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公開番号2025063723
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023173144
出願日2023-10-04
発明の名称断熱材
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類F16L 59/04 20060101AFI20250409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】隣接するセルがバーストしても断熱機能が低下しにくい断熱材を提供する。
【解決手段】提供される断熱材は、断熱層と緩衝層とを含む。上記断熱層は、シリカ粒子を含む。上記緩衝層は、無機繊維を主成分とする繊維成形体である。上記断熱材は、第1面および第2面を有するシート形状であって、上記第1面および上記第2面の各々は上記断熱層または上記緩衝層により構成されている。上記断熱材は、上記第1面および上記第2面のいずれを評価対象面とする場合にも、該評価対象面をバーナーで2分間750℃に加熱するバーナー試験において上記評価対象面を構成する層に貫通孔が生じない。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
断熱層と緩衝層とを含む断熱材であって、
前記断熱層はシリカ粒子を含み、
前記緩衝層は、無機繊維を主成分とする繊維成形体であり、
前記断熱材は、第1面および第2面を有するシート形状であって、前記第1面および前記第2面の各々は前記断熱層または前記緩衝層により構成されており、
前記断熱材は、前記第1面および前記第2面のいずれを評価対象面とする場合にも、以下のバーナー試験において合格と評価される耐炎性を有する、断熱材。
[バーナー試験]
バーナーを用いて前記断熱材の評価対象面側を750℃で2分間加熱し、前記評価対象面を構成する層に貫通孔が生じなかった場合に「合格」と評価する。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記断熱材は、前記第1面および前記第2面のいずれか一方が前記断熱層により構成され、他方が前記緩衝層により構成されている、請求項1に記載の断熱材。
【請求項3】
前記断熱材は、前記第1面および前記第2面のいずれを評価対象面とする場合にも、以下のエアブロー試験において合格と評価される耐風圧性を有する、請求項1または2に記載の断熱層。
[エアブロー試験]
前記断熱材の評価対象面側の法線方向に10mmの位置から流量940L/minの空気を直径6mmのノズルから60秒間吹き付け、前記評価対象面を構成する層に貫通孔が生じなかった場合に「合格」と評価する。
【請求項4】
前記断熱層は、前記シリカ粒子としてフュームドシリカを含む、請求項1または2に記載の断熱材。
【請求項5】
前記緩衝層において、前記無機繊維は、アルカリアースシリケート繊維、シリカ-アルミナ系セラミックファイバーおよびアルミナ繊維からなる群から選択される1または2以上の繊維を主成分として含む、請求項1または2に記載の断熱材。
【請求項6】
前記断熱材の初期厚みが5mm以下である、請求項1または2に記載の断熱材。
【請求項7】
前記断熱材は、圧縮応力0.4MPaにおける圧縮変形率が10%以上である、請求項1または2に記載の断熱材。
【請求項8】
樹脂フィルムにより構成された被覆材で覆われている、請求項1または2に記載の断熱材。
【請求項9】
配列された複数のセルを含むバッテリーモジュールまたはバッテリーパックにおいて前記複数のセルのうち隣接するセル同士の間に配置して用いられる、請求項1または2に記載の断熱材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱材に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PEV)、燃料電池車(FCV)等の電動自動車の電源として、リチウムイオンバッテリー等の非水系電解質二次電池の利用が進んでいる。これらの用途における非水系電解質二次電池は、動力源としての高い出力と容量を得るため、通常、複数のバッテリーセル(単電池)を集積して組電池を構成し、該組電池を含むバッテリーモジュールまたはバッテリーパックの形態で使用される。その際、隣接するセル同士を直接接触させず、さらにセル間を断熱するための断熱材を、セル同士の間に配置することがある。例えば特許文献1には、組電池の電池セル間に介在され、シリカ粒子で構成される第1粒子と、チタニア等からなる第2粒子と、有機繊維や無機繊維等の結合材とを含む断熱シートが記載されている。断熱材に関する他の技術文献として特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-34278号公報
