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公開番号2025011539
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023113717
出願日2023-07-11
発明の名称積層フィルムの製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人いくみ特許事務所
主分類C23C 14/02 20060101AFI20250117BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】基材フィルム上に無機物層を備える積層フィルムであって、基材フィルムにおける無機物層側の表面の清浄性が高く且つ表面粗さが大きな積層フィルムを製造できる、積層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の積層フィルムの製造方法は、チャンバ内の減圧雰囲気下において、基材フィルム10の第1面10aをプラズマ処理するプラズマ処理工程S2と、プラズマ処理工程S2に引き続いて減圧雰囲気下において、第1面10a上に無機物層20を形成する成膜工程S3とを含む。プラズマ処理は、低インダクタンスアンテナに対する高周波電力の印加によって発生する、酸素含有ガスの誘導結合プラズマによる処理である。プラズマ処理工程S2では、プラズマ発光における波長555nm~565nmの範囲での最大発光ピークの強度I1の、波長777nmの発光ピークの強度I2に対する比率を、0.12以下とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する長尺の基材フィルムを用意する用意工程と、
チャンバ内の減圧雰囲気下において、前記基材フィルムの前記第1面をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理工程に引き続いて減圧雰囲気下において、前記第1面上に無機物層を形成する成膜工程とを含む、積層フィルムの製造方法であって、
前記プラズマ処理工程において、
前記プラズマ処理は、低インダクタンスアンテナに対する高周波電力の印加によって発生する、酸素含有ガスの誘導結合プラズマによる処理であり、
プラズマ発光における波長555nm~565nmの範囲での最大発光ピークの強度I

の、波長777nmの発光ピークの強度I

に対する比率を、0.12以下とする、積層フィルムの製造方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記プラズマ処理工程では、前記チャンバ内において、前記基材フィルムに対して接触する温度調節機能付きのローラーにより、前記基材フィルムを冷却または加熱しつつ搬送する、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記低インダクタンスアンテナが、コイル形状または開ループ形状を有する、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記プラズマ処理工程において、前記低インダクタンスアンテナと前記基材フィルムとの間の中間位置でのプラズマ電流密度を1.0mA/cm

以上10mA/cm

以下とする、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記成膜工程において、スパッタリング法、蒸着法または化学気相成長法によって前記無機物層を形成する、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記成膜工程において、前記無機物層として導電層を形成する、請求項1から5のいずれか一つに記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記成膜工程において、前記無機物層として反射防止層を形成し、当該反射防止層は、厚さ方向に積層された複数の透明無機酸化物膜を含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の積層フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス製品の軽量化および高機能化の観点から、有機材と無機材とが複合化された各種の複合化材が開発されている。複合化材としては、例えば、有機材製の基材フィルムと、基材フィルム上の無機物層とを備える積層フィルムが知られている。当該積層フィルムの製造過程では、例えば、基材フィルム上に無機物層が形成される前に、基材フィルムの表面の汚れおよび水分を除去するために同表面がプラズマ処理される。基材フィルム表面からの汚れおよび水分の除去は、同表面に形成される無機物層の、基材フィルムに対する密着性を高めるのに役立つ。基材フィルムに対するプラズマ処理に関する技術については、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-31521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、基材フィルムに対する容量結合方式のプラズマ処理が記載されている。その処理は、所定のプラズマ処理装置によって実施される。当該プラズマ処理装置は、真空槽と、カソード電極と、アノード電極とを備える。カソード電極およびアノード電極は、真空槽内に配置されている。両電極は、互いに間隔を空けて対向する。両電極は、ステンレス等の金属から形成されている。真空槽内にアルゴン含有ガスが供給された状態で、カソード電極とアノード電極との間に高周波電力を印加することにより、電極間において、アルゴンがアルゴンイオンと電子とに電離してアルゴンプラズマが発生する。特許文献1のプラズマ処理では、カソード電極とアノード電極との間にそのようにアルゴンプラズマを発生させた状態で、処理対象物としての基材フィルムを両電極間に通過させる。
【0005】
容量結合方式のプラズマ処理では、具体的には、電極間に発生するバイアス電圧により、アルゴンイオンが、カソード電極に引っ張られて高速で衝突し、当該カソード電極にて跳ね返り、アノード電極上に配置された基材フィルムに衝突する。このようなプラズマ処理は、従来、例えばイオンボンバード処理と呼ばれる。また、容量結合方式のプラズマ処理(イオンボンバード処理)では、電極間に発生するバイアス電圧を高めることにより、プラズマ内のアルゴンイオンの運動エネルギーを高めることができる。基材フィルムに衝突するアルゴンイオンの運動エネルギーが高いほど、基材フィルム表面の汚れおよび水分は除去されやすい。
【0006】
しかし、プラズマ内のアルゴンイオンの運動エネルギーが高すぎる場合、カソード電極に対するアルゴンイオンの衝突時に、カソード電極から金属成分が弾き出される(スパッタリング効果)。その金属成分の少なくとも一部は、基材フィルムの表面に付着する。基材フィルム表面に付着した金属成分は、基材フィルム上に形成される無機物層の同フィルムに対する密着性を、低下させる。
【0007】
また、基材フィルムに対する無機物層の密着性の観点から、基材フィルムにおける無機物層側の表面の表面粗さは大きい方がよい。容量結合方式のプラズマ処理において、基材フィルムの表面粗さを大きくするには、プラズマ内のアルゴンイオンの運動エネルギーを高めることが考えられる。しかし、アルゴンイオンの運動エネルギーが高すぎる場合、上述のように、基材フィルム表面に金属成分が付着する。
【0008】
本発明は、基材フィルム上に無機物層を備える積層フィルムであって、基材フィルムにおける無機物層側の表面の清浄性が高く且つ表面粗さが大きな積層フィルムを製造できる、積層フィルムの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する長尺の基材フィルムを用意する用意工程と、チャンバ内の減圧雰囲気下において、前記基材フィルムの前記第1面をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程に引き続いて減圧雰囲気下において、前記第1面上に無機物層を形成する成膜工程とを含む、積層フィルムの製造方法であって、前記プラズマ処理工程において、前記プラズマ処理は、低インダクタンスアンテナに対する高周波電力の印加によって発生する、酸素含有ガスの誘導結合プラズマによる処理であり、プラズマ発光における波長555nm~565nmの範囲での最大発光ピークの強度I

の、波長777nmの発光ピークの強度I

に対する比率を、0.12以下とする、積層フィルムの製造方法を含む。
【0010】
本発明[2]は、前記プラズマ処理工程では、前記チャンバ内において、前記基材フィルムに対して接触する温度調節機能付きのローラーにより、前記基材フィルムを冷却または加熱しつつ搬送する、上記[1]に記載の積層フィルムの製造方法を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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