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公開番号
2024164726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-27
出願番号
2023080412
出願日
2023-05-15
発明の名称
表面処理金属材の製造方法及び接合体の製造方法
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
C23C
26/00 20060101AFI20241120BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】表面に皮膜を形成する工程の前に複雑な前処理工程や前処理溶液が不要であり、これにより、環境への負荷を低減することができるとともに、低コストで容易に表面処理皮膜を形成することができる表面処理金属材の製造方法を提供する。
【解決手段】金属基材1の表面の少なくとも一部にシラン皮膜が設けられた表面処理金属材を製造する製造方法は、金属基材の表面の少なくとも一部の領域Rに、ブラスト処理用の砥粒2を投射するブラスト処理工程と、ブラスト処理を施した金属基材1の表面に、シラン化合物を含有する金属処理用溶液を被着させる被着工程と、金属処理用溶液を被着させた金属基材1を乾燥させ、シラン皮膜を形成する乾燥工程と、を有する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
金属基材の表面の少なくとも一部にシラン皮膜が設けられた表面処理金属材を製造する製造方法であって、
前記金属基材の表面の少なくとも一部に、ブラスト処理を施すブラスト処理工程と、
前記ブラスト処理を施した前記金属基材の表面に、シラン化合物を含有する金属処理用溶液を被着させる被着工程と、
前記金属処理用溶液を被着させた前記金属基材を乾燥させ、シラン皮膜を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とする表面処理金属材の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記乾燥工程の後に、洗浄工程を実施しないことを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項3】
前記金属処理用溶液は、0.01質量%以上1質量%以下の含有量でシラン化合物を含有し、
前記シラン化合物は、アルキルシリケート又はそのオリゴマーと、有機シラン化合物の加水分解物又はその重合物と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項4】
前記ブラスト処理工程と前記被着工程との間に、
前記ブラスト処理を施した前記金属基材を水洗する水洗工程を有し、
前記ブラスト処理を施した面に、前記水洗工程における水が付着した状態で、前記被着工程を実施することを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項5】
前記ブラスト処理工程の終了後から、前記被着工程を開始するまでの時間を、8時間以内とすることを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項6】
前記金属処理用溶液の全質量に対して、直径が1nm以上である粒子状の無機化合物の含有量が0.05質量%以下である、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項7】
前記被着工程は、
前記金属処理用溶液を前記金属基材に塗布することにより、前記金属基材の表面に前記金属処理用溶液を被着させる塗布工程と、
前記塗布工程により発生した余剰の金属処理用溶液を回収する回収工程と、を有し、
前記余剰の金属処理用溶液を、他の表面処理金属材の製造時における前記被着工程において再利用することを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項8】
前記被着工程は、
前記金属処理用溶液に前記金属基材を浸漬することにより、前記金属基材の表面に前記金属処理用溶液を被着させる浸漬工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項9】
前記シラン皮膜は、その表面に直接、接着剤又は塗料が被着されるものであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の表面処理金属材の製造方法。
【請求項10】
前記表面処理金属材は、前記シラン皮膜の表面に接する機能層を有し、
前記機能層は、前記接着剤又は塗料により形成された接着樹脂層又は塗膜であり、
前記乾燥工程の後に、
