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公開番号
2025044445
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023152012
出願日
2023-09-20
発明の名称
位相差フィルム、位相差フィルム片、位相差フィルムのセット、またはレンズ部もしくは表示システムの製造方法
出願人
日東電工株式会社
代理人
弁理士法人籾井特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20250326BHJP(光学)
要約
【課題】視認性を向上させながら、VRゴーグルの軽量化を良好に達成し得る位相差フィルム等またはレンズ部もしくは表示システムの製造方法を提供する。
【解決手段】表示システム10が、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子12と、前記表示素子12から出射された光を反射する反射型偏光部材14と、前記表示素子12と前記反射型偏光部材14との間の光路上に配置された第一レンズ部16と、前記表示素子12と前記第一レンズ部16との間に配置されたハーフミラー18と、前記表示素子12と前記ハーフミラー18との間の光路上に配置される第1のλ/4部材20と、前記ハーフミラー18と前記反射型偏光部材14との間の光路上に配置される第2のλ/4部材22と、を備え、所定の面内位相差Re(550)、所定の位相差変化値RSである位相差フィルムを、第一レンズ部16と一体化することを含む、製造方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
ユーザに対して画像を表示する表示システムの製造方法であって、
前記表示システムが、
偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、
前記表示素子の前方に配置され、前記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、
前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、
前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、
前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、
前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、
を備え、
面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が2.0以下である位相差フィルム(ここで、前記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された前記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである)を、前記第2のλ/4部材として、前記第一レンズ部と一体化することを含む、製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記位相差フィルムを2つ準備すること、
一方の前記位相差フィルムを、前記第1のλ/4部材として前記表示素子と一体化すること、および
他方の前記位相差フィルムを、前記第2のλ/4部材として前記第一レンズ部と一体化すること、
を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ユーザに対して画像を表示する表示システムに用いられるレンズ部の製造方法であって、
前記レンズ部が、
画像を表す表示素子の表示面から前方に向けて出射され、偏光部材および第1のλ/4部材を通過した光を反射する反射型偏光部材と、
前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、
前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、
前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、
を備え、
面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が2.0以下である位相差フィルム(ここで、前記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された前記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである)を、前記第2のλ/4部材として、前記第一レンズ部と一体化することを含む、製造方法。
【請求項4】
面内位相差Re(550)が、100nm~190nmであり、
位相差変化値RSの絶対値が、2.0以下であり、
前記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された前記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである、
位相差フィルム。
【請求項5】
面内位相差Re(450)、Re(550)、およびRe(650)が、以下の関係(i)~(iii)を満たす、請求項4に記載の位相差フィルム;
(i)100nm<Re(550)<160nm、
(ii)Re(450)/Re(550)<1.1、
(iii)Re(650)/Re(550)>0.9。
【請求項6】
85℃で500時間の熱処理前後における寸法変化率が、0.02%以下である、請求項4に記載の位相差フィルム。
【請求項7】
85℃で500時間の熱処理前後における面内位相差Re(550)の差の絶対値が、3.5nm以下である、請求項4に記載の位相差フィルム。
【請求項8】
曲面を有する部材と一体化される、請求項4に記載の位相差フィルム。
【請求項9】
前記曲面の曲率半径が、20mm以上である、請求項8に記載の位相差フィルム。
【請求項10】
平面視形状が半径32.5mmであり、曲率半径が75mmである曲面を有する部材と一体化された場合において、中心部の面内位相差Re(550)と前記中心部以外の部分の面内位相差Re(550)との差の絶対値が10nm以下である、請求項4に記載の位相差フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差フィルム、位相差フィルム片、位相差フィルムのセット、またはレンズ部もしくは表示システムの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置においては、画像表示を実現し、画像表示の性能を高めるために、一般的に、偏光部材、位相差部材等の光学部材が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
近年、画像表示装置の新たな用途が開発されている。例えば、Virtual Reality(VR)を実現するためのディスプレイ付きゴーグル(VRゴーグル)が製品化され始めている。VRゴーグルは様々な場面での利用が検討されていることから、その軽量化、視認性の向上等が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-103286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記VRゴーグルの軽量化は、例えば、VRゴーグルに用いられるレンズを薄型化することで達成され得る。一方で、薄型レンズを用いた表示システムに適した光学部材の開発も望まれている。
【0006】
上記に鑑み、本発明は、視認性を向上させながら、VRゴーグルの軽量化を良好に達成し得る位相差フィルム、位相差フィルム片、位相差フィルムのセット、またはレンズ部もしくは表示システムの製造方法の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の1つの局面によれば、ユーザに対して画像を表示する表示システムの製造方法であって、上記表示システムが、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、上記表示素子の前方に配置され、上記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、上記表示素子と上記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、上記表示素子と上記第一レンズ部との間に配置され、上記表示素子から出射された光を透過させ、上記反射型偏光部材で反射された光を上記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、上記表示素子と上記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、上記ハーフミラーと上記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、を備え、面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が2.0以下である位相差フィルム(ここで、上記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである)を、上記第2のλ/4部材として、上記第一レンズ部と一体化することを含む、製造方法が提供される。
