164642
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080269
出願日2023-05-15
発明の名称被膜および軸受
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C23C 16/27 20060101AFI20241120BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】鋼材における電食の発生を抑制することができ、且つ鋼材に対する実用的に十分な密着性を有する被膜を提供する。
【解決手段】本発明の被膜は、鋼材用の被膜であって、下地層と、前記下地層の上側に形成される表層と、を有し、下地層はCrからなり、厚さが100nm以上であり、表層はダイヤモンドライクカーボンからなり、塑性変形硬さが12~20GPaである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材用の被膜であって、
下地層と、前記下地層の上側に形成される表層と、を有し、
前記下地層はCrからなり、厚さが100nm以上であり、
前記表層はダイヤモンドライクカーボンからなり、塑性変形硬さが12~20GPaである、被膜。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記表層の厚さが1~10μmである、請求項1に記載の被膜。
【請求項3】
前記下地層の厚さが200nm以下である、請求項1に記載の被膜。
【請求項4】
鋼製の軸受上に形成される、請求項1に記載の被膜。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の被膜が表面の少なくとも一部に形成された、軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材用の被膜およびこの被膜を有する軸受に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
現在、温室効果ガスの発生を抑制するため、自動車等の分野では世界的に駆動装置が内燃機関からモーター等の電動機に移行している。それとともに、電動機用の充電池の充電時間の短縮や、電動機の高出力化のために電動機の駆動電圧の高電圧化が進められている。今後、モーターの駆動電圧の高電圧化が進むと、モーターの回転軸を支持するボールベアリング等の軸受において、いわゆる電食が発生する頻度が高まることが予測される。
【0003】
電食とは、回転中の軸受の内部を電流が通過した際に、軸受の軌道輪と転動体とが接触する部分においてスパークが発生し、接触部において軌道輪および転動体の表面が溶融して損傷する現象である。
【0004】
この電食の発生を抑制する方法としては、軸受に電流が流れないようにする方法と軸受自体が電流を流さないようにする方法がある。軸受に電流が流れないようにする方法としては、アースリング等でバイパスする方法がある。軸受自体が電流を流さないようにする方法としては、転動体にセラミック等の絶縁物を使用する方法や、内輪とともに軌道輪を構成する外輪を絶縁膜で被覆する方法がある。これら以外の方法としては、軸受内部でスパークが発生しないように、軌道輪と転動体との間に導電性が高い潤滑油を注入する方法等もある。
【0005】
軸受に電流が流れないようにする方法として、例えば特許文献1には、軸受の互いに同心に配置された外輪と内輪の少なくとも片方が金属製であり、かつ、絶縁膜で被覆されるコーティング方法において、平均粒径が1μm以上30μm未満の酸化アルミニウム粉末に、平均粒径が2μm以上10μm未満の炭化ケイ素粉末および/または平均粒径が2μm以上10μm未満の窒化アルミニウム粉末を合計2~40質量%となるように添加した混合溶射材を用いて溶射を行ない、前記外輪および/または前記内輪に前記絶縁膜を形成することを特徴とする軸受のコーティング方法が開示されている。
【0006】
特許文献2には、内周面に外輪軌道を形成した金属製の外輪と、この外輪の内側に配置され、外周面に内輪軌道を形成した金属製の内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた、それぞれが金属製である複数個の転動体とを備え、絶縁被膜が形成された電食防止用絶縁転がり軸受を製造する方法において、前記外輪の前記外輪軌道を除く表面のうち、少なくとも外周面に、10~70μmの粒径分布に製粒され、アルミナにジルコニアを5質量%以上40質量%以下の割合で含む電融材を溶射して溶射被膜を形成した後、前記溶射被膜の気孔を封孔剤で充填して封孔処理することを特徴とする電食防止用絶縁転がり軸受の製造方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、軸電圧が生じるようなモータに使用された場合でも電食が防止できる転がり軸受を、回転精度の低下等が生じない方法で提供することを目的とし、鋼製の外輪の外周面に、表面抵抗が10

Ω以上のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が形成されていることを特徴とする転がり軸受が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-53481号公報
特開2015-212576号公報
特開2006-226500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されている絶縁膜および特許文献2に開示されている絶縁被膜は原料を溶射して形成されている。溶射により形成された被膜は、脆く扱いづらいという問題がある。一方、特許文献3に開示されているDLC層は、主にスパッタリングにより形成されたものであり、溶射により形成された被膜に比べて扱いやすい。
【0010】
特許文献3には、実施例としてDLC層の塑性変形硬さと体積抵抗値との関係等については開示されている。しかし、特許文献3では、電食発生の有無の検討に用いられた実施例および比較例のいずれのDLC層についても具体的な厚さや、面積抵抗値、体積抵抗値、スパークによってDLC層か破壊される電圧(以下「絶縁破壊電圧」ともいう。)等の特性については開示されておらず、電食の発生を防止できる具体的な条件は明らかではなかった。また、特許文献3には、被成膜物とDLC層との間にクロム下地層およびクロムカーバイド中間層を設けることが開示されているが、これらの層の果たす役割や電食への影響、具体的な厚さについては開示されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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