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公開番号2024158793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074321
出願日2023-04-28
発明の名称前駆体用バブリング容器
出願人大陽日酸株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C23C 16/448 20060101AFI20241031BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】薄膜形成に必要な前駆体を安定的に供給可能な前駆体バブリング容器を提供する。
【解決手段】薄膜形成プロセスに必要な前駆体を供給する前駆体バブリング容器であって、前駆体を収容する収容部と、前記収容部にキャリアガスを導入し、収容部内にある前駆体の中でキャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、前記収容部内で前記前駆体の蒸気を導出する前駆体導出ラインと、前記前駆体導出ライン上に配置される前駆体とキャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、フィルタの閉塞を防止するための構成とを備える、前駆体用バブリング容器。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記前駆体導出ラインの前記収容部内にある先端側には屈曲した屈曲部が設けられており、
前記前駆体導出ラインの先端の導出口から前記屈曲部へ向かう軸線と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部から後端へ向かう軸線とがなすエルボ角Θ

が90°≦Θ

≦120°であり、
前記収容部を上方から見下ろして、前記キャリアガス導入ラインの先端の吹込み口と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部とを結ぶ仮想の直線と、前記前駆体導出ラインの先端の前記導出口から前記屈曲部へ向かう軸線とのなす角Θ

が、前記吹込み口が前記導出口の真反対にあるときを0°としたとき、0°≦Θ

≦±45°である、前駆体用バブリング容器。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、
前記前駆体の液面から前記前駆体導出ラインの先端の導出口までの鉛直方向の距離L(単位:mm)が、xを0.001~30slmのキャリアガス流量(単位:Standard Litter Min)とした場合に計算式:5x+10で与えられる値以上である、前駆体用バブリング容器。
【請求項3】
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、
前記前駆体の液面と前記前駆体導出ラインの先端の導出口との間に、
開口率10~60%の多孔プレートを有する、前駆体用バブリング容器。
【請求項4】
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
次の構成1、2、3のうち2つ以上の構成を有する、前駆体用バブリング容器。
(構成1)
前記前駆体導出ラインの前記収容部内にある先端側には屈曲した屈曲部が設けられており、前記前駆体導出ラインの先端の導出口から前記屈曲部へ向かう軸線と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部から後端へ向かう軸線とがなすエルボ角Θ

が90°≦Θ

≦120°であり、
前記収容部を上方から見下ろして、前記キャリアガス導入ラインの先端の吹込み口と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部とを結ぶ仮想の直線と、前記前駆体導出ラインの先端の前記導出口から前記屈曲部へ向かう軸線とのなす角Θ

が、前記吹込み口が前記導出口の真反対にあるときを0°としたとき、0°≦Θ

≦±45°である。
(構成2)
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、前記前駆体の液面から前記前駆体導出ラインの先端の導出口までの鉛直方向の距離L(単位:mm)が、xを0.001~30slmのキャリアガス流量(単位:Standard Litter Min)とした場合に計算式:5x+10で与えられる値以上である。
(構成3)
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、前記前駆体の液面と前記前駆体導出ラインの先端の導出口との間に、開口率10~60%の多孔プレートを有する。
【請求項5】
前記フィルタの材質が金属あるいは樹脂である、請求項1~4のいずれか一項に記載の前駆体用バブリング容器。
【請求項6】
前記キャリアガス導入ラインの先端に、さらにスパージャーが設置されている、請求項4に記載の前駆体用バブリング容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前駆体用バブリング容器に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
半導体産業では化学気相堆積(CVD)及び原子層堆積(ALD)などによる薄膜形成プロセスにおいて、液体または固体の形態で提供される多様な化学物質(前駆体)を使用している。例えば、前駆体材料としては、バリア層、高誘電率/低誘電率絶縁膜、金属電極膜、相互接続層、強誘電性層、窒化珪素層又は酸化珪素層用の構成成分が挙げられる。また、成膜プロセスに加えて、化合物半導体用のドーパントとして働く構成成分や、エッチング材料が挙げられ得る。例示的な前駆体材料としては、アルミニウム、バリウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、インジウム、イリジウム、鉄、ランタン、鉛、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、白金、ルテニウム、銀、ストロンチウム、タンタル、チタン、タングステン、イットリウム及びジルコニウム等の無機化合物及び有機金属化合物が挙げられる。
【0003】
これらの前駆体の多くは常温で液体または固体である。前駆体が低い蒸気圧を有する場合は、容器から半導体製造装置へ蒸気を運ぶためにキャリアガスがしばしば使用される。キャリアガスが使用される際、典型的には2つのタイプの容器が用いられる。1つ目のタイプは前駆体に沈めたチューブからキャリアガスを導入するバブリング容器であり、2つ目のタイプは容器の気相スペースをキャリアガスが通り抜けるクロスフロー容器である。後者のクロスフロー容器ではプロセスにおいて必要とされる濃度で前駆体を供給できないため、高濃度で供給する場合は前者のバブリング容器が多く使用される。
【0004】
上記のような背景下、従来、バブリングによる供給方法を用いる際、バブリング装置の排出口の間に位置するバッフルディスクによりミストを除去する容器(例えば特許文献1)や容器の蓋を加工して、複雑な流路を通過させることでミストを除去する容器(例えば特許文献2)、容器を細長い円筒形状にして、容器外にフィルタを設置することでミストを除去する容器(例えば特許文献3)、出口ポートの向きを調整することでミストを除去する容器(例えば特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-150709号公報
特表2020-516775号公報
特開2011-194313号公報
特表2020-509239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バブリングによる供給方法を用いると高濃度の前駆体を供給できる一方、バブリングによって発生する気泡がはじける際に大量のミスト(気化していない前駆体)の飛散を伴う。生じたミストが半導体製造装置内に入り込み、ウエハを汚染することによる歩留まりの低下に起因する生産効率の低下や、配管を開放する作業の際に、半導体製造装置までの配管に付着したミスト由来の有害な前駆体を人が吸引する危険性がある。そのため、特許文献3に記載されたような、ミストの混入を防止するためにフィルタを設置する必要がある。
【0007】
また、膜質や成膜速度などを安定させるためには、前駆体の蒸気を一定の濃度、一定の流量で半導体製造装置に供給する必要がある。蒸気の濃度や流量は、前駆体が気化または昇華する容器内の圧力に依存するため、圧力を一定に維持するように制御しなければならない。しかし、バブリングによって発生したミストによるバルブの閉塞やフィルタの目詰まりが発生すると容器内の圧力は上昇し、それに伴いキャリアガスの分圧が減少することから、前駆体の蒸気の濃度の低下を引き起こす。そのため、フィルタを閉塞させないでバブリングによる供給を行う必要がある。
【0008】
従来の技術としては、ミストの半導体装置側への流出を抑制する容器として特許文献1~4に記載されたような先行特許があるが、ミストの流出量を定量的に評価されておらず効果があるか不明確である。
【0009】
本発明は、バブリングによって発生するミストが半導体製造装置側へ流出することを抑制し、かつ導出する前駆体の蒸気の濃度が一定になるように容器内圧力の変動を抑えることができるバブリング容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は以下の構成を備える。
[1]前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記前駆体導出ラインの前記収容部内にある先端側には屈曲した屈曲部が設けられており、
前記前駆体導出ラインの先端の導出口から前記屈曲部へ向かう軸線と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部から後端へ向かう軸線とがなすエルボ角Θ

