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公開番号
2024165893
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023082471
出願日
2023-05-18
発明の名称
皮膜の形成方法および皮膜が形成された部材
出願人
トーカロ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C23C
22/72 20060101AFI20241121BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】本発明は、硬度が高く、耐凝着性に優れ、かつ靭性に優れる皮膜の形成方法および当該方法により皮膜を形成した部材を提供することを目的とする。
【解決手段】クロムを含有する炭素鋼材からなる基材を、バナジウムを含む溶融塩浴に浸漬することで、前記基材上に、バナジウム炭化物を主成分とし、鉄およびクロムの少なくとも一つを含有する炭化物層を形成する工程と、前記炭化物層に対して窒化処理を行う工程とを含み、前記窒化処理を行う工程は、前記炭化物層中の鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つと窒素とが反応し形成された窒化物を含有する窒化物層を前記炭化物層上に形成する工程である、皮膜の形成方法である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
クロムを含有する炭素鋼材からなる基材を、バナジウムを含む溶融塩浴に浸漬することで、前記基材上に、バナジウム炭化物を主成分とし、鉄およびクロムの少なくとも一つを含有する炭化物層を形成する工程と、
前記炭化物層に対して窒化処理を行う工程とを含み、
前記窒化処理を行う工程は、前記炭化物層中の鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つと窒素とが反応し形成された窒化物を含有する窒化物層を前記炭化物層上に形成する工程である、
皮膜の形成方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記クロムを含有する炭素鋼材は、鉄を75wt%~95wt%含有し、クロムを3wt%~20wt%含有する、請求項1に記載の皮膜の形成方法。
【請求項3】
クロムを含有する炭素鋼材からなる基材と、
前記基材上に形成されたバナジウム炭化物を主成分とする炭化物層と、
前記炭化物層上に形成された鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つの窒化物を含有する窒化物層と、を有し、
前記窒化物層の膜厚は、10nm以上で且つ400nm以下である、部材。
【請求項4】
前記炭化物層の膜厚は、1μm以上で且つ20μm以下である、請求項3に記載の部材。
【請求項5】
前記窒化物層は、鉄を5at%~30at%含有する、請求項3に記載の部材。
【請求項6】
前記窒化物層は、クロムを5at%~30at%含有する、請求項3に記載の部材。
【請求項7】
前記窒化物層は、バナジウムを10at%~60at%含有する、請求項3に記載の部材。
【請求項8】
前記窒化物層は、鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つの窒化物の量が前記炭化物層に近づくにつれて漸減する、請求項3に記載の部材。
【請求項9】
前記窒化物層は、バナジウム炭化物の量が前記炭化物層に近づくにつれて漸増する、請求項3に記載の部材。
【請求項10】
前記部材はプレス金型である、請求項3~9のいずれか1項に記載の部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜の形成方法および皮膜が形成された部材に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
プレス成形に用いる金型(以下、「プレス金型」と記載する)は、被加工材の成型時に、その成型面が被加工材と高荷重で接触し、摺動するため、繰り返し使用していくうちに摩耗が発生する。そのため、プレス金型を長持ちさせるために、成型面には耐摩耗性の高い皮膜を形成することが一般的である。
【0003】
従来のプレス金型の成型面に形成される皮膜としては、溶融した硼砂中に塩化バナジウムを添加し拡散した処理剤浴内に炭素工具鋼被処理材を浸漬し形成したバナジウム炭化物からなる被覆層が挙げられる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭49-118637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、被加工材の高強度化に伴い、プレス時における面圧を高くする要求が増えており、金型への負荷がより一層高まっている。本発明者らが検討したところでは、特許文献1のようなバナジウム炭化物からなる被覆層の場合、高面圧下における耐摩耗性が十分ではなく、プレス時に被覆層と被加工材とが互いに摺動した際に、被覆層表面に凝着が発生し、凝着部分における面圧が更に高くなることで被覆層が剥離するおそれがある。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬度が高く、耐凝着性に優れ、かつ靭性に優れる皮膜の形成方法およびそのような皮膜が形成された部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の皮膜の形成方法は、以下の工程(a)および工程(b)を有することを特徴とする。
(a)クロムを含有する炭素鋼材からなる基材を、バナジウムを含む溶融塩浴に浸漬することで、前記基材上に、バナジウム炭化物を主成分とし、鉄およびクロムの少なくとも一つを含有する炭化物層を形成する工程、
(b)前記炭化物層に対して窒化処理を行う工程。
前記窒化処理を行う工程は、前記炭化物層中の鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つと窒素とが反応し形成された窒化物を含有する窒化物層を前記炭化物層上に形成する工程である。
【0008】
本発明の皮膜の形成方法のより詳細な特徴の例としては、次の(1)が挙げられる。
(1)前記クロムを含有する炭素鋼材は、鉄を75wt%~95wt%含有し、クロムを3wt%~20wt%含有する。
【0009】
本発明の部材は、クロムを含有する炭素鋼材からなる基材と、前記基材上に形成されたバナジウム炭化物を主成分とする炭化物層と、前記炭化物層上に形成された鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つの窒化物を含有する窒化物層と、を有し、前記窒化物層の膜厚は10nm以上で且つ400nm以下とすることを特徴とする。
【0010】
本発明の部材のより詳細な特徴の例としては、次の(2)~(8)が挙げられる。
(2)前記炭化物層の膜厚は、1μm以上で且つ20μm以下である。
(3)前記窒化物層は、鉄を5at%~30at%含有する。
(4)前記窒化物層は、クロムを5at%~30at%含有する。
(5)前記窒化物層は、バナジウムを10at%~60at%含有する。
(6)前記窒化物層は、鉄、クロム、およびバナジウムの少なくとも一つの窒化物の量が前記炭化物層に近づくにつれて漸減する。
(7)前記窒化物層は、バナジウム炭化物の量が前記炭化物層に近づくにつれて漸増する。
(8)前記部材はプレス金型である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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