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公開番号2025006178
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106815
出願日2023-06-29
発明の名称粒子被覆装置および粒子被覆方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 16/44 20060101AFI20250109BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】薄くて膜厚が均一な被膜で被覆された被膜付き粒子を効率よく製造可能な粒子被覆装置および粒子被覆方法を提供すること。
【解決手段】原子層堆積法により被処理粉末の粒子の表面に被膜を形成する粒子被覆装置であって、チャンバーおよび前記チャンバーを開閉する開閉部を有する処理室と、前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、前記処理室内に酸化剤を供給する酸化剤供給部と、前記処理室内を排気する処理室排気部と、前記開閉部を介して前記処理室内に搬入可能であり、前記被処理粉末が層状に敷かれてなる粉末層を保持する複数のトレーと、前記処理室内に配置され、複数の前記トレーが着脱可能な状態で載置される載置部と、を備えることを特徴とする粒子被覆装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
原子層堆積法により被処理粉末の粒子の表面に被膜を形成する粒子被覆装置であって、
チャンバーおよび前記チャンバーを開閉する開閉部を有する処理室と、
前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記処理室内に酸化剤を供給する酸化剤供給部と、
前記処理室内を排気する処理室排気部と、
前記開閉部を介して前記処理室内に搬入可能であり、前記被処理粉末が層状に敷かれてなる粉末層を保持する複数のトレーと、
前記処理室内に配置され、複数の前記トレーが着脱可能な状態で載置される載置部と、
を備えることを特徴とする粒子被覆装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記載置部は、複数の前記トレーが鉛直方向に並んで載置されるように構成されている請求項1に記載の粒子被覆装置。
【請求項3】
前記載置部は、複数の前記トレーが水平方向に並んで載置されるように構成されている請求項1に記載の粒子被覆装置。
【請求項4】
前記処理室外に配置され、前記被処理粉末を収容し、所定の量の前記被処理粉末を供給する粉末供給部と、
前記処理室外に配置され、前記粉末供給部から供給される前記被処理粉末を前記トレーに堆積させ、前記粉末層を形成する粉末層形成部と、
を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子被覆装置。
【請求項5】
前記粉末層形成部は、前記トレーに堆積した前記被処理粉末を均すスキージを有し、
前記スキージは、前記被処理粉末を均すときに前記被処理粉末と接触する稜線を有し、
前記稜線は、前記スキージで均された前記被処理粉末の表面に残される形状が凸条または溝を含む形状となるように構成されている請求項4に記載の粒子被覆装置。
【請求項6】
前記酸化剤は、オゾンであり、
前記粉末層を加熱する処理室加熱部をさらに備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子被覆装置。
【請求項7】
前記酸化剤は、プラズマ酸素であり、
前記酸化剤供給部は、
前記処理室内に酸素ガスを供給する酸素ガス供給部と、
前記酸素ガスを前記プラズマ酸素に変化させるプラズマ発生部と、
を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子被覆装置。
【請求項8】
前記トレーは、貫通孔を有する底板と、底板の一方の面に設けられている枠体と、を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子被覆装置。
【請求項9】
原子層堆積法により被処理粉末の粒子の表面に被膜を形成する粒子被覆方法であって、
前記被処理粉末が層状に敷かれてなる粉末層を保持する複数のトレーを、開閉部を介して処理室内に搬入するステップと、
前記開閉部を閉めた後、前記処理室内で、前記粉末層に対し、原子層堆積法による前記被膜の形成を行うステップと、
前記開閉部を開け、前記被膜が形成された後の前記粉末層を保持する複数の前記トレーを前記処理室内から搬出するステップと、
を有することを特徴とする粒子被覆方法。
【請求項10】
前記被処理粉末は、軟磁性金属材料で構成され、
前記被膜は、絶縁性材料で構成されている請求項9に記載の粒子被覆方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子被覆装置および粒子被覆方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
インダクター等に用いられる磁性粉末では、粒子表面に絶縁処理を施し、粒子間に流れる渦電流を抑制したり、端子間を絶縁したりする必要がある。このため、各種成膜法を用いて、磁性粉末の粒子表面に絶縁被膜を形成する方法が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、化学気相成膜法の一種である原子層堆積法(ALD : Atomic Layer Deposition)により、軟磁性金属粒子の表面に絶縁膜を形成する粒子被覆装置が開示されている。原子層堆積法によれば、膜厚が薄く、かつ、均一な絶縁膜を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-085050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の粒子被覆装置では、軟磁性金属粒子をトレーに入れて被膜を形成するが、均一な膜厚で成膜するためには、トレーに入れる軟磁性金属粒子の量を制限する必要がある。このため、特許文献1に記載の粒子被覆装置には、被膜付き粒子の製造効率を十分に高めることができないという課題がある。また、軟磁性金属粒子をトレーに対してどのように投入するのか、特許文献1には開示がない。一般に、真空チャンバー内に配置されているトレーに軟磁性金属粒子を入れて敷き詰める作業は、難易度が高く、作業効率が低い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適用例に係る粒子被覆装置は、
原子層堆積法により被処理粉末の粒子の表面に被膜を形成する粒子被覆装置であって、
チャンバーおよび前記チャンバーを開閉する開閉部を有する処理室と、
前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記処理室内に酸化剤を供給する酸化剤供給部と、
前記処理室内を排気する処理室排気部と、
前記開閉部を介して前記処理室内に搬入可能であり、前記被処理粉末が層状に敷かれてなる粉末層を保持する複数のトレーと、
前記処理室内に配置され、複数の前記トレーが着脱可能な状態で載置される載置部と、
を備える。
【0007】
本発明の適用例に係る粒子被覆方法は、
原子層堆積法により被処理粉末の粒子の表面に被膜を形成する粒子被覆方法であって、
前記被処理粉末が層状に敷かれてなる粉末層を保持する複数のトレーを、開閉部を介して処理室内に搬入するステップと、
前記開閉部を閉めた後、前記処理室内で、前記粉末層に対し、原子層堆積法による前記被膜の形成を行うステップと、
前記開閉部を開け、前記被膜が形成された後の前記粉末層を保持する複数の前記トレーを前記処理室内から搬出するステップと、
を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る粒子被覆装置が備える粉末層形成ユニットを示す断面図である。
実施形態に係る粒子被覆装置が備える成膜ユニットを示す断面図である。
図1および図2に示す粒子被覆装置により製造される被膜付き粒子の一例を模式的に示す断面図である。
実施形態に係る粒子被覆方法を示す工程図である。
回収ステップにおいてトレーから被膜付き粒子を回収する方法を模式的に示す図である。
第1変形例に係る粒子被覆装置が備える成膜ユニットを示す断面図である。
第2変形例に係る粒子被覆装置が備えるスキージを示す斜視図である。
第3変形例に係る粒子被覆装置が備える成膜ユニットを示す断面図である。
第4変形例に係る粒子被覆装置が備えるトレーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の粒子被覆装置および粒子被覆方法の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
1.粒子被覆装置
まず、実施形態に係る粒子被覆装置について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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