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公開番号2024132457
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043223
出願日2023-03-17
発明の名称無電解めっき方法
出願人株式会社JCU
代理人個人,個人
主分類C23C 18/18 20060101AFI20240920BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】触媒の付与に使用するパラジウム量を低減しても良好な無電解めっき部品を得ることができ、触媒付与後に強酸等での後処理を必要とせず、簡便かつ低コストに実施し得るめっき方法を提供すること。
【解決手段】基材の被処理面に触媒付与処理液を接触させ触媒を付与する触媒付与工程と、触媒が付与された被処理面に金属めっきを施す無電解めっき工程とを、少なくとも含むめっき方法において、触媒付与工程では、触媒付与処理液として、液体中に配置されたパラジウム電極と対極との間の放電によって形成されたパラジウム微粒子を含む液を用いる、めっき方法。触媒付与処理液は、多価カルボン酸及び/又はその塩を含有することが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材の被処理面に触媒付与処理液を接触させ触媒を付与する触媒付与工程と、前記触媒が付与された前記被処理面に金属めっきを施す無電解めっき工程とを、少なくとも含むめっき方法において、
前記触媒付与工程では、前記触媒付与処理液として、液体中に配置されたパラジウム電極と対極との間の放電によって形成されたパラジウム微粒子を含む液を用いる、
めっき方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記触媒付与工程は、
前記液体中に配置した前記パラジウム電極と前記対極との間の放電によって、前記パラジウム微粒子を含有する前記触媒付与処理液を調製する操作と、
前記被処理面に前記触媒付与処理液を接触させる操作と、
を有する、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項3】
前記触媒付与処理液中の前記パラジウム微粒子のゼータ電位の平均値が、0mV以下である、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項4】
前記触媒付与処理液が多価カルボン酸及び/又はその塩を含有する、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項5】
前記基材が、高分子、ガラス、セラミックス、炭素材料、及び金属からなる群より選択される1以上からなる、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項6】
前記基材が基板である、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項7】
前記触媒付与工程に先立ち、前記被処理面を、多価アミン化合物を含有する触媒付与増強液に接触させるコンディショニング工程をさらに含む、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項8】
前記コンディショニング工程と前記触媒付与工程との間に、前記被処理面を水洗する工程をさらに含む、請求項7記載のめっき方法。
【請求項9】
前記触媒付与工程と前記無電解めっき工程との間に、前記被処理面に次亜リン酸溶液、還元剤、及び/又は無機酸を接触させる活性化処理工程をさらに含む、請求項1又は2記載のめっき方法。
【請求項10】
前記触媒付与工程に先立ち、前記被処理面を表面改質する工程をさらに含む、請求項1又は2記載のめっき方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、無電解めっきは、金属基材だけでなく高分子成形体、繊維構造体、ガラス、セラミックス等の種々の基材に、金属又は合金の被膜を直接形成する方法として広く用いられている。特に、樹脂基材の表面にめっき膜が形成された製品は、金属素材の製品に比べて軽量かつ低コストであるため、自動車部品、建材部品、基板等の電子部品を始めとする様々な部品として用いられている。
【0003】
基材が樹脂等の高分子成形体のように絶縁性の場合は、無電解めっきの金属を析出し易くするために、基材表面に予め触媒核を形成しておくのが一般的である。通常は、絶縁性基材を浸漬等によって前処理液と接触させ、めっきが必要な箇所に無電解めっき用触媒を付与する処理が行われる。
【0004】
無電解めっき用触媒としては、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)を中心とする金属やその合金等の微粒子が一般的である。
【0005】
