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公開番号2024121752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023076413
出願日2023-05-06
発明の名称溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法
出願人北京科技大学
代理人個人
主分類C23C 28/04 20060101AFI20240830BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】溶融塩電解による、緻密で均質な高珪素鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、Si含有量が3.0~4.5wt%である低珪素鋼を基材とする。基材を陰極とし、単結晶/多結晶Siを陽極とし、フッ化物溶融塩中で定電流電解する。本発明は、電流密度、電解温度、時間、及び溶融塩中の珪素イオン濃度などのパラメータを制御することにより、表面と中心部のSi含有量が一致した高珪素鋼薄帯を生産することができ、環境を考慮して溶融塩及び電解質をリサイクルすることを実現し、高珪素鋼の圧延中の脆性割れの問題を回避し、製品の歩留まりを高くし、プロセス全体にわたって連続生産を実現することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法であって、
フッ化物無機塩と、フッ化物無機塩に対する無機ケイ素塩のモル比が1:9以下であって
Na

SiF

、K

SiF

、Li

SiF

又はSiO

を含む無機ケイ素塩とを秤
量し、均一に混合した後、ベークする、電解質を製造するステップ(1)と、前記化物無
機塩は、LiF、NaF、KF又はこれらからなる2元又は3元の塩を、前記フッ化物無
機塩及び無機ケイ素塩の純度が共に98%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
製造方法。前記フッ化物無機塩及び無機ケイ素塩の純度が共に98%以上、
前記電解液を電解容器に入れ、低珪素鋼の陰極と単結晶珪素又は多結晶珪素の陽極を電解
液に浸漬し、電解容器を電解液の融点温度以上に昇温し、不活性ガスを導入し、電極に電
源を入れて定電流電解を1~20mA/cm

電流密度で24h以下行い、電解終了後、
陰極を取り出し、洗浄してベークする、溶融塩を電解するステップ(2)と、前記低珪素
鋼組成は、3wt%≦Si≦4.5wt%、Fe≧95wt%を含み、残部が不可避的な
残留元素、
ベーク後の陰極を焼鈍炉の恒温領域内に置き、保護ガス雰囲気下、5~10℃/minの
昇温速度で目標温度1000~1200℃まで上昇し、保温時間tと目標温度T´との関
数関係が
TIFF
2024121752000004.tif
8
50
となるように保温し、熱処理終了後、試料を5~10℃/minの速度で室温まで炉冷し
、珪素含有量分布が均一な高珪素鋼を得る、高温焼鈍のステップ(3)と、を含むことを
特徴とする方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記ステップ(1)におけるベークとは、具体的には、真空炉内で200~300℃に昇
温し、12h以上保温することであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(2)における陰極の厚さが0.05mm~1mmであることを特徴とする
請求項1~2のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(2)は、電解質に陰極及び陽極を浸漬する前に、陰極及び陽極を洗浄し、
70~80℃でベークすることをさらに含むことを特徴とする請求項1~2のいずれか1
項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)における電解質の融点温度以上が550~950℃であることを特徴
とする請求項1~2のいずれか1項に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高珪素鋼の製造方法の分野に属し、具体的には、溶融塩電解による高珪素鋼の
製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
高珪素鋼とは一般的にSi含有量が4.5~6.7wt%の珪素-鉄合金のことで、主に
発電機、変圧器、自動車の昇圧コンバータなどの機器の磁性部品に使われている。Si含
有量の異なる珪素鋼は磁気特性が異なる。珪素鋼は、珪素の含有量が増加するに伴い、抵
抗率と透磁率が増加し、磁歪係数と鉄損が減少し、Siの含有量が6.5wt%になると
透磁率が最大となり、磁歪係数がほぼゼロとなり、鉄損が最小となり、磁気特性が最適と
なる。しかし、Si含有量の増加に伴い、高珪素鋼の硬度と脆性が急激に向上し、靭性と
延性率が急激に低下し、機械加工性能が悪くなり、従来の圧延方式による6.5wt%の
Si珪素鋼の大規模生産が困難であり、高珪素鋼の発展と応用が制限されてしまう。
【0003】
高珪素鋼が脆性のために加工されにくいという問題を解決するために、新しい製造技術の
開発が試みられているが、いずれもいくつかの問題があり、実用化が困難である。現在、
化学気相堆積法(CVD)だけが6.5wt%Si珪素鋼の小ロット工業化生産を実現し
たが、このプロセスにはFe基の損失が大きすぎ、環境汚染が生じ、設備維持費が高いな
どの欠点がある。溶融塩電解技術では、電解副反応が少なく、堆積速度が速く、堆積層が
厚く均一であり、生成物のミクロトポグラフィが制御可能であり、高珪素鋼の生産を実現
することができる。
【0004】
李慧らが発明した傾斜型珪素鋼の製造方法では、SiO

