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公開番号2025038188
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2024224626,2022531750
出願日2024-12-20,2021-06-10
発明の名称位相差層付偏光板、および、それを用いた画像表示装置
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250311BHJP(光学)
要約【課題】本発明は、薄型でありながら、加熱時のクラック発生が抑制された位相差層付偏光板を提供する。
【解決手段】本発明の位相差層付偏光板100Aは、偏光子11を含む偏光板10と、該偏光板10の一方の側に設けられた位相差層20と、を有し、該偏光板10が、該偏光子11の該位相差層20が設けられた側と反対側に保護層を含まず、該位相差層20が、液晶化合物の配向固化層である。1つの実施形態において、上記偏光子11は、二色性物質を含むPVA系樹脂フィルムで構成され、単体透過率をx%とし、当該PVA系樹脂の複屈折をyとした場合に、下記式(1)を満たす。
y<-0.011x+0.525(1)
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項１】
偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の側に設けられた位相差層と、を有し、
該偏光板が、該偏光子の該位相差層が設けられた側と反対側に保護層を含まず、
該位相差層が、液晶化合物の配向固化層であり、
該偏光子が、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をｘ％とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の複屈折をｙとした場合に、下記式（１）を満たす、位相差層付偏光板。
ｙ＜－０．０１１ｘ＋０．５２５（１）

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、位相差層付偏光板、および、それを用いた画像表示装置に関する。
続きを表示（約 3,000 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス（ＥＬ）表示装置（例えば、有機ＥＬ表示装置、無機ＥＬ表示装置）に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、通常、偏光子と該偏光子を保護する保護層とを含む偏光板および位相差板が用いられている。実用的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている（例えば、特許文献１）。最近、画像表示装置の薄型化への要望が高まるのに伴い、位相差層付偏光板についても薄型化の要望が高まっている。
【０００３】
偏光板を薄型化する方法として、保護層の厚みを薄くすること、および、偏光子の片側のみに保護層を積層することが提案されている。しかしながら、これらの方法では偏光子を十分に保護することができず、耐久性に改善の余地があり、加熱処理により偏光子にクラックが生じやすくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２００１－３４３５２１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、薄型でありながら、加熱時のクラック発生が抑制された位相差層付偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の１つの局面によれば、偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の側に設けられた位相差層と、を有し、該偏光板が、該偏光子の該位相差層が設けられた側と反対側に保護層を含まず、該位相差層が、液晶化合物の配向固化層であり、該偏光子が、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をｘ％とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の複屈折をｙとした場合に、下記式（１）を満たす、位相差層付偏光板が提供される。
ｙ＜－０．０１１ｘ＋０．５２５（１）
本発明の別の局面によれば、偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の側に設けられた位相差層と、を有し、該偏光板が、該偏光子の該位相差層が設けられた側と反対側に保護層を含まず、該位相差層が、液晶化合物の配向固化層であり、該偏光子が、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をｘ％とし、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの面内位相差をｚｎｍとした場合に、下記式（２）を満たす、位相差層付偏光板が提供される。
ｚ＜－６０ｘ＋２８７５（２）
本発明のさらに別の局面によれば、偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の側に設けられた位相差層と、を有し、該偏光板が、該偏光子の該位相差層が設けられた側と反対側に保護層を含まず、該位相差層が、液晶化合物の配向固化層であり、該偏光子が、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をｘ％とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の配向関数をｆとした場合に、下記式（３）を満たす、位相差層付偏光板が提供される。
ｆ＜－０．０１８ｘ＋１．１１（３）
本発明のさらに別の局面によれば、偏光子を含む偏光板と、該偏光板の一方の側に設けられた位相差層と、を有し、該偏光板が、該偏光子の該位相差層が設けられた側と反対側に保護層を含まず、該位相差層が液晶化合物の配向固化層であり、該偏光子の突き刺し強度が３０ｇｆ／μｍ以上である、位相差層付偏光板が提供される。
１つの実施形態において、上記位相差層付偏光板の総厚みは３０μｍ以下である。
１つの実施形態において、上記偏光子の厚みは１０μｍ以下である。
１つの実施形態において、上記偏光子の単体透過率は４０．０％以上であり、かつ、偏光度が９９．０％以上である。
本発明の別の局面においては、上記位相差層付偏光板を含む、画像表示装置が提供される。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）系樹脂の配向状態が制御された偏光子を用いることにより、偏光子の少なくとも片側に保護層が設けられない構成であっても、加熱時のクラックの発生が抑制され得、結果として、極めて薄型でありながら、加熱時のクラック発生が抑制された位相差層付偏光板が得られ得る。また、このような偏光子は、実用上許容可能な光学特性を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
本発明の１つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の１つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の１つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の１つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の位相差層付偏光板に用いられる偏光子の製造方法における加熱ロールを用いた乾燥収縮処理の一例を示す概略図である。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とＰＶＡ系樹脂の複屈折との関係を示す図である。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とＰＶＡ系樹脂フィルムの面内位相差との関係を示す図である。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とＰＶＡ系樹脂の配向関数との関係を示す図である。
【０００９】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、各実施形態は、適宜組み合わせることができる。
【００１０】
（用語および記号の定義）
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
（１）屈折率（ｎｘ、ｎｙ、ｎｚ）
「ｎｘ」は面内の屈折率が最大になる方向（すなわち、遅相軸方向）の屈折率であり、「ｎｙ」は面内で遅相軸と直交する方向（すなわち、進相軸方向）の屈折率であり、「ｎｚ」は厚み方向の屈折率である。
（２）面内位相差（Ｒｅ）
「Ｒｅ（λ）」は、２３℃における波長λｎｍの光で測定した面内位相差である。例えば、「Ｒｅ（５５０）」は、２３℃における波長５５０ｎｍの光で測定した面内位相差である。Ｒｅ（λ）は、層（フィルム）の厚みをｄ（ｎｍ）としたとき、式：Ｒｅ（λ）＝（ｎｘ－ｎｙ）×ｄによって求められる。
（３）厚み方向の位相差（Ｒｔｈ）
「Ｒｔｈ（λ）」は、２３℃における波長λｎｍの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Ｒｔｈ（５５０）」は、２３℃における波長５５０ｎｍの光で測定した厚み方向の位相差である。Ｒｔｈ（λ）は、層（フィルム）の厚みをｄ（ｎｍ）としたとき、式：Ｒｔｈ（λ）＝（ｎｘ－ｎｚ）×ｄによって求められる。
（４）Ｎｚ係数
Ｎｚ係数は、Ｎｚ＝Ｒｔｈ／Ｒｅによって求められる。
（５）角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「４５°」は±４５°を意味する。
（【００１１】以降は省略されています）

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