が90°≦Θ

≦120°であり、
前記収容部を上方から見下ろして、前記キャリアガス導入ラインの先端の吹込み口と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部とを結ぶ仮想の直線と、前記前駆体導出ラインの先端の前記導出口から前記屈曲部へ向かう軸線とのなす角Θ

が、前記吹込み口が前記導出口の真反対にあるときを0°としたとき、0°≦Θ

≦±45°である、前駆体用バブリング容器。
[2]
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、
前記前駆体の液面から前記前駆体導出ラインの先端の導出口までの鉛直方向の距離L(単位:mm)が、xを0.001~30slmのキャリアガス流量(単位:Standard Litter Min)とした場合に計算式:5x+10で与えられる値以上である、前駆体用バブリング容器。
[3]
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、
前記前駆体の液面と前記前駆体導出ラインの先端の導出口との間に、
開口率10~60%の多孔プレートを有する、前駆体用バブリング容器。
[4]
前駆体を収容する収容部と、
外部から前記収容部内にキャリアガスを導入し、前記収容部内にある前記前駆体の中で前記キャリアガスをバブリングさせるキャリアガス導入ラインと、
前記収容部内で発生した前記前駆体の蒸気を外部へ導出する前駆体導出ラインと、
前記前駆体導出ライン上に配置される、前記前駆体の蒸気と前記キャリアガスの混合ガス中に含まれるミスト成分を除去するためのフィルタと、
を有する前駆体用バブリング容器であり、
次の構成1、2、3のうち2つ以上の構成を有する、前駆体用バブリング容器。
(構成1)
前記前駆体導出ラインの前記収容部内にある先端側には屈曲した屈曲部が設けられており、前記前駆体導出ラインの先端の導出口から前記屈曲部へ向かう軸線と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部から後端へ向かう軸線とがなすエルボ角Θ

が90°≦Θ

≦120°であり、
前記収容部を上方から見下ろして、前記キャリアガス導入ラインの先端の吹込み口と、前記前駆体導出ラインの前記屈曲部とを結ぶ仮想の直線と、前記前駆体導出ラインの先端の前記導出口から前記屈曲部へ向かう軸線とのなす角Θ

が、前記吹込み口が前記導出口の真反対にあるときを0°としたとき、0°≦Θ

≦±45°である。
(構成2)
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、前記前駆体の液面から前記前駆体導出ラインの先端の導出口までの鉛直方向の距離L(単位:mm)が、xを0.001~30slmのキャリアガス流量(単位:Standard Litter Min)とした場合に計算式:5x+10で与えられる値以上である。
(構成3)
前記収容部内に液状の前記前駆体が収容されており、前記前駆体の液面と前記前駆体導出ラインの先端の導出口との間に、開口率10~60%の多孔プレートを有する。
[5]
前記フィルタの材質が金属あるいは樹脂である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の前駆体用バブリング容器。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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