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公開番号2024144984
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057194
出願日2023-03-31
発明の名称膜天井構造
出願人三洋工業株式会社
代理人個人
主分類E04B 9/22 20060101AFI20241004BHJP(建築物)
要約【課題】
膜材が大きく揺れたり、膜材にボール等の物体が衝突したりした場合でも、その負荷を逃がして膜材の固定部分に負荷が集中的にかかることがないように構成された膜天井構造を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る膜天井構造は、建物の上部に垂設された吊り部材に膜材を取り付けて天井部を形成する懸垂膜式の膜天井構造であって、前記吊り部材に直接又は間接的に固定される上部支持部材と、膜材を固定可能な下部支持プレートと、前記上部支持部材と下部支持プレートとを可撓性及び/又は可動性をもって連結する連結部材とを有する膜材固定手段を用いて、膜材を前記吊り部材に直接又は間接的に固定することを特徴とする。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
建物の上部に垂設された吊り部材に膜材を取り付けて天井部を形成する懸垂膜式の膜天井構造であって、
前記吊り部材に直接又は間接的に固定される上部支持部材と、
膜材を固定可能な下部支持プレートと、
前記上部支持部材と下部支持プレートとを可撓性及び/又は可動性をもって連結する連結部材と
を有する膜材固定手段を用いて、膜材を前記吊り部材に直接又は間接的に固定する
ことを特徴とする膜天井構造。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記上部支持部材が前記吊り部材に直接固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項3】
前記吊り部材の下端に野縁受け部材が設けられ、前記上部支持部材を前記野縁受け部材に固定することで、前記上部支持部材を前記吊り部材に間接的に固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項4】
前記連結部材がワイヤーから成る
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項5】
前記連結部材が前記上部支持部材及び前記下部支持プレートに可動性をもって取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項6】
前記下部支持プレートが矩形形状の膜材固定プレートと、前記膜材固定プレートに一体的に垂設された連結部材用取付部とを備え、前記膜材固定プレートの四隅に、前記膜材を固定する取付孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項7】
前記下部支持プレートが、放射状に延びる4本の腕部を備えた上面視X字状の膜材固定プレートと、前記膜材固定プレートに一体的に垂設された連結部材用取付部とを備え、前記腕部に、前記膜材を固定する取付孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の膜天井構造。
【請求項8】
前記腕部の長さが、固定された隣接する膜材の間隔が所定の間隔になるよう決められる
ことを特徴とする請求項7に記載の膜天井構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膜材を用いて天井部を形成する膜天井構造の改良に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、体育館、商業施設又はオフィスビル等の様々な建物において、膜材を用いて天井部を形成する膜天井が採用されている。
膜天井は、薄くて柔らかい膜材を用いて天井部を形成するため従来の天井構造に比べて軽量であり、万が一、落下した場合でも室内の人や物に与えるダメージを最小限に留めることができるだけでなく、柔らかい膜材料は室内の意匠性を高め、また、地震等による大きな揺れにも膜材料が変形追従可能であるため、天井脱落の危険性を低くすることができるという効果を奏する。
図10は、従来の膜天井構造の構造を示す図である。図中、符号30は膜材固定手段を示しており、この膜材固定手段30によって、膜材31を、建物の上部構造体32の所定位置に上端部を固着して垂設された吊り部材33に固定する。
前記膜材固定手段30は、前記吊り部材33に固定される吊り部材側接続具34と、前記吊り部材側接続具34に固定された断面コ字状の膜材取付金具35と、両側で膜材31の端部を把持する連結保持部36と、下方から膜材を押える押え部材37と、連結保持部36及び前記押え部材37を、膜材31を把持して抑えた状態で前記膜材取付金具35を介して吊り部材側接続具34に固定するボルト38とから成り、前記膜材固定手段30を介して、吊り部材33に膜材31を固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-124026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の膜天井構造によれば、膜材31の端部を連結保持部36で把持させた状態で、押え部材35で下方から抑えながらボルト38を用いて膜材31を膜材取付金具35に固定するだけで、膜材31を吊り部材33に固定して膜天井を構成することができるので、膜材の取付作業が簡単であり、施工性がよく、その結果、施工コストも安価になり、さらにメンテナンスも容易であるという効果を奏する。