[2]上記[1]の製造方法は、上記位相差フィルムを2つ準備すること、一方の上記位相差フィルムを、上記第1のλ/4部材として上記表示素子と一体化すること、および他方の上記位相差フィルムを、上記第2のλ/4部材として上記第一レンズ部と一体化すること、を含んでよい。
[3]本発明の別の局面によれば、ユーザに対して画像を表示する表示システムに用いられるレンズ部の製造方法であって、上記レンズ部が、画像を表す表示素子の表示面から前方に向けて出射され、偏光部材および第1のλ/4部材を通過した光を反射する反射型偏光部材と、上記表示素子と上記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、上記表示素子と上記第一レンズ部との間に配置され、上記表示素子から出射された光を透過させ、上記反射型偏光部材で反射された光を上記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、上記ハーフミラーと上記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、を備え、面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が2.0以下である位相差フィルム(ここで、上記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである)を、上記第2のλ/4部材として、上記第一レンズ部と一体化することを含む、製造方法が提供される。
[4]本発明のさらに別の局面によれば、面内位相差Re(550)が、100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が、2.0以下であり、上記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである、位相差フィルムが提供される。
[5]上記[4]に記載の位相差フィルムは、面内位相差Re(450)、Re(550)、およびRe(650)が、以下の関係(i)~(iii)を満たしてよい;
(i)100nm<Re(550)<160nm、
(ii)Re(450)/Re(550)<1.1、
(iii)Re(650)/Re(550)>0.9。
[6]上記[4]または[5]に記載の位相差フィルムは、85℃で500時間の熱処理前後における寸法変化率が、0.02%以下であってよい。
[7]上記[4]から[6]のいずれかに記載の位相差フィルムは、85℃で500時間の熱処理前後における面内位相差Re(550)の差の絶対値が、3.5nm以下であってよい。
[8]上記[4]から[7]のいずれかに記載の位相差フィルムは、曲面を有する部材と一体化されてよい。
[9]上記[8]に記載の位相差フィルムにおいて、上記曲面の曲率半径が、20mm以上であってよい。
[10]上記[4]から[9]のいずれかに記載の位相差フィルムは、平面視形状が半径32.5mmであり、曲率半径が75mmである曲面を有する部材と一体化された場合において、中心部の面内位相差Re(550)と上記中心部以外の部分の面内位相差Re(550)との差の絶対値が10nm以下であってよい。
[11]上記[4]から[10]のいずれかに記載の位相差フィルムは、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、上記表示素子の前方に配置され、上記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、上記表示素子と上記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、上記表示素子と上記第一レンズ部との間に配置され、上記表示素子から出射された光を透過させ、上記反射型偏光部材で反射された光を上記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、上記表示素子と上記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、上記ハーフミラーと上記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、を備える、表示システムにおいて、上記第2のλ/4部材として、上記第一レンズ部と一体化されて用いられてよい。
[12]本発明のさらに別の局面によれば、曲面を有し、上記曲面の中央部の面内位相差Re(550)と上記中央部以外の部分の面内位相差Re(550)との差の絶対値が10nm以下である、位相差フィルム片が提供される。
[13]本発明のさらに別の局面によれば、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、上記表示素子の前方に配置され、上記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、上記表示素子と上記反射型偏光部材との間の光路上に配置され、主面が曲面を有する第一レンズ部と、上記表示素子と上記第一レンズ部との間に配置され、上記表示素子から出射された光を透過させ、上記反射型偏光部材で反射された光を上記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、上記表示素子と上記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、上記ハーフミラーと上記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、を備え、上記第2のλ/4部材と上記第一レンズ部とが一体化されている、表示システムにおいて、上記第1のλ/4部材を構成するための第1の位相差フィルムと上記第2のλ/4部材を構成するための第2の位相差フィルムとのセットであって、上記第1の位相差フィルムおよび上記第2の位相差フィルムがそれぞれ、面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、位相差変化値RSの絶対値が2.0以下である位相差フィルム(ここで、上記位相差変化値RSは、0kg、0.5kg、1kg、1.5kg、および2kgの張力を付与した状態で測定された上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)の近似直線の傾きである)であり、上記第1の位相差フィルムの面内位相差Re(550)と上記第2の位相差フィルムの面内位相差Re(550)との差の絶対値が、5nm以下である、位相差フィルムのセットが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態による位相差フィルム、位相差フィルム片、位相差フィルムのセット、またはレンズ部もしくは表示システムの製造方法によれば、視認性を向上させながら、VRゴーグルの軽量化を良好に達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
位相差フィルムと曲面を有する部材との一体化方法の一例を説明する概略断面図である。
(a)は位相差フィルムと曲面を有する部材とを一体化させた状態での楕円率の測定方法を説明する概略断面図であり、(b)は、(a)の状態を位相差フィルム側から見た場合の概略図である。
VRゴーグルの表示システムの一例の概略の構成を示す模式図である。
位相差フィルムと曲面を有する部材との一体化品の一例の構成を説明する概略断面図およびその部分拡大断面図である。
位相差フィルムを含む光学積層体の一例の構成を説明する概略断面図である。
厚みのばらつきの測定方法を説明するための図である。
ISC値の測定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、図面については、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
(【0011】以降は省略されています)
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