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公開番号2025055859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023165262
出願日2023-09-27
発明の名称めっき付き炭素材料及びその製造方法
出願人矢崎総業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 18/18 20060101AFI20250401BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】金属めっきの析出性及び均一性を向上させためっき付き炭素材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】めっき付き炭素材料1は、炭素繊維、及び炭素骨格を有する有機高分子を主成分とする有機質繊維の少なくとも一方からなる炭素材2と、炭素材の表面2aに担持された、粒子状の無電解めっき触媒3と、炭素材の表面に担持され、無電解めっき触媒よりも平均粒子径が小さい金属微粒子4と、炭素材の表面に設けられ、無電解めっき触媒及び金属微粒子を内部に有する金属めっき層5と、を備える。めっき付き炭素材料の製造方法は、炭素材の表面に無電解めっき触媒を担持する工程と、炭素材の表面に金属微粒子を担持する工程と、無電解めっき触媒及び金属微粒子を表面に担持した炭素材に、無電解めっき法により金属めっき層を形成する工程と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素繊維、及び炭素骨格を有する有機高分子を主成分とする有機質繊維の少なくとも一方からなる炭素材と、
前記炭素材の表面に担持された、粒子状の無電解めっき触媒と、
前記炭素材の表面に担持され、前記無電解めっき触媒よりも平均粒子径が小さい金属微粒子と、
前記炭素材の表面に設けられ、前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子を内部に有する金属めっき層と、
を備える、めっき付き炭素材料。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子は、鉄、ニッケル、コバルト及び白金族元素からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属を主成分とする、請求項1に記載のめっき付き炭素材料。
【請求項3】
前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子は、互いに異なる金属からなる、請求項1又は2に記載のめっき付き炭素材料。
【請求項4】
前記無電解めっき触媒の平均粒子径は5nm以下であり、前記金属微粒子の平均粒子径は2nm以下である、請求項1又は2に記載のめっき付き炭素材料。
【請求項5】
前記金属めっき層は、銅、銀、金、ニッケル、クロム、錫及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属を主成分として含む、請求項1又は2に記載のめっき付き炭素材料。
【請求項6】
炭素繊維、及び炭素骨格を有する有機高分子を主成分とする有機質繊維の少なくとも一方からなる炭素材を準備する工程と、
前記炭素材の表面に、粒子状の無電解めっき触媒を担持する工程と、
前記炭素材の表面に、前記無電解めっき触媒よりも平均粒子径が小さい金属微粒子を担持する工程と、
前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子を表面に担持した前記炭素材に、無電解めっき法により金属めっき層を形成する工程と、
を有する、めっき付き炭素材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき付き炭素材料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器の安定した動作のための導電材及び電磁波シールド材には、近年、省スペース化などの自由度の高い設計が求められている。そのため、柔軟で軽量であり、曲げ伸ばし可能なフレキシブルな導電材料の開発が広く進められている。このような導電材料として、繊維の表面に金属めっきを施した素材が存在する。繊維の表面に金属めっきを施す方法としては、一般的に、繊維の表面に数nmサイズの触媒粒子を担持し、それを核にめっきを施している。
【0003】
特許文献1では、めっき繊維の製造方法を開示している。具体的には、当該製造方法は、有機高分子繊維の表面に金属粒子含有ポリエステルエラストマ樹脂溶液を塗布する第一工程と、当該有機高分子繊維を乾燥処理して鞘構造を形成する第二工程と、鞘構造が形成された有機高分子繊維を無電解めっき溶液に浸漬し金属被膜を形成する第三工程とを含んでいる。そして、鞘構造の金属粒子がめっき金属に対して触媒作用を発揮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-52975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
めっき繊維の導電性を高めるためには、金属めっきが繊維表面をできる限り均一に被覆していることが好ましい。そして、繊維表面を金属めっきで均一に被覆するためには、金属めっきの析出性を高める必要がある。しかしながら、従来の製造方法では、金属めっきの析出性が不十分であるため、繊維表面を金属めっきで均一に被覆することが困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、金属めっきの析出性及び均一性を向上させためっき付き炭素材料及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に係るめっき付き炭素材料は、炭素繊維、及び炭素骨格を有する有機高分子を主成分とする有機質繊維の少なくとも一方からなる炭素材と、前記炭素材の表面に担持された、粒子状の無電解めっき触媒と、前記炭素材の表面に担持され、前記無電解めっき触媒よりも平均粒子径が小さい金属微粒子と、前記炭素材の表面に設けられ、前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子を内部に有する金属めっき層と、を備える。
【0008】
本発明の第二の態様に係るめっき付き炭素材料の製造方法は、炭素繊維、及び炭素骨格を有する有機高分子を主成分とする有機質繊維の少なくとも一方からなる炭素材を準備する工程と、前記炭素材の表面に、粒子状の無電解めっき触媒を担持する工程と、前記炭素材の表面に、前記無電解めっき触媒よりも平均粒子径が小さい金属微粒子を担持する工程と、前記無電解めっき触媒及び前記金属微粒子を表面に担持した前記炭素材に、無電解めっき法により金属めっき層を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属めっきの析出性及び均一性を向上させためっき付き炭素材料及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係るめっき付き炭素材料の一例を概略的に示す断面図である。
めっき付き炭素材料の製造方法において、炭素材の表面に無電解めっき触媒を担持した状態を示す概略図である。
めっき付き炭素材料の製造方法において、炭素材の表面に無電解めっき触媒及び金属微粒子を担持した状態を示す概略図である。
めっき付き炭素材料の製造方法において、無電解めっき触媒及び金属微粒子を表面に担持した炭素材に金属めっき層を形成した状態を示す概略図である。
参考例1において、無電解めっき触媒としてのパラジウム粒子及び金属微粒子としてのルテニウム粒子を担持した炭素材における、炭素材とエポキシ樹脂の境界付近を、透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
参考例1において、無電解めっき触媒としてのパラジウム粒子のみを担持した炭素材における、炭素材とエポキシ樹脂の境界付近を、透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
参考例2において、無電解めっき触媒としてのパラジウム粒子及び金属微粒子としてのルテニウム粒子を担持した炭素材における、炭素材とエポキシ樹脂の境界付近を、透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
図5Aの炭素材において、エネルギー分散型X線分光検出器を用いて、パラジウムの分布を観察した元素マップを示す写真である。
図5Aの炭素材において、エネルギー分散型X線分光検出器を用いて、ルテニウムの分布を観察した元素マップを示す写真である。
図5Aの炭素材をさらに拡大して観察した結果を示す写真である。
Pd-Ru担持炭素材に対して銅めっきを施した実施例1の炭素材料の表面を、デジタルマイクロスコープを用いて観察した結果を示す写真である。
Pd-Ru担持炭素材に対して銅めっきを施した実施例1の炭素材料の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
Pd-Ru担持炭素材に対して銅めっきを施した実施例1の炭素材料の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
Pd担持炭素材に対して銅めっきを施した比較例1の炭素材料の表面を、デジタルマイクロスコープを用いて観察した結果を示す写真である。
Pd担持炭素材に対して銅めっきを施した比較例1の炭素材料の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
Pd担持炭素材に対して銅めっきを施した比較例1の炭素材料の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
Pd-Ru担持炭素材に対して銅めっきを施した実施例2の炭素材料の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
Pd担持炭素材に対して銅めっきを施した比較例2の炭素材料の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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