しかしながら、従来の膜天井構造は、膜材固定手段30を構成する吊り部材側接続具34及び膜材取付金具35が吊り部材33に直接堅固に固定されており、前記膜材取付金具35に、膜材31をボルト38で固定するように構成されているため、例えば、地震等によって膜材31が大きく揺れたり、設置施設でバレーボールやフットサル等の球技が行われており、プレイ中にボールが膜材31に衝突したりした場合に、その負荷が膜材31の固定部分に直接かかってしまい、結果として膜材31の固定部分が破壊してしまう可能性があるという問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、膜材31が大きく揺れたり、膜材31にボール等の物体が衝突したりした場合でも、その負荷を逃がして膜材31の固定部分に負荷が集中的にかかることがないように構成された膜天井構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明に係る膜天井構造は、建物の上部に垂設された吊り部材に膜材を取り付けて天井部を形成する懸垂膜式の膜天井構造であって、
前記吊り部材に直接又は間接的に固定される上部支持部材と、
膜材を固定可能な下部支持プレートと、
前記上部支持部材と下部支持プレートとを可撓性及び/又は可動性をもって連結する連結部材と
を有する膜材固定手段を用いて、膜材を前記吊り部材に直接又は間接的に固定する
ことを特徴とする。
前記上部支持部材は、前記吊り部材に直接固定してもよいし、例えば、前記吊り部材の下端に野縁受け部材を設け、前記上部支持部材を前記野縁受け部材に固定することで、前記上部支持部材を前記吊り部材に間接的に固定してもよい。
前記連結部材は、例えば、ワイヤーから成り得る。
また、好ましくは、前記連結部材は、前記上部支持部材及び前記下部支持プレートに、可動性をもって取り付けられ得る。具体的には、例えば、連結部材がワイヤーから成る場合、ワイヤーの上部及び下部を、上部支持部材及び前記下部支持プレートに形成された取付孔に各々通して適当なワイヤー固定器具で固定することで、前記ワイヤーは、上部支持部材及び下部支持プレートに対して可動性を持って取り付けられ得る。
前記下部支持プレートは、例えば、矩形形状の膜材固定プレートと、前記膜材固定プレートに一体的に垂設された連結部材取付部とで構成され得、この場合、前記膜材固定プレートの四隅に、前記膜材を固定するための取付孔が形成され得る。
また、前記下部支持プレートは、例えば、放射状に延びる4本の腕部を備えたX字状の膜材固定プレートと、前記膜材固定プレートに一体的に垂設された連結部材用取付部とで構成され得、前記腕部に、前記膜材を固定するための取付孔が形成され得る。
前記腕部の長さは、固定された隣接する膜材の間隔が所定の間隔になるよう予め決められ得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る膜天井構造は、建物の上部に垂設された吊り部材に膜材を取り付けて天井部を形成する懸垂膜式の膜天井構造であって、前記吊り部材に直接又は間接的に固定される上部支持部材と、膜材を固定可能な下部支持プレートと、前記上部支持部材と下部支持プレートとを可撓性及び/又は可動性をもって連結する連結部材とを有する膜材固定手段を用いて、膜材を前記吊り部材に直接又は間接的に固定するので、膜材は、吊り部材に堅固に固定されることはなく、前記連結部材によって可撓性又は可動性をもって固定されることになる。
これにより、膜材が振動したり、膜材に衝撃が与えられたりした場合でも、前記振動や衝撃による負荷を、前記連結部材の可撓性及び/又は可動性によって逃がすことが可能になり、振動や衝撃による負荷が分散されて、負荷が膜部材の取付部分に集中してしまうことがなくなる。
また、上記した構成により、既存の膜天井構造にも容易に適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の一実施形態に係る膜天井構造を示す図である。
図1における膜材固定手段の拡大図である。
図2において膜材固定手段と膜材とを分解した状態を示す図である。
下部支持プレートの一実施例の概略上面図である。
下部支持プレートの別の実施例の概略上面図である。
従来の膜天井構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に示した一実施例を参照して本発明に係る膜天井構造の実施の形態を説明していく。
図1は、本発明の膜天井構造の一実施例を示す概略図である。図中、符号1は、膜天井を設けるべき建物の構造物の上部構造体を示しており、この上部構造体1の所定の位置に吊り部材2が垂設されている。
前記吊り部材2の下端には、膜天井用の野縁受け3が固定されており、膜材4は、膜材固定手段5によって、前記野縁受け3を介して、吊り部材2に固定されている。