前記シラン皮膜の表面に前記機能層を形成する機能層形成工程を有することを特徴とする、請求項9に記載の表面処理金属材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理金属材の製造方法、及び該表面処理金属材を含む接合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車、船舶及び航空機などの輸送機の分野においては、軽量化の観点から、鋼材と軽量素材(アルミニウム合金やチタン合金、炭素繊維など)のような異種材料間の接合技術として、接着接合が使用される。また溶接工の後継者不足や技術伝承、作業環境改善といった現場課題に対し、生産性や作業性向上の観点からも、溶接代替技術として接着接合が注目されている。
【0003】
一方、接着接合は、長期間使用時の強度信頼性に課題があり、高温、高湿環境や疲労又はクリープなどの応力が複合的に作用する環境では、溶接やボルト締めと比較して強度低下が生じやすいことが知られている。接着接合では、接着剤と被着材である金属との密着性が重要であり、金属材料表面と接着剤の密着性が不十分であると、金属と樹脂との界面に水が浸入する。その結果、金属表面の腐食が進行し、両者の界面から剥離が生じるため、接着強度が著しく低下する。そのため、金属と接着樹脂の密着性を高めることで接着界面への水の浸入を予防し、また、万が一水が浸入しても金属表面が容易に状態変化しないように、金属材料の表面を改質し、接着に適した表面状態に調整する必要がある。
【0004】
上記各課題を解決するため、従来から種々の表面処理技術が提案されている。例えば、特許文献1には、Al-Mg系合金またはAl-Mg-Si系合金からなる基材の表面に、シラン化合物を含有する処理液を、所定の塗布量で塗布する塗布工程を有する、アルミニウム表面処理材料の製造方法が提案されている。また、上記アルミニウム表面処理材料の製造方法は、上記塗布工程の後に、処理液を皮膜とするための乾燥工程と、所定の皮膜量及び元素濃度比を有する皮膜を形成するための水洗工程と、を有し、これにより、接着耐久性が優れた皮膜を形成することができる。
【0005】
また、特許文献2には、アルミニウム合金基材の表面の少なくとも一部に、所定の酸化皮膜を形成する酸化皮膜形成工程と、酸化皮膜の少なくとも一部に、特定の水溶液を塗布する表面処理皮膜形成工程と、を備えるアルミニウム合金材の製造方法が提案されている。上記水溶液は、酸化皮膜のケイ酸塩と有機シラン化合物とを含み、pHが調整されている。これにより、接着強度が低下し難く、接着耐久性に優れ、かつ生産性に優れたアルミニウム合金材を製造することができる。
【0006】
さらに、特許文献3には、アルミニウム材の表面に、接着用下地皮膜として、水分散性シリカ、リン酸、及びシランカップリング剤を含むシリカ含有皮膜が形成されたアルミニウム塗装材が開示されている。上記シリカ含有皮膜は、P含有量とSi含有量との質量比が規定されており、これにより、優れた密着強度及び耐食性能を得ることができる。
【0007】
さらにまた、特許文献4には、水性機能化溶液を、調製されたアルミニウム合金製品上にロールコーティングする工程と、これを乾燥させる工程を有する調整方法が開示されている。上記水性機能化溶液は、第1のモノマー構成成分及び第2のポリマー構成成分を含み、各成分の成分量の関係が調整されている。これにより、接合耐久性を向上させることができる。
【0008】
さらにまた、特許文献5には、Mgを含有するアルミニウム合金からなる基板に対して、エッチング量Eが所定の関係を満たすように、酸エッチング処理を施し、この基板に対して化成処理を施して、Mg、Ti及びZrを含有する無機皮膜を形成する、表面処理アルミニウム合金板の製造方法が記載されている。上記特許文献5に記載の製造方法によると、接着耐久性が優れた表面処理アルミニウム合金板を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-197838号公報
特開2017-203209号公報
国際公開第2018/207685号
特開2020-528339号公報
特許第7084957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1~5に記載の技術は、表面処理の前処理工程において、材料表面に付着した油分などの汚れを除去するためのアルカリ水溶液による脱脂処理、酸化被膜を除去するための硫酸やフッ酸、硝酸による酸洗処理が必要である。また、特許文献3~5においては、表面処理の工程においても、フッ酸やリン酸を含む酸性の処理液を使用する。このため、処理設備をステンレスなどの高耐食性金属で設計する必要があり、このような高耐食性金属で処理設備を作製した場合であっても、長期間使用すると、これら薬品に侵されて設備が劣化する。
(【0011】以降は省略されています)
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