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公開番号2024137873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2024044726
出願日2024-03-21
発明の名称成膜装置
出願人芝浦メカトロニクス株式会社
代理人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20240927BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】処理部間での反応ガスの混入を抑制する成膜装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る成膜装置1は、チャンバ20内に設けられた回転テーブル31、回転テーブル31により搬送されるワーク10にプラズマ処理を行う処理部PU、プラズマ処理が行われる処理空間を画成し、回転テーブル31に非接触で対向する開口を有する内壁部511、内壁部511の周囲を間隔を空けて覆い、回転テーブル31に非接触で対向する開口を有する排気空間60を形成する外壁部61、処理空間からチャンバ20外に排気する排気装置63に接続された排気口62を有し、処理部PUがスパッタリングにより膜を形成する成膜部40であり、外壁部61の両側端がチャンバ20の側面に接し、内壁部511の外周の一部とチャンバ20の側面との間が仕切られて、排気空間60に反応ガスが循環しない両端が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内部を真空とすることが可能なチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、回転することにより円周の搬送経路に沿ってワークを循環搬送する回転テーブルと、
前記回転テーブルにより搬送される前記ワークに対して、導入された反応ガスをプラズマ化することによりプラズマ処理を行う複数の処理部と、
少なくとも1つの前記処理部に設けられ、前記反応ガスが導入されてプラズマ処理が行われる処理空間を画成し、前記回転テーブルに非接触で対向する開口を有する内壁部と、
前記内壁部の周囲を間隔を空けて覆い、前記回転テーブルに非接触で対向する開口を有し、前記開口と反対側が塞がれた排気空間を形成する外壁部と、
前記排気空間に連通し、前記内壁部の前記開口と前記回転テーブルとの隙間から漏れ出す前記反応ガスを吸引して、前記チャンバ外に排気する排気装置に接続された排気口と、
を有し、
少なくとも1つの前記処理部は、前記ワークに、スパッタリングにより成膜材料を堆積
させて膜を形成する成膜部であり、
前記外壁部の両側端が前記チャンバの側面に接し、前記内壁部の外周の一部と前記チャンバの側面との間が仕切られることにより、前記排気空間には、前記反応ガスが循環しない両端が形成されている、
ことを特徴とする成膜装置。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記外壁部の前記回転テーブルに向かう端部は、前記内壁部の前記回転テーブルに向かう端部よりも、前記回転テーブルに近いことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項3】
前記排気口は、複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項4】
前記排気口は、前記チャンバの側面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項5】
前記外壁部には、複数の通気口が設けられ、
前記外壁部の周囲には、前記通気口を覆うバッファ流路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項6】
前記排気口は、前記排気空間の両端の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項7】
前記排気口は、前記排気空間の両端の双方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項8】
前記排気装置と前記排気口との間に前記反応ガスの排気量を調節するバルブが設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の成膜装置。
【請求項9】
前記成膜部の少なくとも1つは、GaNを含む成膜材料から成るターゲットを有し、
前記処理部の少なくとも1つは、前記処理空間に導入される窒素を含むプロセスガスをプラズマ化することにより、前記成膜部によって堆積された前記成膜材料の粒子を窒化させる窒化処理部であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
半導体やディスプレイあるいは光ディスクなど各種の製品の製造工程において、例えばウェーハやガラス基板等のワーク上に、保護膜や導電膜、機能膜、光学膜等の薄膜を成膜することがある。薄膜は、ワークに対して金属等の膜を形成する成膜や、形成した膜に対してエッチング、酸化又は窒化等の膜処理を繰り返すことによって、作成することができる。
【0003】
成膜及び膜処理は様々な方法で行うことができるが、その一つとして、プラズマ処理による方法がある。成膜では、例えば、膜となる材料からなるターゲットを配置した真空容器であるチャンバ内にスパッタガスを導入し、ターゲットに電圧を印加する。スパッタガスが電離してプラズマ化することで生じるスパッタガスのイオンをターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された材料をワークに堆積させて成膜を行う。膜処理では、電極を配置したチャンバ内にプロセスガスを導入し、電極に電圧を印加する。プラズマ化したプロセスガスのイオンをワーク上の膜に衝突させることによって膜処理を行う。
【0004】
このような成膜と膜処理(以下、両者を含めてプラズマ処理とする)を連続して行えるように、一つのチャンバの内部に回転テーブルを取り付け、チャンバの天井、つまり回転テーブルの上方の周方向に、成膜部と膜処理部を複数配置した成膜装置がある(例えば、特許文献1参照)。これにより、ワークを回転テーブル上に保持して搬送し、成膜部と膜処理部の直下を通過させることによって、さまざまな膜を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-3152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような成膜装置は、チャンバ内に、プラズマ処理を行う空間である処理室を有する。この処理室の一部は、例えば、チャンバの天井から回転テーブルに向かって延びるシールド部材(内壁部)によって筒状に処理領域を囲うようにして構成される。シールド部材は、ターゲットからの成膜材料が飛散してチャンバ内壁へ付着したり、導入されるスパッタガスやプロセスガス(以下、両者を含めて反応ガスとする)が各処理室から流出する等を防ぐために設けられる。
【0007】
シールド部材のチャンバの天井とは反対側は開口しており、その縁部は、ワークの通過を許容するために、回転テーブル上に保持されるワークに、隙間を空けて近接している。例えば、シールド部材の縁部と、ワークとの間に、数mm程度の隙間が形成されるように設定される。
【0008】
しかしながら、この隙間と、回転する回転テーブルや搬送されるワークの移動により発生するシールド部材の内部と外部との間での反応ガスの流れなどから、反応ガスの漏れを完全に防ぐことはできない。
【0009】
また、単位時間当たりの成膜量である成膜レートを向上させたり、複数種の材料によるプラズマ処理を行うために、複数の処理室を設ける場合もある。このように、処理室が複数存在すると、複数の処理室の間での圧力差が存在する。このため、隣接する処理室のうち、一方の処理室の反応ガスが他方の処理室に流入したり、他方の処理室の反応ガスが一方の処理室に流入したりすることにより、反応ガスの混入が生じる。このような混入が生じると、成膜される膜の材質の面内での均一性が損なわれる場合が生じる。
【0010】
処理室からチャンバ内に漏れ出た反応ガスは、処理室から離れるほど拡散してしまい、他の処理室に混入しやすいが、これを排気しようとしても、処理室以外のチャンバ内の空間は、スムーズな排気が難しい形状であったり、広範囲に亘っていたりして、排気箇所の数を多くしたり、排気領域を拡大しなければならず、効率の良い排気は難しい。
(【0011】以降は省略されています)

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