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公開番号2024125888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023034008
出願日2023-03-06
発明の名称耐火構造物
出願人日本製鉄株式会社,株式会社竹中工務店
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E04B 5/43 20060101AFI20240911BHJP(建築物)
要約【課題】高温時において、床部にひび割れが生じるのを抑制しつつ、床部のたわみを抑えた耐火構造物を提供する。
【解決手段】耐火構造物1は、コンクリート中に引張力伝達部材が設けられた床部10と、所定の耐火性能を有する複数の耐火性能梁25と、所定の耐火性能を有し、複数の耐火性能梁に接合され、自身の一部及び複数の耐火性能梁全体が構成する環状の耐火環状体48が床部を全周にわたって床部の下方から支持する複数の耐火性能柱45と、所定の耐火性能を有さずに耐火環状体内に配置され、少なくとも一方の端部が複数の耐火性能梁に剛接合部52により接合されて床部を下方から支持する減耐火性能梁50と、を備え、床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向X、第2交差方向Yと規定したときに、引張力伝達部材は、床部の第1交差方向の端部間の引張力、及び、床部の第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリート中に引張力伝達部材が設けられた床部と、
所定の耐火性能を有する複数の耐火性能梁と、
前記所定の耐火性能を有し、前記複数の耐火性能梁に接合され、自身の一部及び前記複数の耐火性能梁全体が構成する環状の耐火環状体が前記床部を全周にわたって前記床部の下方から支持する複数の耐火性能柱と、
前記所定の耐火性能を有さずに前記耐火環状体内に配置され、少なくとも一方の端部が前記複数の耐火性能梁に第1剛接合部により接合されて前記床部を下方から支持する減耐火性能梁と、
を備え、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、
前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する、耐火構造物。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記減耐火性能梁はH形鋼を有し、
前記第1剛接合部は、前記H形鋼と前記複数の耐火性能梁とを接続する溶接部及び高力ボルトの少なくとも一方を有する、請求項1に記載の耐火構造物。
【請求項3】
前記複数の耐火性能梁のうちの1つを、対象耐火性能梁と規定したときに、
前記減耐火性能梁の端部は、前記対象耐火性能梁における、前記対象耐火性能梁の材軸方向の中央部に、前記第1剛接合部により接合されている、請求項1又は2に記載の耐火構造物。
【請求項4】
前記耐火環状体の外部に配置され、少なくとも一方の端部が、前記複数の耐火性能梁のうち、前記減耐火性能梁に接合された前記耐火性能梁に第2剛接合部により接合された梁を備える、請求項1又は2に記載の耐火構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火構造物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、火災時(高温時)でも一定の剛性及び耐力を維持できるように構成された耐火構造物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
耐火構造物のスラブ(床部)は、大梁(耐火性能梁)と、鉄骨小梁(減耐火性能梁)とによって支持されている。大梁は、鉄筋コンクリート製であって、柱間に架け渡されている。鉄骨小梁は、大梁間に架け渡されている。一般的に、鉄骨小梁の端部は、大梁にピン接合されている。
大梁には、スラブの四辺が剛接合されている。鉄骨小梁は、全体が耐火被覆処理されていないH形鋼梁からなる。鉄骨小梁の上フランジに溶接された複数のスタッドによって、鉄骨小梁はスラブと一体化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6864991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、火災時には、鉄骨小梁は、一定の剛性及び耐力を維持できない。このため、火災時には、鉄骨小梁及びスラブは、下方に向かってたわむ。このときに、スラブが有するコンクリートにおける大梁で支持された部分に、ひび割れが生じる虞がある。コンクリートにひび割れが生じると、耐火構造物において、このスラブよりも下方の階(層)で生じた火災が、このスラブのひび割れを通して、このスラブよりも上方の階に延焼する虞がある。
また、火災時であっても、スラブのたわみを一定以下に抑えることが望まれている。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、高温時において、床部のコンクリートにおける耐火性能梁で支持された部分にひび割れが生じるのを抑制しつつ、床部のたわみを抑えた耐火構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、コンクリート中に引張力伝達部材が設けられた床部と、所定の耐火性能を有する複数の耐火性能梁と、前記所定の耐火性能を有し、前記複数の耐火性能梁に接合され、自身の一部及び前記複数の耐火性能梁全体が構成する環状の耐火環状体が前記床部を全周にわたって前記床部の下方から支持する複数の耐火性能柱と、前記所定の耐火性能を有さずに前記耐火環状体内に配置され、少なくとも一方の端部が前記複数の耐火性能梁に第1剛接合部により接合されて前記床部を下方から支持する減耐火性能梁と、を備え、前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する、耐火構造物である。
【0007】
この発明では、常温時には、複数の耐火性能柱の一部及び複数の耐火性能梁全体で構成される耐火環状体、及び減耐火性能梁が、床部を支持する。
一方で、例えば火災時等の高温時には、減耐火性能梁は、一定の剛性及び耐力を維持できない。耐火環状体は、一定の剛性及び耐力を維持でき、床部を全周にわたって床部の下方から支持する。床部中に設けられた引張力伝達部材は、床部のコンクリートにおける第1交差方向の端部間の引張力、及び、第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する。床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるようにたわむ。しかし、メンブレン効果により、床部の周囲が耐火環状体により支持される。そして、床部がたわむことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、高温時における床部のたわみを抑えることができる。
【0008】
そして、減耐火性能梁の少なくとも一方の端部は、複数の耐火性能梁に第1剛接合部により接合されている。発明者等は、鋭意検討の結果、減耐火性能梁の端部が第1剛接合部により接合されている場合には、複数の耐火性能梁にピン接合により接合されている場合に比べて、コンクリートにおける耐火性能梁で支持された部分の近傍が、下方に向かって回転し難いことを見出した。また、この傾向は、常温時だけでなく、高温時にもみられることを見出した。このため、コンクリートにおける耐火性能梁で支持された部分に、ひび割れが生じるのを抑制することができる。
【0009】
(2)本発明の態様2は、前記減耐火性能梁はH形鋼を有し、前記第1剛接合部は、前記H形鋼と前記複数の耐火性能梁とを接続する溶接部及び高力ボルトの少なくとも一方を有する、前記(1)に記載の耐火構造物であってもよい。
この発明では、H形鋼と複数の耐火性能梁とを、第1剛接合部が有する溶接部及び高力ボルトの少なくとも一方で確実に接合することができる。
【0010】
(3)本発明の態様3は、前記複数の耐火性能梁のうちの1つを、対象耐火性能梁と規定したときに、前記減耐火性能梁の端部は、前記対象耐火性能梁における、前記対象耐火性能梁の材軸方向の中央部に、前記第1剛接合部により接合されている、(1)又は(2)に記載の耐火構造物であってもよい。
一般的に、対象耐火性能梁のたわみは、対象耐火性能梁の材軸方向の中央部で最も大きくなる。この発明では、たわみを抑えることができる第1剛接合部を、対象耐火性能梁の材軸方向の中央部に接合することにより、床部におけるたわみが最も大きくなる部分のたわみの大きさを低減させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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