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公開番号
2025085255
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-05
出願番号
2023199005
出願日
2023-11-24
発明の名称
蒸発装置及び蒸発方法
出願人
日本電子株式会社
代理人
弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類
C23C
14/24 20060101AFI20250529BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】間接加熱方式に従う蒸発装置において、容器内の溶融蒸着材料において対流を生じさせる。
【解決手段】容器24内に対流誘発部材42と共に蒸着材料が入れられる。対流誘発部材42が溶融蒸着材料26と相互作用し、これにより溶融蒸着材料において対流(マランゴニ対流)が生じる。蒸着材料は例えばMgF2であり、対流誘発部材42は例えばTa箔である。対流誘発部材42を構成する他の材料として、Fe,Cr,Tiが挙げられる。いずれの材料も、Mgの電気陰性度に近い電気陰性度を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
蒸着材料を収容する容器と、
前記容器の底部に電子ビームを照射して前記容器を加熱することにより前記蒸着材料を間接的に加熱し、これにより溶融蒸着材料を生じさせる加熱設備と、
前記容器内における前記溶融蒸着材料に接する場所に設けられ、前記蒸着材料よりも高い融点を有し、前記容器内において前記溶融蒸着材料と相互作用して前記溶融蒸着材料に対流を生じさせる対流誘発部材と、
を含むことを特徴とする蒸発装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1記載の蒸発装置において、
前記蒸着材料は、フッ素と第1金属とを有する化合物であり、
前記対流誘発部材は、前記フッ素と化学的に結合し得る第2金属を含む、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項3】
請求項2記載の蒸発装置において、
前記第1金属は第1電気陰性度を有し、
前記第2金属は第2電気陰性度を有し、
前記第2電気陰性度は前記第1電気陰性度よりも大きい、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項4】
請求項3記載の蒸発装置において、
前記第1電気陰性度と前記第2電気陰性度の差は0.85より小さい、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項5】
請求項4記載の蒸発装置において、
前記第1金属は、Mgであり、
前記第2金属は、Fe、Cr、Ti及びTaの中から選択された金属である、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項6】
請求項5記載の蒸発装置において、
前記蒸着材料はMgF2であり、
前記対流誘発部材はTaである、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項7】
請求項1記載の蒸発装置において、
前記対流誘発部材は、前記容器内に落とし込まれた部材である、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項8】
請求項1記載の蒸発装置において、
前記対流誘発部材は、前記容器の内面上に設けられたコーティング層を構成している、
ことを特徴とする蒸発装置。
【請求項9】
容器内に対流誘発部材及び蒸着材料を入れる工程と、
前記容器の底壁に対して電子ビームを照射することにより前記蒸着材料を間接的に加熱し、これにより溶融蒸着材料を生じさせる工程と、
を含み、
前記対流誘発部材は、前記蒸着材料よりも高い融点を有し、前記容器内において前記溶融蒸着材料と相互作用して前記溶融蒸着材料に対流を生じさせる金属を含む、
ことを特徴とする蒸発方法。
【請求項10】
請求項9記載の蒸発方法において、
前記溶融蒸着材料を生じさせる工程は、
第1エネルギーを有する第1電子ビームを前記底壁に照射し、これにより前記容器内の前記蒸着材料の下部を溶融状態にする第1照射工程と、
前記第1エネルギーよりも高い第2エネルギーを有する第2電子ビームを前記底壁に照射し、これにより前記容器内の前記蒸着材料それ全体を溶融状態にする第2照射工程と、
を含み、
前記溶融蒸着材料を生じさせる工程の後、対象物に対して蒸着層を形成するために、前記第2エネルギーよりも低い第3エネルギーを有する第3電子ビームが前記底壁に照射される、
