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公開番号2025042765
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023149883
出願日2023-09-15
発明の名称透明導電膜形成方法および粉末ターゲット
出願人国立大学法人島根大学
代理人個人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20250321BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】透明樹脂基板に室温スパッタリングによる透明導電膜を形成する技術を提供すること。
【解決手段】ガリウム添加酸化亜鉛の粉末に亜鉛粉末またはマグネシウム粉末を混合した粉末ターゲットを使用して、透明樹脂基板に対してスパッタリング法により室温にて透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜形成方法である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ガリウム添加酸化亜鉛の粉末またはアルミニウム添加酸化亜鉛の粉末に亜鉛粉末を混合した粉末ターゲットを使用して、
透明樹脂基板に対してスパッタリング法により室温にて透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜形成方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
更にマグネシウム粉末を混合した粉末ターゲットを使用することを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜形成方法。
【請求項3】
所定温度にて加熱処理した透明樹脂基板を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜形成方法。
【請求項4】
透明樹脂基板として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、または、熱可塑性芳香族系ポリアミドのフレキシブル基板を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜形成方法。
【請求項5】
スパッタリング法による樹脂基板への透明導電膜形成用のターゲットであって、
ガリウム添加酸化亜鉛の粉末またはアルミニウム添加酸化亜鉛の粉末に、亜鉛粉末を混合したことを特徴とする粉末ターゲット。
【請求項6】
更にマグネシウム粉末を混合したことを特徴とする請求項5に記載の粉末ターゲット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル透明導電シートへの応用も可能な、透明樹脂基板への透明導電膜の形成技術に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ガラス基板に透明導電膜を形成する素材として、電気抵抗率の観点から酸化インジウム系、たとえばITO等が知られている。このような透明導電膜は、タッチパネルや太陽電池、透明ヒータ等、様々に利用されている。
一方で、その素材のインジウムは高価であり、かつ、精錬の際に環境汚染が懸念されるなど、以前から代替物質の検討がなされている。その一つに、安価で健康への影響もないとされる酸化亜鉛があり、これを基本構成としたガリウム添加酸化亜鉛(GZO)やアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)が知られている。
【0003】
また、成膜方法も様々であるが、このうち、スパッタリング法は、基板とターゲット材とを対峙させ、真空下でAr等のガスを用いてターゲット材をたたき、基板に堆積させていくものであって、大面積基板を高速に成膜できるという利点が存在する。すなわち、工業的な量産になじみやすい方法である。
【0004】
なお、ITOは、概ね1×10
-4
Ωcm~2×10
-4
Ωcmの電気抵抗率である。
GZOやAZOを用いる場合、スパッタリング成膜による電気抵抗率は、そのトップデータが2×10
-4
Ωcmであるので、概ね(1~3)×10
-3
Ωcm程度以下となるように成膜できることが一つの目安となる。また、透明についても、可視光透過率が80%以上であることが指標となる。
【0005】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
スパッタリング法は、特性のばらつきが出やすく、また、例えば、円形ターゲットを用いて対向させた基板に成膜する場合、中心から所定距離にてエロージョンが生じ、この対応領域(対向位置)の電気抵抗率が高くなってしまう、という問題点があった。
また、チャンバー内を200℃~300℃に加熱し、条件を整えると、ガラス基板に電気抵抗率3×10
-4
Ωcm~3×10
-3
Ωcmの良好なGZO膜やAZO膜を形成できるが、加熱しない室温成膜では、電気抵抗率が桁違いに大きくなってしまう。なお、室温成膜した場合であっても、成膜後に加熱処理(アニーリング)してやると、電気抵抗率を低減させることは可能である。
すなわち、品質の良い膜を形成する場合には、加熱成膜または成膜後の加熱が前提となり、いずれにせよ熱に弱いポリマー基板、樹脂基板上への成膜ができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-033594
【非特許文献】
【0007】
Y.Yamada, et.al, 'Positional variation and annealing effect in magnetron sputtered Ga-doped ZnO films', Thin Solid Films 609(2016), 25-29
山田祐美加ら、「Zn添加GZO膜における電気特性の面内分布」,2019年度応用物理・物理系学会 中国四国支部 合同学術講演会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、透明樹脂基板に透明導電膜を形成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の透明導電膜形成方法は、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)の粉末またはアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)の粉末に亜鉛粉末を混合した粉末ターゲットを使用して、透明樹脂基板に対してスパッタリング法により室温にて透明導電膜を形成することを特徴とする。
基板とターゲットを離間させるなど条件を整えることにより、電気抵抗率が1×10
-3
Ωcm程度以下の透明導電膜を形成することができる。
なお、本発明においては、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)の粉末またはアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)の粉末は、GZO粉末とAZO粉末との混合粉末も含まれるものとする。
【0010】
請求項2に記載の透明導電膜形成方法は、請求項1に記載の透明導電膜形成方法に、更にマグネシウム粉末を混合した粉末ターゲットを使用することを特徴とする。
電気抵抗率を更に小さくすることが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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