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公開番号
2024117883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-30
出願番号
2023023949
出願日
2023-02-20
発明の名称
環境保全資材
出願人
株式会社パルパルス
代理人
個人
主分類
E02D
17/20 20060101AFI20240823BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】軽量化を図り、渦巻筒型構造体の空間層を全範囲にわたって保持でき、外力変形に強い環境保全資材を提供する。
【解決手段】内部空間に流入する土砂礫等を後充填可能とし、内部空間に流入する水を排水可能とする環境保全資材は、菱形金網10aを側面渦巻状として複数巻きに巻回し、巻き始端部に巻回軸方向に沿って中心空間部が形成され、径方向において内周側の網部と外周側の網部の間に渦巻状に所定厚みの渦巻筒状空間層が形成された渦巻筒型構造体10と、中心空間部の内径を保持する中空状の芯部材12と、渦巻筒状空間層内に巻回軸方向および巻回方向にそれぞれ複数配置され、渦巻筒状空間層の内外周面をなす菱形金網10aに当接して渦巻筒状空間層を所定厚みに保持する空間層保持部材14を有し、空間層保持部材14は、線材を螺旋状に複数巻きに巻回した剛性を有する螺旋体からなる環状の環状螺旋体部で構成した。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内部空間に流入する土砂礫等を後充填可能とし、内部空間に流入する水を排水可能とする環境保全資材であって、
幅方向を巻回軸方向として網部材を側面渦巻状として円筒形状に複数巻きに巻回し、巻き始端部に巻回軸方向に沿って所定直径の中心空間部が形成されると共に、径方向において内周側の網部と外周側の網部の間に渦巻状に所定厚みの渦巻筒状空間層が形成された渦巻筒型構造体と、
前記中心空間部内に巻回軸方向に沿って配置され、前記中心空間部の内径を保持する中空状の芯部材と、
前記渦巻筒状空間層内に巻回軸方向および巻回方向にそれぞれ複数配置され、前記渦巻筒状空間層の弧状をなす内周側凸状網部と弧状をなす外周側凹状網部に当接して前記渦巻筒状空間層の所定厚みを保持する空間層保持部材と、
を有し、
前記空間層保持部材は、線材を螺旋状に複数巻きに巻回した剛性を有する螺旋体からなる環状の環状螺旋体部を有することを特徴とする環境保全資材。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の環境保全資材において、
前記複数の空間層保持部材は、前記巻回軸方向に沿って配置する2基の前記空間層保持部材を1組とし、巻回方向に複数組配置することを特徴とする環境保全資材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の環境保全資材において、
前記環状螺旋体部は、前記螺旋体の両端を結合して形成されることを特徴とする環境保全資材。
【請求項4】
請求項1に記載の環境保全資材において、
前記芯部材は、線材を螺旋状に複数巻きに巻回した構成であることを特徴とする環境保全資材。
【請求項5】
請求項1または2に記載の環境保全資材において、
前記網部材は菱形金網であり、前記網部材の巻終端部の内周面に亀甲金網製の底当てシートを配置し、前記底当てシートを構成する亀甲金網の網目が前記網部材を構成する菱形金網の網目よりも小サイズであることを特徴とする環境保全資材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨をはじめとする降水や斜面での表面流によって引き起こされるさまざまな土壌侵食痕の発達を抑止し、植生回復を図る技術に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
雨水等の水の流れによる土壌の浸食を抑止する技術として、特許文献1、2に開示された環境保全資材としての山腹保全資材が提案されている。これらの山腹保全資材は、所定幅の菱形金網を側面渦巻状として円筒形状に巻回したスケルトンタイプの立体構造体(渦巻筒型構造体とする)を有する。スケルトンタイプの渦巻筒型構造体は、径方向で見て、内周側の菱形金網と外周側の菱形金網の間に渦巻状に所定厚みの空間(空間層とする)が形成される。
【0003】
特許文献1の山腹保全資材は、渦巻筒型構造体の空間層を所定の厚み(層厚とする)に保持するため、径方向に鋼線等の線材を螺旋状に巻回したコイルスプリング状のクロスコイルを渦巻筒型構造体の径方向外方から菱形金網に適当間隔で螺入し、各空間層を形成する菱形金網の網目の回りの列線と係合させながら螺進させる。コイルスプリングが長さ方向で、菱形金網と所定間隔で係合することにより、各空間層を保持可能としている。
【0004】
特許文献2の山腹保全資材は、クロスコイルと同様の形状を有するコイルスペーサを空間層に列線の長さ方向に沿って適当間隔に配置し、各空間層を保持可能としている。
【0005】
特許文献1、2に開示の山腹保全資材は、渦巻筒型構造体の軸方向を正面側とすると、正面側を例えば山腹の斜面を流れる水に対して直角に向けて渦巻筒型構造体を斜面に設置する。そして、水と共に流れる石、落葉・落枝等が菱形金網を通り抜け、あるいは菱形金網に捕捉され、やがて空間層内は土砂礫で充填される。
【0006】
空間層内へ流入し充填根拠となる土石礫等は、層内に捕捉されたものと捉える。そして、渦巻筒型構造体設置箇所の上流側においては土砂礫等が堆積し流出抑止が、また下流側では土砂礫の流走による洗堀抑止が期待される。
【0007】
渦巻筒型構造体を構成する菱形金網は、鉄線等の線材を平面V字形状に連続して折り曲げた列線を列方向とし、列方向と直交する行方向に多数本の列線を絡み合わせて連結した構成としている。列線同士の絡み合わせは、隣接する列線のV字部同士を絡ませ、V字部の内面側同士を接触させている。渦巻筒型構造体は、菱形金網の列線の長さ方向を軸方向、行方向を巻回方向として巻回している。
【0008】
菱形金網の特徴として、隣接する列線を互いに離れる方向に引っ張るとV字部同士が係合し、菱形金網が行方向に緊張した状態になる。また、この緊張状態において、V字部同士が係合する連結部を支点とし、列方向に沿った軸線を中心に回転可能となっている。また、隣接する列線を互いに近づく方向に寄せると、列線同士の行方向における連結が解除されて行方向の緊張が無くなる。一方、列方向は、列線の剛性により所定長さ(菱形金網の幅)に保持される。
【0009】
特許文献1、2に開示の環境保全資材である山腹保全資材のクロスコイル、コイルスペーサは、渦巻筒型構造体の菱形金網を緊張保持して空間層の層厚を保持すると共に、流木、転石、落石等から渦巻筒型構造体の変形等を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2021-80686号公報
特開2020-112018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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