を電解質とし、低珪素鋼と黒鉛
をそれぞれ陰極と陽極として電着を行い、堆積層表面の粒子が細かく、緻密度が良いが、
電流密度が大きいため陽極の不動態化が起こりやすく、堆積生成物の品質に影響し、電解
系で使用する溶融塩電解質はリサイクルができず、珪素系原料の浪費とフッ素塩による環
境汚染を引き起こす。盛敏奇らが発明した常温電着-拡散浸透法による傾斜型珪素鋼の製
造方法では、低珪素鋼を陰極めっき部品として、SiCl

、FeCl

水溶液系の還元
性雰囲気下で、電着法により陰極表面にFe-Si合金層を製造し、後続の熱処理と合わ
せて低珪素鋼表層へのSi二次添加を実現したが、SiCl

は毒性と腐食性があり、環
境を汚染すると同時に、鉄資源の浪費を引き起こし、生成物のSi-Fe合金層が陰極表
面に付着することにより、最終的な生成物の厚さを制御することが困難である。そのため
、高珪素鋼の実用的な新型生産技術の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、Si拡散が不均一で、冷間脆性が深刻であるなど、従来の高珪素鋼の製造プロ
セスにおける問題を解決するために、従来技術の欠点を解決し、高純度鉄又は低珪素鋼を
基材として溶融塩電着法により環境を考慮して珪素鋼帯を製造することである。後続の熱
処理と合わせて結晶粒径を制御可能にすることができ、可塑性が良好で寸法範囲が制御可
能でき、緻密で均質な方向性及び無方向性の高珪素鋼板帯材を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0007】
本発明は、低珪素鋼を基材として、手順が簡単で条件が温和な溶融塩電着法により高珪素
鋼を製造する方法であって、
フッ化物無機塩と、フッ化物無機塩に対する無機ケイ素塩のモル比が1:9以下であって
Na

SiF

、K

SiF

、Li

SiF

又はSiO

を含む無機ケイ素塩とを秤
量し、均一に混合した後、ベークする、電解質を製造するステップ(1)と、
前記電解液を電解容器に入れ、低珪素鋼の陰極と単結晶シリコン又は多結晶シリコンの陽
極を電解液に浸漬し、電解容器を電解液の融点温度以上に昇温し、不活性ガスを導入し、
電極に電源を入れて定電流電解を1~20mA/cm

電流密度で24h以下行い、電解
終了後、陰極を取り出し、洗浄してベークする、溶融塩を電解するステップ(2)と、
ベーク後の陰極を焼鈍炉の恒温領域内に置き、保護ガス雰囲気下、5~10℃/minの
昇温速度で目標温度1000~1200℃まで上昇し、保温時間tと目標温度T´との関
数関係が
TIFF
2024121752000002.tif
8
50
となるように保温し、熱処理終了後、試料を5~10℃/minの速度で室温まで炉冷し
、珪素含有量分布が均一な高珪素鋼を得る、高温焼鈍のステップ(3)と、を含む。
【0008】
さらに、前記ステップ(1)におけるフッ化物無機塩は、LiF、NaF、KF、又はこ
れらからなる2元又は3元の塩を含む。
【0009】
さらに、前記フッ化物無機塩及び無機ケイ素塩の純度が共に98%以上である。
【0010】
さらに、前記ステップ(1)におけるベークとは、具体的には、真空炉で200℃まで昇
温し、12h保温することである。
(【0011】以降は省略されています)

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