図2は、図1における膜材固定手段5の拡大図を示している。
膜材固定手段5は、野縁受け3に固定される上部支持部材6と、膜材4を固定するための下部支持プレート7と、上部支持部材6及び下部支持プレート7を連結する連結部材8とを備えている。
前記上部支持部材6は、その上部に不図示のボルト等によって野縁受け3に固定される固定部6aが設けられ、前記固定部6aの下方には、前記連結部材8を通すための取付孔6cが形成された取付部6bが設けられている。
前記下部支持プレート7は、図4に示すように、矩形の膜材固定プレート7aと、前記膜材固定プレート7aの幅方向中心に一体に垂設された連結部材用の取付部7bとを備え、前記膜材固定板7aの四隅には、膜材4を固定するための取付孔7cが形成されている。また、連結部材用の取付部7bには、前記連結部材8を通すための取付孔7dが形成されている。
膜材4は、図3に示すように、上記したように構成された下部支持プレート7の膜材固定プレート7aに形成された前記取付孔7cにリベット等の適当な固定手段9を用いて固定される。
前記連結部材8は、特に図2に示すように、金属製ワイヤーから成り、その上部は、上部支持部材6の取付孔6cに通された後にワイヤークリップやカシメスリーブ等の適当なワイヤー固定器具8aを用いて堅固に固定され、その下部は、前記下部支持プレート7の取付孔7cに通された後にワイヤークリップやカシメスリーブ等の適当なワイヤー固定器具8bを用いて堅固に固定される。
【0009】
上記したように構成された本発明に係る膜天井構造によれば、野縁受け3に固定された上部支持部材6と、膜材4が固定された下部支持プレート7とが、ワイヤーから成る連結部材8を介して連結されており、上部支持部材6及び下部支持プレート7に対する前記連結部材8の取付が、それぞれ取付孔6c及び7cにワイヤーを通した後にワイヤー固定器具8a及び8bを用いて固定することによってなされているため、連結部材8自身の可撓性に加えて、連結部材8の上部支持部材6及び下部支持プレート7に対する取付部分の可動性によって、膜材4が野縁受け3、ひいては吊り部材2に対して、可撓性及び可動性をもって固定されることになる。
従って、地震等によって膜材4が大きく強く揺れたり、ボール等が当てられることで膜材4に強い衝撃を与えたりした場合でも、前記連結部材8の可撓性及び連結部材8の上部支持部材6及び下部支持プレート7に対する可動性によって前記振動又は衝撃による負荷が分散されて、膜材4の固定部分に集中することがなくなり、結果として、振動や衝撃に強い膜天井構造を提供することが可能になる。
【0010】
上記した実施例では、膜材固定手段5は、野縁受け3を介して吊り部材2に固定されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、膜材固定手段5を吊り部材2に直接固定してもよい。
また、上記した実施例では、連結部材8をワイヤーで構成し、かつ、ワイヤーの両端を上部支持部材6及び下部支持プレート7の取付孔6c及び7dに通してワイヤー固定器具8a及び8bを用いて固定することで、吊り部材2に固定された上部支持部材6と、膜材4を固定した下部支持プレート7とを可撓性及び可動性をもって連結するように構成されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、膜材4が吊り部材2に可撓性及び/又は可動性を持って連結するように構成されていれば任意の構成でよく、連結部材8を、その両端に取付フック又は取付孔が設けられた金属棒又は金属板で構成し、連結部材8自体は可撓性を有しないが、連結部材8が上部支持部材6及び下部支持プレート7に可動性をもって取り付けられるように構成してもよく、また、連結部材8を、可撓性を有するワイヤーで構成し、前記ワイヤーの両端に例えば、取付孔を備えた取付金具を設けて、上部支持部材6及び下部支持プレート7にボルト等で堅固に、即ち、可動性をもたないように取り付けるように構成してもよい。
さらに、上記した実施例では、下部支持プレート7を矩形の膜材固定プレート7aで構成しているが、この構成は本実施例に限定されることなく、少なくとも連結部材8が連結可能な取付部を有し、かつ、膜材4を固定するための取付孔を有する構成であれば任意の構成でよい。
図5は、下部支持プレートの別の実施例を示す上面図である。図中符号10は、下部支持プレートを示しており、この下部支持プレート10は、放射状に延びる4本の腕部10aを備えた上面視X字状の膜材固定プレート10bと、該膜材固定プレート10bに一体に垂設された連結部材用の取付部10cとを備え、各腕部10aには、膜材4を固定するための取付孔10dが形成されている。また、連結部材用の取付部10cには、前記連結部材を通すための取付孔10eが形成されている。
前記腕部10aの長さは、固定された隣接する膜材4の間隔Hが、所定の間隔、具体的には、例えば、設置された建物内でプレイされる球技で使用するボール(バレーボールやサッカーボール等)が、隣接する膜材4間を通過しないように、前記ボールの直径よりも小さくなるように決められ得る。
【符号の説明】
(【0011】以降は省略されています)

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