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公開番号2025103996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221806
出願日2023-12-27
発明の名称ターゲット及びターゲットの製造方法
出願人田中貴金属工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20250702BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】デラフォサイト型酸化物薄膜の製造に適したターゲット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ターゲットは、第一金属を45at%以上90at%以下含み、残部が第二金属及び不純物であり、第一金属は、パラジウム又は白金であり、第二金属は、コバルト、クロム又はロジウムであり、不純物の含有量は500質量ppm以下で、不純物としての酸素が200質量ppm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第一金属を45at%以上90at%以下含み、
残部が第二金属及び不純物であり、
前記第一金属は、パラジウム又は白金であり、
前記第二金属は、コバルト、クロム又はロジウムであり、
前記不純物の含有量は500質量ppm以下で、
前記不純物としての酸素が200質量ppm以下であるターゲット。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記第一金属を45at%以上60at%以下含む請求項1に記載のターゲット。
【請求項3】
前記第一金属と前記第二金属との合金粉末の焼結体である請求項1又は2に記載のターゲット。
【請求項4】
前記第一金属と前記第二金属との含有量比に基づいて算出した緻密度が90%以上99%以下である請求項1又は2に記載のターゲット。
【請求項5】
断面をSEM‐EDXでマッピングした場合における、前記第一金属のドメインの大きさが、円相当径で5μm以下である請求項1又は2に記載のターゲット。
【請求項6】
第一金属を45at%以上90at%以下含み、
残部が第二金属及び不純物である金属粉末を焼結する工程を含み、
前記不純物の含有量は500質量ppm以下で、
前記不純物としての酸素が200質量ppm以下であるターゲットの製造方法。
【請求項7】
前記第一金属を45at%以上60at%以下含む請求項6に記載のターゲットの製造方法。
【請求項8】
前記金属粉末は、前記第一金属と前記第二金属との合金粉末である請求項6又は7に記載のターゲットの製造方法。
【請求項9】
前記金属粉末は、体積平均径が20μm以上120μm以下である請求項6又は7に記載のターゲットの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット及びターゲットの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲット及びその製造方法が開示されている。このターゲットは、厚さ3mmで測定したときのスパッタ面に垂直な方向のPTF(漏洩磁束)の平均が75%以上であり、スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差が5%以下である。このターゲットは、Co及び不可避的不純物からなる組成を有するか、又は、Pt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有する。また、この製造方法は、Co及び不可避的不純物からなる組成を有するか、又は、Pt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、各元素の含有量がそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下であり、残部Co及び不可避的不純物からなる組成を有し、且つ、レーザー回折法による体積基準でのD10が10μm以上、D90が150μm以下である原料粉末を用意する工程と、予備加熱温度を600~900℃、電子ビーム加速電圧を50~70kV、造形層厚さを50~100μm/層、ビームスキャン速度を500~5000m/sの条件として、当該原料粉末を付加製造法により、造形を実施する所望のターゲット形状に造形する工程とを含む。この製造方法では、付加製造法の一例として、電子ビーム溶融(EBM)又はレーザー溶融(SLM)により、粉末床の表面付近を加熱することで選択的に溶融及び固化するという操作を繰り返して積層造形する粉末床溶融結合法(PBF)が挙げられている。
【0003】
特許文献2には、スパッタリングターゲット材の製造方法が記載されている。この製造方法は、粉末を熱間で固化成形することで得られる磁性を有する合金からなるスパッタリングターゲット材であって、周期律表の8A族の4周期の元素のFe、Co、Niからなる元素群より選択した少なくとも1つの元素で構成される粉末原料を用いて、あるいは周期律表の8A族の4周期の元素のFe、Co、Niからなる元素群より選択した少なくとも1つ以上の元素でその合計が60at.%以上である元素を主成分とし、残部がAl、Ag、Au、B、C、Ce、Cr、Cu、Ga、Ge、Dy、Gd、Hf、In、La、Mn、Mo、Nb、Nd、P、Pd、Pt、Ru、Si、Sm、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、ZnおよびZrから成る元素群より選択した少なくとも1つの元素および不可避的不純物で構成される粉末原料を用いて、固化成形したスパッタリングターゲット材の製造方法であって、粉末を熱間で固形成形した後、冷却速度144~36000℃/hrで300℃まで冷却することによりスパッタリングターゲット材を製造する。特許文献2には、Coを主成分とし、1at%のPdを含むターゲットと、Coを主成分とし、1at%のPtを含むターゲットとが開示されている。
【0004】
例えば特許文献3に開示されているように、インバータやコンバータなどの電力変換器に用いられるパワーデバイス(パワー半導体、パワー素子又は電力用半導体素子とも称される)は、例えば電気自動車(EV)の普及などにより、その需要が増している。パワーデバイス用の酸化物としては、例えば酸化ガリウムが知られている。
【0005】
非特許文献1には、PdCoO

薄膜において、1.8eVという大きなショットキー障壁が実現された事例が開示されている。なお、PdCoO

薄膜は、パルスレーザー堆積法によって製造されたものである。非特許文献1では、PdCoO

とβ‐Ga



との界面のごとく、PdCoO

と熱的に安定した酸化物との界面では、極性層状構造電気双極子が自然に形成されるため、例えば350℃といった高温環境下でも、10

オーダーに迫る大きなオン/オフ比で電流整流が実現されることが示されている。また、非特許文献1には、自動車、プラント及び航空宇宙の技術分野において、スイッチングやセンシングの用途で半導体デバイスを高温動作させる大きな需要があることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-119904号公報
特開2011-208265号公報
国際公開第2020/090491号
【非特許文献】
【0007】
Electric dipole effect in PdCoO2/β-Ga2O3 Schottky diodes for high-temperature operation, Harada et al, Science Advances 5, eaax5733 (2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に開示されるように、酸化ガリウムは、バンドギャップが大きく、また、絶縁破壊電界も大きく、更に、高い熱安定性と優れた化学耐性を有することから、パワーデバイス用の半導体として優れており、パワーデバイス用途での需要が増大すると予測される。しかし、従来から利用されている白金を用いたショットキー電極は、例えばショットキー障壁が小さく、酸化ガリウムのような優れたパワーデバイス用の半導体が用いられる用途、例えば、高出力が要求される用途などにおいて、耐熱性や信頼性(耐電圧性)の点で十分でない。
【0009】
ここで、非特許文献1に開示されているようなパラジウムコバルト酸化物(PdCoO

)や、パラジウムコバルト酸化物と同様のデラフォサイト型酸化物であるパラジウムクロム酸化物(PdCrO

)、パラジウムロジウム酸化物(PdRhO

)又は白金コバルト酸化物(PtCoO

)は、酸化物にも関わらず、金、銀、銅などの単体金属に匹敵する高い電気伝導性を示す。そのため、例えば酸化ガリウムのような優れたパワーデバイス用のショットキー電極として活用できることが期待される。
【0010】
半導体デバイスにおいては、電極材料を、例えばスパッタリングで成膜することで電極が形成される。そこで、例えば特許文献1,2に開示されるように、所望の薄膜製造に適したスパッタリング用のターゲットが検討されている。しかし、従来技術にあっては、上述のデラフォサイト型酸化物の成膜に適したターゲットを提供できなかった。例えば、従来のターゲットでは、デラフォサイト型酸化物の薄膜形成時に多量のパーティクルが生じてしまう場合や、不要な酸化物が生じるなどしてデラフォサイト型酸化物の結晶構造を構築でない場合などがあった。そのため、デラフォサイト型酸化物薄膜の製造に適したターゲットの提供が望まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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