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公開番号2024143833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056735
出願日2023-03-30
発明の名称皮膜除去剤及び皮膜除去方法
出願人日本表面化学株式会社,株式会社デンソー
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C23G 1/18 20060101AFI20241003BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】基材の腐食を良好に抑制しながら基材の上に形成された皮膜を除去することが可能な皮膜除去剤及び皮膜除去方法を提供する。
【解決手段】(A)臭素酸塩、(B)アルカリ性アルカリ金属塩、アルカリ性アルカリ土類金属塩、及び、水酸化アルカリからなる群のうち1種以上、(C)ハロゲン化物、(D)還元糖、還元性硫黄化合物、及び、アルデヒド類からなる群のうち1種類以上、(E)カルボン酸、及び、(F)アゾール化合物を含有する、皮膜除去剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)臭素酸塩、(B)アルカリ性アルカリ金属塩、アルカリ性アルカリ土類金属塩、及び、水酸化アルカリからなる群のうち1種以上、(C)ハロゲン化物、(D)還元糖、還元性硫黄化合物、及び、アルデヒド類からなる群のうち1種類以上、(E)カルボン酸、及び、(F)アゾール化合物を含有する、皮膜除去剤。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記(A)が、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸アンモニウム、臭素酸アルミニウム、臭化カリウム、及び、臭化ナトリウムからなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項3】
前記(B)が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、及び、水酸化アンモニウムからなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項4】
前記(C)が、塩化水素、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、及び、フッ化ナトリウムからなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項5】
前記(D)が、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、ホルムアルデヒド、バニリン、ギ酸、グルコース、フルクトース、及び、マルトースからなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項6】
前記(E)が、酢酸、酒石酸、ロッシェル塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、フタル酸、及び、サリチル酸からなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項7】
前記(F)が、トリルトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、1,3,4-チオジアゾール-2,5-ジチオール、2-イソプロピルイミダゾール、及び、2-メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩からなる群のうち1種以上である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項8】
被処理皮膜が物理気相成長により生成された皮膜である、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項9】
被処理皮膜が、鋼又は超硬合金で形成された基材の表面に形成されている、請求項1に記載の皮膜除去剤。
【請求項10】
基材表面の皮膜を除去する皮膜除去方法であって、
(A)臭素酸塩、(B)アルカリ性アルカリ金属塩、アルカリ性アルカリ土類金属塩、及び、水酸化アルカリからなる群のうち1種以上、(C)ハロゲン化物、(D)還元糖、還元性硫黄化合物、及び、アルデヒド類からなる群のうち1種類以上、(E)カルボン酸、及び、(F)アゾール化合物を含有する液体組成物を用いて、ORPを350~800mVに調整して基材表面の皮膜を除去する皮膜除去方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜除去剤及び皮膜除去方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、金型などの金属加工用の工具は、耐摩耗性及び加工性を高めるために、ダイス鋼や超硬合金等の工具鋼基材に、所定の皮膜を設けている。皮膜が摩耗損傷した場合には、皮膜だけを選択的に溶解除去し、再生使用することが行われている。しかしながら、そういった皮膜は耐食性が良好であることから、皮膜除去が困難であり金型を再生するときの障害となっている。
【0003】
皮膜の除去方法としては、まず、物理的に除去する方法が挙げられる。特許文献1では粉体を被処理物に吹きつけることにより皮膜を除去している。しかしながら、このような方法では、基材が損傷を受け、寸法が変化してしまうという問題点がある。
【0004】
別の方法として、電解剥離による皮膜除去方法が挙げられる。特許文献2ではアルカリ性の水溶液中で被処理物を陽極として電解することで皮膜を除去している。この手法では皮膜のみを選択的に除去できるために寸法の変化が無い。しかしながら、電解を行うことによる基材中の金属が溶解することで工具鋼が侵食され、基材の強度低下や工具として使用した際の加工性の悪化が懸念される。また、電解を行うための電源を必要とするために設備投資費が高くなることや、複雑な形状の処理物を処理した場合に、形状に応じた電流密度分布の偏りが生じ、低電流密度の部分で皮膜の残留が生じるという問題点がある。
【0005】
複雑な形状の処理物においても皮膜残留部を生じさせず、皮膜を全面除去する方法としては、化学的皮膜除去剤に浸漬する方法が挙げられる。特許文献3には、硝酸第二セリウムアンモニウムを主成分とした酸性の皮膜除去剤が開示されている。しかしながら、ここで使用される皮膜除去剤は強酸性であるため、電解による皮膜除去法と同様に基材である工具鋼が侵食されるという問題点がある。
【0006】
基材を荒らさずに皮膜を除去する手法として、特許文献4のようなアルカリ性の化学的皮膜除去剤が挙げられる。特許文献4の処理液は処理pHがアルカリであるために基材の侵食が生じない。しかしながら、基材がガラスである皮膜を対象とした処理剤であるため、工具鋼上の皮膜の除去を行った場合、酸化力が強いことから基材である工具鋼から錆が発生してしまうという問題点がある。
【0007】
これらの問題に対し、特許文献5には、臭素酸塩、アルカリ性アルカリ金属塩等、ハロゲン化物、及び、還元糖等を含有する皮膜除去剤を用いて、基材の上に形成された皮膜を、基材の浸食及び基材からの錆の発生を良好に抑制しつつ、皮膜除去剤への浸漬のみで除去する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-200350号公報
特開2001-064800号公報
特開2007-321186号公報
特開1994-024240号公報
特許第6528092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
基材の腐食を良好に抑制しながら基材の上に形成された皮膜を除去することができれば、皮膜を基材に再コーティングして再利用することができるため、生産におけるトータルコストの低減を図ることができる。このような需要は、基材の上に形成する皮膜の開発とともに今後ますます増加することが考えられるが、それに見合った皮膜除去剤の基材の腐食抑制効果については未だ開発の余地がある。
【0010】
本発明は、基材の腐食を良好に抑制しながら基材の上に形成された皮膜を除去することが可能な皮膜除去剤及び皮膜除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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