国際公開第2023/054411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非水系電解質二次電池のバッテリーモジュールまたはバッテリーパック(以下、まとめて「バッテリーモジュール等」ともいう。)に使用される断熱材には、例えば一部のセルが異常に発熱してしまった場合に、その熱が他のセルに伝播して熱暴走を引き起こすことを防ぐ機能が求められることがある。そのため、上記断熱材は、高い断熱性に加えて高い耐熱性を有することが望ましい。しかし、セルの異常発熱時には、該セルと隣接するセルとの間に配置された断熱材に加わる負荷は、発熱したセルの外面からの伝熱のみとは限らない。例えば、異常発熱したセルが内圧上昇によりバーストを起こすに至った場合、該セルに隣接する断熱材には、上記セルからの噴出ガスによる局所的な風圧や、内容物の噴出や飛散による局所的な高熱が加わり得る。このようなバーストが発生した場合にも断熱機能を適切に維持し得る性能(耐バースト性)を備えた断熱材が提供されれば、バッテリーモジュール等の信頼性向上の観点から有益である。
【0005】
そこで本発明は、仮に隣接するセルがバーストしても断熱機能が低下しにくい断熱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書により提供される断熱材は、断熱層と緩衝層とを含む。上記断熱層は、シリカ粒子を含む。上記緩衝層は、無機繊維を主成分とする繊維成形体である。上記断熱材は、第1面および第2面を有するシート形状であって、上記第1面および上記第2面の各々は上記断熱層または上記緩衝層により構成されている。上記断熱材は、上記第1面および上記第2面のいずれを評価対象面とする場合にも、以下のバーナー試験において合格と評価される耐炎性を有する。
[バーナー試験]
バーナーを用いて上記断熱材の評価対象面側を2分間750℃に加熱し、上記評価対象面を構成する層に貫通孔が生じなかった場合に「合格」と評価する。
【0007】
上記断熱材は、上記断熱層と上記緩衝層とを組み合わせて含むことにより、通常使用時において断熱性と、セルの膨張(例えば、充電に伴う膨張)により発生し得る応力を適切に緩衝可能な圧縮変形性とをバランスよく両立しやすい。また、上記構成によると、上記断熱材に局所的な風圧が加わった場合にも上記緩衝層によって上記断熱層を保護または支持することができ、該断熱層の損傷防止(例えば、貫通孔の発生防止)を通じて断熱材の性能低下を防ぐことができる。また、上記断熱材の第1面および第2面がいずれも上述のバーナー試験に合格するレベルの耐炎性を有するので、局所的な高熱が加わった場合にも断熱材の性能低下を抑えることができる。したがって、上記断熱材は、仮に隣接するセルのバーストにより局所的な風圧や高熱が加わったとしても、その断熱機能を適切に維持し得る性能(耐バースト性)を備えたものとなり得る。
【0008】
いくつかの態様において、上記断熱材は、上記第1面および上記第2面のいずれか一方が上記断熱層により構成され、他方が上記緩衝層により構成されたものであり得る。上記断熱材は、最小の構成で実施する場合、断熱層の数および緩衝層の数をそれぞれ1層のみとすることができるので、断熱材の薄型化に適している。
【0009】
いくつかの好ましい態様において、上記断熱材は、上記第1面および上記第2面のいずれを評価対象面とする場合にも、以下のエアブロー試験において合格と評価される耐風圧性を有する。上記耐炎性に加えて下記耐風圧性を満足する断熱材によると、より良好な耐バースト性が発揮され得る。
[エアブロー試験]
上記断熱材の評価対象面側の法線方向に10mmの位置から流量940L/minの空気を直径6mmのノズルから60秒間吹き付け、上記評価対象面を構成する層に貫通孔が生じなかった場合に「合格」と評価する。
【0010】
いくつかの態様において、上記断熱層は、上記シリカ粒子としてフュームドシリカを含むことが好ましい。ここに開示される断熱材は、フュームドシリカと無機繊維とを含む断熱層を含む態様で好ましく実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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