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公開番号2024129306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038422
出願日2023-03-13
発明の名称貴金属蒸着材料
出願人松田産業株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C23C 14/24 20060101AFI20240919BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】本開示の課題は、真空蒸着法で用いられる貴金属の蒸着材料であって、真空蒸着時に突沸現象の発生を抑制できる貴金属の蒸着材料を提供することである。
【解決手段】貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Feが10重量%未満あり、ICP発光分光分析法を用いて分析したとき、Feが10重量ppm以下である蒸着材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Feが10重量%未満あり、ICP発光分光分析法を用いて分析したとき、Feが10重量ppm以下である蒸着材料。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Siが10重量%未満であり、ICP発光分光分析法を用いて分析したとき、Siが10重量ppm以下である蒸着材料。
【請求項3】
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Cが10重量%以下であり、非分散型赤外線吸収法を用いて分析したとき、Cが10重量ppm以下である蒸着材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、真空蒸着法で用いられる貴金属蒸着材料に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
真空蒸着法は、成膜技術の一つであり、真空中で蒸着材料を加熱して、気体分子となった蒸着材料が基板に付着することによって薄膜を形成する技術である。真空蒸着法は、電子部品、半導体デバイス、光学薄膜、磁気デバイス、LED、有機EL、LCD等における素子の形成に広く利用されている。
【0003】
蒸着材料を坩堝に充填し、電子ビーム等を用いて溶解すると、突沸現象が発生して、薄膜上に溶融飛沫が付着するという問題があった。この問題に関して、引用文献1には、蒸着材料に含まれる不純物を低減して、突沸を防ぐ技術が開示されている。また、特許文献2には蒸着材料の表面を王水で洗浄することで、溶融飛沫の付着を防ぐことが記載されている。
【0004】
出願人は、以前、真空蒸着法で用いられる金の蒸着材料であって、真空蒸着時に突沸現象を抑制することができる技術を開示した。例えば、特許文献3では、表面粗さRaが10μm以下であり、面積円相当径0.1mm以上のマイクロクラックの数を低減した蒸着材料を開示し、また、特許文献4では、平均結晶粒径が0.1mm以上であり、酸素含有量が10wtppm以下、水素含有量が5wtppm以下の蒸着材料を開示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平1-180961号公報
特開2018-123389号公報
国際公開第2022/070432号
国際公開第2022/070433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の課題は、真空蒸着法で用いられる貴金属の蒸着材料であって、真空蒸着時に突沸現象の発生を抑制できる貴金属の蒸着材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は、以下に示す通りである。
[1]
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Feが10重量%未満あり、ICP発光分光分析法を用いて分析したとき、Feが10重量ppm以下である蒸着材料。
[2]
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積についてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Siが10重量%未満であり、ICP発光分光分析法を用いて分析したとき、Siが10重量ppm以下である蒸着材料。
[3]
貴金属から構成される蒸着材料であって、蒸着材料の表面50μm×50μmの面積に
ついてエネルギー分散型X線分光法を用いて面分析したとき、Cが10重量%以下であり、非分散型赤外線吸収法を用いて分析したとき、Cが10重量ppm以下である蒸着材料。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、貴金属蒸着材料の溶解の際、突沸現象を効果的に抑制することができる。これにより、基板上に付着するパーティクルの低減を期待できる。したがって、製品の歩留まり改善に寄与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
真空蒸着法で用いられる貴金属の蒸着材料は、通常、原料として純度99.9重量%以上の貴金属原料を使用し、この貴金属原料をアルミナなどのセラミック坩堝やカーボン坩堝で大気溶解する。溶解後、貴金属の溶湯を鋳型に流し込んでインゴットを作製し、得られたインゴットについて、潤滑油を使用して伸線(線引き加工)した後、所定の長さに切断し、ペレット(棒状のもの)を作製する。その後、ペレット表面を酸や有機溶媒で洗浄し、表面に付着した不純物等を除去する。以上の工程を経ることで、比較的不純物の少ないペレット状の貴金属蒸着材料を作製することができる。
【0010】
ところが、このような比較的不純物の少ない貴金属の蒸着材料を用いた場合であっても、蒸着初期に突沸現象が発生して、実際に蒸着する前の予備蒸着の時間が長くなったり、蒸着装置の条件設定を変更しなくてはならなくなったりして、生産効率が低下するという問題が生じていた。特に、貴金属は材料として非常に高価であることから、予備蒸着の時間が長くなればなるほど、その分費用が嵩むという問題があった。また、突沸により装置や坩堝内を汚染して、装置洗浄の頻度が増加するという問題も発生した。
(【0011】以降は省略されています)

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