例えば、特許文献1及び2には、パラジウム/スズ混合コロイド触媒溶液を触媒付与処理液として用いる無電解めっき方法が開示されている。この手法は通常、基材に付与したコロイド触媒を酸等で処理して活性化させる処理(アクセラレータ処理)を伴うので、キャタライザー・アクセラレータ法とも呼ばれる。また、特許文献2及び3には、基材表面の酸素原子等にスズが吸着してパラジウム用の吸着サイトを形成し(センシタイジング)、次いでスズの吸着サイトに高い触媒能を有するパラジウムが吸着する(アクチベーティング)、いわゆるセンシタイジング-アクチベーティング法が開示されている。また、特許文献4には、パラジウムイオンを含有する触媒液を用いて基材表面に触媒を付与し、次いで還元剤溶液に接触させる方法が開示されている。また、特許文献5には、パラジウム等の金属塩を還元して、無電解めっき用の触媒を作製する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4275157号公報
特開2016-029209号公報
特開2007-063646号公報
特開2015-086429号公報
特開2013-184425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの従来法では、触媒付与処理液として貴金属濃度が低いものを用いると金属めっき層が析出し難く、めっき不良を来し易いという難点がある。通常は貴金属の濃度が数十ppm以上、時には100ppm以上の触媒付与処理液が用いられ、製造コストが掛かる。また、多くの場合、貴金属触媒の還元や活性化等の後処理を必要とする。しかも後処理においては、一般に濃度が1mol/L程度以上の塩酸や硫酸等の強酸がしばしば用いられるため、周辺の装置の腐食や、人体への悪影響が懸念される。このように従来法は、触媒の付与に高濃度の貴金属処理液と、多工程での操作を必要とし、煩雑でコストと時間を要するという課題を抱えている。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決すべく、触媒の付与に使用するパラジウム量を低減しても良好な無電解めっき部品を得ることができ、触媒付与後に強酸等での後処理を必要とせず、簡便かつ低コストに実施し得るめっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、無電解めっき工程に先立つ触媒付与工程において、液体中での放電によって形成されたパラジウム微粒子を含む液を用いることにより、低濃度の触媒付与処理液であっても良好なめっき部品が製造でき、強酸による後処理等も不要となって、無電解めっきを低コストで安全かつ簡便に行い得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の(1)~(12)を提供する。
(1)基材の被処理面に触媒付与処理液を接触させ触媒を付与する触媒付与工程と、前記触媒が付与された前記被処理面に金属めっきを施す無電解めっき工程とを、少なくとも含むめっき方法において、
前記触媒付与工程では、前記触媒付与処理液として、液体中に配置されたパラジウム電極と対極との間の放電によって形成されたパラジウム微粒子を含む液を用いる、
めっき方法。
(2)前記触媒付与工程は、
前記液体中に配置した前記パラジウム電極と前記対極との間の放電によって、前記パラジウム微粒子を含有する前記触媒付与処理液を調製する操作と、
前記被処理面に前記触媒付与処理液を接触させる操作と、
を有する、上記(1)のめっき方法。
(3)前記触媒付与処理液中の前記パラジウム微粒子のゼータ電位の平均値が、0mV以下である、上記(1)又は(2)のめっき方法。
(4)前記触媒付与処理液が多価カルボン酸及び/又はその塩を含有する、上記(1)~(3)のいずれかのめっき方法。
(5)前記基材が、高分子、ガラス、セラミックス、炭素材料、及び金属からなる群より選択される1以上からなる、上記(1)~(4)のいずれかのめっき方法。
(6)前記基材が基板である、上記(1)~(5)のいずれかのめっき方法。
(7)前記触媒付与工程に先立ち、前記被処理面を、多価アミン化合物を含有する触媒付与増強液に接触させるコンディショニング工程をさらに含む、上記(1)~(6)のいずれかのめっき方法。
(8)前記コンディショニング工程と前記触媒付与工程との間に、前記被処理面を水洗する工程をさらに含む、上記(7)のめっき方法。
(9)前記触媒付与工程と前記無電解めっき工程との間に、前記被処理面に次亜リン酸溶液、還元剤、及び/又は無機酸を接触させる活性化処理工程をさらに含む、上記(1)~(8)のいずれかのめっき方法。
(10)前記触媒付与工程に先立ち、前記被処理面を表面改質する工程をさらに含む、上記(1)~(9)のいずれかのめっき方法。
(11)前記触媒付与工程に先立ち、前記被処理面を、酸化剤を含有する酸性溶液に接触させるエッチング工程をさらに含む、上記(1)~(9)のいずれかのめっき方法。
(12)上記(1)~(11)のいずれかのめっき方法により製造される、めっき部品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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