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公開番号
2025009265
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023112141
出願日
2023-07-07
発明の名称
電子ビーム式蒸着ユニット
出願人
株式会社アルバック
代理人
弁理士法人青莪
主分類
C23C
14/30 20060101AFI20250110BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】蒸着材料Emの収容凹部21を複数備えるハース2と電子ビーム生成源3と電子ビームの成形偏向手段4とハースカバー5とを備える電子ビーム式蒸着ユニットにて、蒸着材料Emの充填作業やハース2に対するメンテナンス作業を容易に実施できるようにする。
【解決手段】ハースの上方を覆う閉姿勢と全ての収容凹部を露出させる開姿勢との間でハースカバーを可動にする可動部6と、ハースカバーを開姿勢から閉姿勢に戻したときに、ハースカバーの開口部51と何れかの収容凹部21とが上下方向で合致する正規位置にその自重でハースカバー案内する案内部6とを更に備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
同一円周上に位置させて上面に蒸着材料の収容凹部を複数備えるハースと、電子ビームを生成する電子ビーム生成源と、電子ビームを成形偏向する成形偏向手段とを備え、成形偏向された電子ビームを収容凹部の蒸着材料に照射して蒸着材料を蒸発させる電子ビーム式蒸着ユニットであって、
収容凹部のうち何れかが径方向で電子ビーム生成源の直近位置に位相決めされるハースの位置を照射位置として、照射位置に存する収容凹部の露出を可能とする開口部を有してハースの上方を覆うハースカバーを備えるものにおいて、
ハースの上方を覆う閉姿勢と全ての収容凹部を露出させる開姿勢との間でハースカバーを可動にする可動部と、開口部と収容凹部とが上下方向で合致するハースカバーの位置を正規位置として、ハースカバーを開姿勢から閉姿勢に戻したときに、その自重でハースカバーを正規位置に案内する案内部とを更に備えることを特徴とする電子ビーム式蒸着ユニット。
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【請求項2】
前記可動部及び前記案内部は、前記ハースの中心を挟んで前記開口部と径方向反対側の上方を覆うハースカバーの部分に設けられて、揺動自在に支持するヒンジ機構で構成されることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム式蒸着ユニット。
【請求項3】
前記ハースカバーの下面に、前記開口部の周囲に位置させて環状の突壁部が設けられ、
前記ハースカバーを揺動させて開姿勢から閉姿勢に戻したときに突壁部によって前記収容凹部の周囲に環状のシール構造が形成されることを特徴とする請求項2記載の電子ビーム式蒸着ユニット。
【請求項4】
前記ハースカバーの下面に上方への押圧力を加えて、ハースの回転を許容する回転許容位置にハースカバーを揺動させる押圧手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の電子ビーム式蒸着ユニット。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の電子ビーム式蒸着ユニットであって、前記ハースカバー内に、冷媒を循環させてハースカバーを冷却する循環通路が形成されるものにおいて、
前記ヒンジ機構が、前記ハースが設置されるベースプレートに夫々設けられる一対の支持体と、各支持体に夫々固定の支持軸とを有して、各支持軸に軸受を介してハースカバーが揺動自在に取り付けられ、
各支持軸に冷媒の通過を許容する内部通路が形成され、各内部通路を循環通路の流入口と流出口とに夫々連通させたことを特徴とする電子ビーム式蒸着ユニット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビーム式蒸着ユニットに関し、より詳しくは、同一円周上に位置させて上面に蒸着材料の収容凹部を複数備えるハースと、電子ビームを生成する電子ビーム生成源と、電子ビームを成形偏向する成形偏向手段とを備え、成形偏向された電子ビームを収容凹部の蒸着材料に照射して蒸着材料を蒸発させるものに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
この種の電子ビーム式蒸着ユニットとして例えば特許文献1に記載のものが知られている。このものは、収容凹部のうち何れかが径方向で電子ビーム生成源の直近位置に位相決めされるハースの位置を照射位置として、照射位置に存する収容凹部(以下、これを「第1の収容凹部」という)の露出を可能とする開口部を有してハースの上方を上下方向の隙間を存して覆うハースカバーを備える。そして、電子ビームの照射による蒸着材料の蒸発中には、各収容凹部に収容される蒸着材料のコンタミネーションが抑制されるようにしている。なお、上記従来例のものでは、ハースカバー内に冷却水を循環する循環通路を設けて、ハースカバーが所定温度に冷却される。そして、ハースカバーの下方に組み付けた磁気回路により第1の収容凹部内の蒸着材料に電子ビームを照射したときに生ずる所謂反射電子がハースカバーで捕捉されるようにしている。
【0003】
