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公開番号2024164771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080476
出願日2023-05-15
発明の名称モリブデンターゲットおよびその製造方法
出願人株式会社アルバック
代理人個人,個人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20241120BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】パーティクルの発生原因であるポアの生成を抑え、そのサイズと分布を高精度に制御したモリブデンターゲット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 モリブデン粉末の焼結体で形成されたモリブデンターゲットであって、相対密度が99%以上であり、酸素含有量が25ppm以下であり、炭素含有量が30ppm以下であり、タングステン含有量が10ppm~100ppmであり、前記酸素含有量、前記炭素含有量および前記タングステン含有量を除いたモリブデン含有量が99.999質量%以上であり、0.15mm2の観察領域において、0.01μm2以上0.2μm2未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm2以上1.8μm2未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm2以上の大きさのポアが1個以下であるモリブデンターゲット。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
モリブデン粉末の焼結体で形成されたモリブデンターゲットであって、
相対密度が99%以上であり、
酸素含有量が25ppm以下であり、炭素含有量が30ppm以下であり、
タングステン含有量が10ppm~100ppmであり、
前記酸素含有量、前記炭素含有量および前記タングステン含有量を除いたモリブデン含有量が99.999質量%以上であり、
0.15mm
2
の観察領域において、0.01μm
2
以上0.2μm
2
未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm
2
以上1.8μm
2
未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm
2
以上の大きさのポアが1個以下であるモリブデンターゲット。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
円相当径で計算した平均粒径d
Ave
が20μm以上100μm以下であり、
円相当径で計算した粒径の標準偏差3σと平均粒径d
Ave
との比(3σ/d
Ave
)が1.2以下である請求項1記載のモリブデンターゲット。
【請求項3】
粒径dの縦横のアスペクト比が1.2未満である請求項2記載のモリブデンターゲット。
【請求項4】
ビッカース硬度の平均値が180以下であり、
ビッカース硬度の標準偏差3σとビッカース硬度の平均値H
Ave
との比(3σ/H
Ave
)が0.07以下である請求項1~3のいずれか一項記載のモリブデンターゲット。
【請求項5】
レーザー回折・散乱法で得られる平均粒径D
Ave
が2.5~4.0μm、メディアン径D50が2.0~3.5であり、メディアン径D90と前記平均粒径D
Ave
との比(D90/D
Ave
)が1.7以下であり、メディアン径D95と前記平均粒径D
Ave
との比(D95/D
Ave
)が2.0以下であるモリブデン粉末を用い、
1400℃以上1500℃以下の温度でホットプレスし、その後、1500℃以上1600℃以下で熱間等方圧プレス法により焼結するモリブデンターゲットの製造方法。
【請求項6】
前記モリブデン粉末は、タングステン含有量が10ppm~100ppmであり、
酸素含有量、炭素含有量および前記タングステン含有量を除いたモリブデン含有量が99.999質量%以上であるものである請求項5記載のモリブデンターゲットの製造方法。
【請求項7】
前記ホットプレスは、高真空下、保持温度1400~1500℃で保持時間360~600分間の条件で行う請求項5又は6記載のモリブデンターゲットの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モリブデン粉末の焼結体で形成されたモリブデンターゲットおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の製造分野においては、配線材料あるいは電極材料として、耐熱性および低抵抗特性を有するタングステンが広く用いられている。タングステン膜は、一般的にスパッタリング法で形成されている。タングステン膜のスパッタリングは、プラズマ放電により生成されたアルゴンイオンをタングステンターゲットに衝突させることで、ターゲット表面からタングステン原子を叩き出し、ターゲットに対向して配置された基板上にタングステン原子を堆積させる。このとき、ターゲット表面から発生したパーティクルが基板上に付着し歩留りを低下させることがプロセス上の大きな問題として知られている。このため、タングステンターゲットにおいても、パーティクル発生が極めて少なく、結晶粒が微細かつ均一で、相対密度の高いタングステンターゲットが不可欠となっている。
【0003】
しかしながら、高純度のタングステン膜が形成できたとしても、将来的な更なる低抵抗の要求に対応できない懸念がある。それ故に、タングステンに代わる有望な材料を見出すことが必要である。
これに関して、モリブデン膜は十分に低い電気抵抗値を実現できる可能性があるとして注目されているが、スパッタリング時にパーティクルの発生率が高く、それにより、材料歩留まりが低下するという問題があることも知られている。
【0004】
そこで、スパッタリング時のパーティクルを有効に低減することができるモリブデンスパッタリングターゲットとして、モリブデンの含有量が99.99質量%以上であり、相対密度が98%以上であり、平均結晶粒径が400μm以下であるもの、また、モリブデン粉末を準備する工程と、前記モリブデン粉末に対し、1350℃~1500℃の温度で荷重を作用させてホットプレスを行う工程と、前記ホットプレスにより得られる成形体に対し、1300℃~1850℃の温度で熱間等方圧加圧を行う工程とを含むスパッタリングターゲットの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-125041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の手法によっても、モリブデンターゲットから発生するパーティクルの発生が十分に低減できないことがわかった。
特に、モリブデンを用いた配線等の微細化が進むと、モリブデンターゲットから発生するパーティクルが歩留まりに大きく影響を与えることになるので、パーティクルの発生をさらに抑制することが要望されている。
【0007】
そこで、モリブデンターゲットをスパッタリングして成膜する際のパーティクルの要因を研究した結果、上述した製造方法で製造したターゲットは、焼結体の相対密度が100%弱まで達するが、どうしてもポアが存在し、また、その大きさ、分布状態が制御されていないため、パーティクル発生が抑制できず、歩留まり低下の原因となることを知見した。
【0008】
よって、歩留まりを向上させるためには、パーティクルの発生が限りなく少ないモリブデンターゲットが必要であり、そのモリブデンターゲットを得ることができる製造方法が必要となる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、パーティクルの発生原因であるポアの生成を抑え、そのサイズと分布を高精度に制御したモリブデンターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、モリブデン粉末の焼結体で形成されたモリブデンターゲットであって、相対密度が99%以上であり、酸素含有量が25ppm以下であり、炭素含有量が30ppm以下であり、タングステン含有量が10ppm~100ppmであり、前記酸素含有量、前記炭素含有量および前記タングステン含有量を除いたモリブデン含有量が99.999質量%以上であり、0.15mm
2
の観察領域において、0.01μm
2
以上0.2μm
2
未満の大きさのポアが20個以下であり、0.2μm
2
以上1.8μm
2
未満の大きさのポアが5個以下であり、1.8μm
2
以上の大きさのポアが1個以下であるモリブデンターゲットである。
(【0011】以降は省略されています)

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