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公開番号2024097158
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-18
出願番号2023000474
出願日2023-01-05
発明の名称採光防音シート
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類E04G 21/32 20060101AFI20240710BHJP(建築物)
要約【課題】人影などの視認性、採光性及び景観調和性のバランスが取れた防音シートの提供。
【解決手段】粗目基材の両面に塩素原子含有樹脂被覆層が設けられてなる、面密度1.0~2.5kg/m2、全光線透過率35~65%の可撓性シートにおいて、粗目基材が空隙率20~45%の織物であって、この織物は、A)経糸条、または緯糸条にマンセル明度1,2,3,4の何れかの糸条を半数以上含み、かつもう一方の方向の糸条のマンセル明度が8または9の糸条で構成される織物A、または、B)経糸条、及び緯糸条がマンセル明度1,2,3,4の何れかの糸条、及びマンセル明度が8または9の糸条の混用で、その混用本数比率が1:1~1:2の規則的交互配置である織物B、の何れかを用いる。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
粗目基材の両面に塩素原子含有樹脂被覆層が設けられてなる、面密度1.0~2.5kg/m

、全光線透過率(JIS K7105)35~65%の可撓性シートであって、前記粗目基材が、経糸条(5~15本/inch)、及び緯糸条(5~15本/inch)との交絡による空隙率20~45%の織物であって、この織物は、A)前記経糸条、または緯糸条がマンセル明度V(JIS Z8721)1,2,3,4の何れかのランクの糸条を半数以上含み、かつもう一方の方向の糸条のマンセル明度V(同上)が8または9のランクの糸条で構成される織物A、または、B)前記経糸条、及び緯糸条がマンセル明度V(同上)1,2,3,4の何れかのランクの糸条、及びマンセル明度V(同上)8または9のランクの糸条の混用で構成され、その混用本数比率が1:1~1:2の規則的交互配置である織物B、の何れかであることを特徴とする採光防音シート。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
マンセル明度V(JIS Z8721)が1,2,3,4の何れかのランクの前記糸条が、原着糸、または先染糸、または着色糸である請求項1に記載の採光防音シート。
【請求項3】
前記着色糸が、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、及び着色剤を主体とする被覆層を有する糸条である請求項2に記載の載の採光防音シート。
【請求項4】
前記塩素原子含有樹脂被覆層が、塩素原子含有率が56.7~73.1質量%の塩素原子含有樹脂、塩素原子含有率29~49質量%の塩化パラフィン、及び可塑剤、を主体として構成されたものである請求項1~3の何れか1項に記載の採光防音シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、視認性に優れた採光防音シートに関する。詳しくは、ビル、マンション、家屋などの建造物の建設や解体の工事現場全域に張囲する安全シート、工場内外の騒音設備の周囲に張囲する目隠しシート、工場の出入り口のシートシャッター、工場内間仕切りシートなどに用いられる採光防音シートに関するもので、特にシート向こう側の人影などの視認性に優れ、景観調和性にも優れた採光防音シートに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ビル、マンションなどの建設、大規模修繕、さらには解体時には、大掛かりな足場を組み、作業の安全目的(労働安全衛生規則:足場等関係)、落下物防止など周囲・通行人の安全目的(建築基準法施行令・労働安全衛生規則)、近隣への粉塵飛散、臭気拡散防止のために、建築養生メッシュシート、建築養生シートなどで建築物全体を張囲する工法が一般的である。この張囲に用いる建築養生メッシュシート(例えば平岡織染株式会社「商標:ターポスクリーン」1類・2類)や、建築養生シート(例えば平岡織染株式会社「商標:ターポキャンバス」1類・2類)には、ポリエステル繊維織物を軟質塩化ビニル樹脂で加工を施した軽量で強靭な防炎規格認定品(消防法施行令)、及びJIS A8952「建築工事用シート」適合品が一般的で、折り畳み自在であることから建築現場での取り扱い性に優れている。特に建築物などの解体工事においては、重機の作動音、解体音が大きく、騒音が連続することが多いため、防音シート、防音パネルなどで建築物全体を張囲する必要がある。この防音シートは建築養生シートの一種で、面密度1~3kg/m

を有し、一般の建築養生シートの数倍の質量の重厚なターポリン(例えば平岡織染株式会社「商標:サウンドシャッター」)である。シートの面密度(1m

当たりの質量)が大きいほど高い音響透過損失(防音性)が得られるので、初期の防音シートでは、鉄粉、酸化鉄などの高比重粉体を多量充填して面密度を高くしたものであったが、シートが過度に重くなることで、現場施工した多数のシートの連結体のハトメ連結部に過大な負荷が掛かり、ハトメ部位が破壊する問題があった。また、汎用の建築養生シートがある程度の採光性を有して開放感があるのに対して、重厚で遮光性の防音性シートで張囲された作業現場は薄暗く閉塞感のある環境としていた。
【0003】
本出願人は以前に採光性を考慮した防音シートとして、粗目織物を用いて、これに高比重無機系充填剤とを含む高比重樹脂層で被覆したメッシュシートを基材として、この表面に可撓性高分子材料(好ましくは難燃剤を含む)による透明性樹脂層を形成してなる面密度0.8~3.5kg/m