電子ビーム式蒸着ユニットを真空チャンバ内に設置して被処理基板に対して蒸着(成膜)する場合には、各収容凹部に顆粒状やインゴット状の蒸着材料を夫々充填した後、ハースをその中心回りに回転させて第1の収容凹部を照射位置に位相決めする。この状態では、第1の収容凹部と開口部とが上下方向で合致し、第1の収容凹部、ひいては、そこに充填される蒸着材料のみが露出した状態となる。そして、真空雰囲気の真空チャンバ内で電子ビームを生成し、この生成された電子ビームを成形偏向させながら、第1の収容凹部の蒸着材料に照射して蒸着材料を蒸発させることで、真空チャンバ内に設置される被処理基板の表面に蒸着される。蒸着材料が所定量だけ蒸発(消耗)した場合や、蒸着材料を変更する場合には、電子ビームの照射を停止した状態でハースが回転され、例えば、第1の収容凹部に隣接する他の収容凹部が照射位置に位相決めされる。この状態で、上記同様に他の収容凹部の蒸着材料に電子ビームを照射して蒸着材料を蒸発させることで、被処理基板に蒸着される。この操作を繰り返して、各収容凹部の蒸着材料を蒸発させて被処理基板への蒸着が順次実施される。
【0004】
ここで、上記従来例のものでは、ハースカバーが、電子ビーム生成源やハースが設置されるベースプレートに締結手段を介して固定されている。そのため、各収容凹部に蒸着材料を充填(または補充)する場合、ハースを順次回転させながら、照射位置にある各収容凹部に蒸着材料を充填していく必要があり、その作業性が著しく悪い。また、蒸発時、蒸着材料が、上面に向けてテーパ状に拡径する開口部分を含む収容凹部の壁面などにも付着、堆積する。このとき、収容凹部の開口部分に蒸着材料が堆積すると、例えば、ハースの円滑な回転が阻害させる虞があるため、これを除去する(メンテナンス)作業も必要になるが、ハースカバーをいちいち取り外す等の作業で対処するのでは、その作業性も著しく悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6195662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、蒸着材料の充填作業やハースに対するメンテナンス作業を容易に実施できる構造を持つ電子ビーム式蒸着ユニットを提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、同一円周上に位置させて上面に蒸着材料の収容凹部を複数備えるハースと、電子ビームを生成する電子ビーム生成源と、電子ビームを成形偏向する成形偏向手段とを備え、成形偏向された電子ビームを収容凹部の蒸着材料に照射して蒸着材料を蒸発させる本発明の電子ビーム式蒸着ユニットは、収容凹部のうち何れかが径方向で電子ビーム生成源の直近位置に位相決めされるハースの位置を照射位置として、照射位置に存する収容凹部の露出を可能とする開口部を有してハースの上方を覆うハースカバーを備え、ハースの上方を覆う閉姿勢と全ての収容凹部を露出させる開姿勢との間でハースカバーを可動にする可動部と、開口部と収容凹部とが上下方向で合致するハースカバーの位置を正規位置として、ハースカバーを開姿勢から閉姿勢に戻したときに、その自重でハースカバーを正規位置に案内する案内部とを更に備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ハースカバーの開姿勢では、全ての収容凹部が露出するため、ハースを殊更回転させ、または、ハースカバーをいちいち取り外すことなく、蒸着材料の充填作業やハースに対するメンテナンス作業を容易に実施でき、その作業性を著しく向上できる。しかも、案内部を備えることで、ハースカバーを開姿勢から閉姿勢に戻すだけで、蒸着材料の充填作業やハースに対するメンテナンス作業を完了させることができる。
【0009】
本発明において、前記可動部及び前記案内部は、前記ハースの中心を挟んで前記開口部と径方向反対側の上方を覆うハースカバーの部分に設けられて、揺動自在に支持するヒンジ機構で構成されることが好ましい。これによれば、他の部品に干渉することなく、閉姿勢と開姿勢との間でハースカバーを可動及び案内にする構成を簡単に実現することができる。このとき、ハースカバーが上下方向に起立する姿勢で保持されるようにしておけば、ハースカバーを開姿勢にするための退避スペースを確保しておく必要がなく、有利である。
【0010】
また、本発明において、前記ハースカバーの下面に、前記開口部の周囲に位置させて環状の突壁部が設けられ、前記ハースカバーを揺動させて開姿勢から閉姿勢に戻したときに突壁部によって前記収容凹部の周囲に環状のシール構造が形成される構成を採用してもよい。このとき、突壁部の下面が収容凹部の周囲に位置するハースの上面部分に当接または近接するようにすればよい。この飛散防止用のシール構造により、電子ビームの照射により照射位置に存する収容凹部内の蒸着材料を蒸発させたときに、この蒸着したものがハースとハースカバーとの間の隙間を通して他の収容凹部へと回り込むことが可及的に抑制され、結果として、蒸着材料のコンタミネーションをより一層抑制できる。この場合、収容凹部の周囲に、ハースカバーを揺動させて開姿勢から閉姿勢に戻したときに突壁部を受け入れる環状の受入溝を設け、ハースカバーの閉姿勢では、突壁部が受入溝に侵入してラビリンスシール構造や、または、突壁部の受入溝への接触が許容される場合にはラビリンスを付与しないシール構造を形成するようにしてもよい。なお、ハースカバーの下面に環状の突壁部を設ける場合には、ハースカバーの下面に上方への押圧力を加えて、ハースの回転を許容する回転許容位置にハースカバーを揺動させる押圧手段を更に備えることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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