ことを特徴とする蒸発方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸発装置及び蒸発方法に関し、特に、蒸着材料を溶融及び蒸発させる技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
蒸着装置は、蒸着材料を気化させることにより対象物の表面に蒸着膜を形成する装置である。蒸着装置は、蒸着材料を溶融及び気化させる蒸発装置を備えている。蒸着材料として、金属、酸化物、フッ化物等が知られている。例えば、光学薄膜の形成時には、蒸着材料としてフッ化物(フッ化化合物)が用いられる。代表的なフッ化物として、MgF2が挙げられる。
【0003】
真空蒸着法として、抵抗加熱方式、直接加熱方式、間接加熱方式等が知られている。例えば、フッ化物からなる高品質の蒸着膜を形成する際には間接加熱方式が用いられる。間接加熱方式では、蒸着材料を入れた容器(ライナー)の底壁に対して電子ビームが照射されて容器が加熱される。これにより容器内の蒸着材料が間接的に加熱される。間接加熱方式に従う蒸発装置として、底壁の中央部に対して電子ビームを照射する非走査型蒸発装置が知られており、また、底壁に照射される電子ビームを走査する機能を備えた走査型蒸発装置が知られている。なお、間接加熱方式に従う蒸発装置は、ボンバード蒸着源(Bombard Deposition Source)とも言われている。
【0004】
特許文献1には、直接加熱方式に従う蒸発装置が開示されている。その蒸発装置において、るつぼ内には、溶解した金属材料中の酸素を吸着する材料が設けられている。そのような材料の一例としてタンタルが記載されている。特許文献2にも、直接加熱方式に従う蒸着装置が開示されている。その蒸発装置において、るつぼ内には対流抑制板が設けられている。特許文献3には、抵抗加熱方式に従う蒸発装置が開示されている。その蒸発装置において、るつぼ内には、対流の方向を強制的に変更する部材が配置されている。特許文献1,2,3のいずれにも、化学的な作用を利用して溶融蒸着材料に対流を生じさせる技術は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平3-191291号公報
特開昭64-21072号公報
特開2005-89835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
間接加熱方式に従う蒸発装置においては、蒸着材料を入れる容器の底壁に電子ビームが照射され、容器それ全体が加熱される。それ故、一般に、容器内の溶融蒸着材料において、温度勾配に起因する自然対流は生じ難い。そのような状況下において、底壁への電子ビームの照射により、特に底壁における特定の位置への強い電子ビームの局所的照射により、底壁の内面付近において溶融蒸着材料が気化し易くなる。内面付近で生じた気泡が浮上して溶融蒸着材料の液面で破裂すると、蒸着層の品質の低下という問題が生じる。その破裂現象は、スプラッシュとも呼ばれている。破裂現象を抑制するためには、容器内の溶融蒸着材料において、温度の拡散つまり対流を生じさせることが望まれる。
【0007】
本発明の目的は、間接加熱方式に従う蒸発装置において、容器内の溶融蒸着材料において対流を生じさせることにある。あるいは、本発明の目的は、間接加熱方式に従う蒸発装置において、容器の底壁の内面付近での気泡の生成を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蒸発装置は、蒸着材料を収容する容器と、前記容器の底部に電子ビームを照射して前記容器を加熱することにより前記蒸着材料を間接的に加熱し、これにより溶融蒸着材料を生じさせる加熱設備と、前記容器内における前記溶融蒸着材料に接する場所に設けられ、前記蒸着材料よりも高い融点を有し、前記容器内において前記溶融蒸着材料と相互作用して前記溶融蒸着材料に対流を生じさせる対流誘発部材と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る蒸発方法は、容器内に対流誘発部材及び蒸着材料を入れる工程と、前記容器の底壁に対して電子ビームを照射することにより前記蒸着材料を間接的に加熱し、これにより溶融蒸着材料を生じさせる工程と、を含み、前記対流誘発部材は、前記蒸着材料よりも高い融点を有し、前記容器内において前記溶融蒸着材料と相互作用して前記溶融蒸着材料に対流を生じさせる金属を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、間接加熱方式に従う蒸発装置において、容器内の溶融蒸着材料において対流を生じさせることが可能となる。あるいは、本発明によれば、間接加熱方式に従う蒸発装置において、容器の底壁の内面付近での気泡の生成を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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