のシート(特許文献1)を提案した。この採光防音シートの発明は、高比重樹脂層で被覆したメッシュシート部位で、ある程度の音響透過損失(防音性)を確保し、同時にメッシュシートの空隙部を被覆・充填する透明性樹脂層である程度の採光性を確保するものである。その後の採光防音シートの定番化(例えば平岡織染株式会社「商標:サウンドシャッター」採光)を経て、昨今の建築現場での要望は、防犯、及び安全管理の観点から、張囲の外から作業現場の様子、人影などが確認できるような視認性が付帯された採光防音シートが望まれている。このような工事現場張囲内における工事関係者などの行動や安全状況を外から把握するための視認性向上の要望を満たす建築養生メッシュシートの設計として、本出願人はメッシュシートの表面側の熱可塑性樹脂層をマンセル明度4以下の色相を有する略円弧状断面とすること(特許文献2)を開示し、段落〔0017〕に、マンセル明度4以下の色相として、黒色、黒灰色、黒茶色、黒緑色、黒青色、黒紫色、濃紺色、濃緑色、臙脂色、青色、緑色、赤色、灰色などを例示した。また、明るい屋外からシート越しに薄暗い屋内を覗き込んだ時に屋内環境、及びシート越しの人相識別、物品識別が可能な視認性に優れたシートシャッター用膜材、間仕切り、及びシート構造物用膜材の設計として本出願人は、マンセル明度4以下のメッシュシートを基体として、その表裏面に透明樹脂層を設け、メッシュの貫通孔を面積25mm

~225mm

の透明樹脂鏡面部(ヘイズ値10以下)とし、透明樹脂鏡面部の総和占有率35~75%とすること(特許文献3)を開示し、マンセル明度4以下暗色系として、特許文献2と同じ色を例示した。
【0004】
確かに特許文献2の建築養生メッシュシート、及び特許文献3のシートシャッター用膜材では、メッシュシートの色相をマンセル明度4以下とする視覚効果で、内側の視認性を向上させるものであるが、全体が暗色(黒色)のシート(膜材)の使用を絶対とすることで存在感が出過ぎることで周囲環境との調和が取り難い存在となるのが欠点であった。従って最近では、人影などの視認性を有する採光性防音シートであって、適度な景観調和性があるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-221888号公報
特開2015-004215号公報
特開2018-167498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、人影などの視認性、採光性及び景観調和性のバランスが取れた防音シートの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、特定の要件を満たす織物A(経糸条、または緯糸条に特定のマンセル明度の糸条を用い、もう一方の方向にはそれ以外のマンセル明度の糸条を用いた織物)、または織物B(経糸条、及び緯糸条に特定のマンセル明度の糸条と、それ以外のマンセル明度の糸条を特定比率で混用して用いた織物)の両面に塩素原子含有樹脂被覆層を設けてなる可撓性シートが人影などの視認性、採光性及び景観調和性のバランスが取れ、防音性にも優れていることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の採光防音シートは、粗目基材の両面に塩素原子含有樹脂被覆層が設けられてなる、面密度1.0~2.5kg/m

、全光線透過率(JIS K7105)35~65%の可撓性シートであって、前記粗目基材が、経糸条(5~15本/inch)、及び緯糸条(5~15本/inch)との交絡による空隙率20~45%の織物であって、この織物は、A)前記経糸条、または緯糸条がマンセル明度V(JIS Z8721)1,2,3,4の何れかのランクの糸条を半数以上含み、かつもう一方の方向の糸条のマンセル明度V(同上)が8または9のランクの糸条で構成される織物A、または、B)前記経糸条、及び緯糸条がマンセル明度V(同上)1,2,3,4の何れかのランクの糸条、及びマンセル明度V(同上)8または9のランクの糸条の混用で構成され、その混用本数比率が1:1~1:2の規則的交互配置である織物B、の何れかであることが好ましい。これによって視認性、採光性及び景観調和性のバランスが取れた防音シートを得ることができる。
【0009】
本発明の採光防音シートは、マンセル明度V(JIS Z8721)が1,2,3,4の何れかのランクの前記糸条が、原着糸、または先染糸、または着色糸であることが好ましい。これによって採光防音シートの向こう側の視認性を向上させる。
【0010】
本発明の採光防音シートは、前記着色糸が、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、及び着色剤を主体とする被覆層を有する糸条であることが好ましい。これによって採光防音シートの向こう側の視認性を向上させる。
(【0011】以降は省略されています)

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