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公開番号2024117329
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023367
出願日2023-02-17
発明の名称彩色遮熱シート
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類E04H 15/54 20060101AFI20240822BHJP(建築物)
要約【課題】テント膜構造物用の遮熱シートの彩色の自在性付与、耐用年数の延長であり、すなわち彩色自在で、耐候性(紫外線劣化軽減)にも優れた遮熱シートを提供すること、彩色遮熱テント膜の耐用年数の延長によって、膜構造物の張替交換(廃棄頻度)を減らし、新たなテント膜材を製造するための原料となる石化資源の使用量削減に繋げ、地球環境保全に貢献すること。
【解決手段】彩色遮熱シートの断面を「防汚層/熱可塑性樹脂層/布帛/熱可塑性樹脂層」の構成として、熱可塑性樹脂層に、近赤外線反射性金属酸化物(白色系金属酸化物、赤色系金属酸化物、青色系金属酸化物、黄色系金属酸化物、及び黒色系金属酸化物)、及び顔料を含み、これらによって着色されたものとし、さらに防汚層が、ケト/エノール型互変異性体、及びN-OR型ヒンダードアミン化合物を含むものとする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シート断面が「防汚層/熱可塑性樹脂層/布帛/熱可塑性樹脂層」の構成からなるテント膜構造物用シートであって、前記熱可塑性樹脂層が、近赤外線反射性金属酸化物、及び顔料を含み、これらによって着色されていて、前記近赤外線反射性金属酸化物が、1)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモンから選ばれた1以上の白色系金属酸化物、2)亜鉛-鉄-クロム複合酸化物、亜鉛-鉄-クロム-アルミニウム複合酸化物から選ばれた1以上の赤色系金属酸化物、3)コバルト-アルミニウム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-クロム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-マグネシウム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-亜鉛複合酸化物、コバルト-錫複合酸化物、コバルト-ニッケル-亜鉛複合酸化物、コバルト-ニッケル-チタン-亜鉛複合酸化物、コバルト-亜鉛-マグネシウム複合酸化物、コバルト-亜鉛-クロム-チタン複合酸化物、コバルト-亜鉛-ニッケル-チタン複合酸化物から選ばれた1以上の青色系金属酸化物、4)ビスマス-バナジウム-アルミニウム複合酸化物、ニッケル-バリウム-チタン複合酸化物、ニッケル-チタン複合酸化物、ニッケル-アンチモン-チタン複合酸化物、クロム-アンチモン-チタン複合酸化物、鉛-アンチモン-チタン複合酸化物から選ばれた1以上の黄色系金属酸化物、5)鉄-クロム複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、鉄-クロム-コバルト-マンガン複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マグネシウム複合酸化物、銅-クロム-マンガン複合酸化物、銅-ビスマス複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物から選ばれた1以上の黒色系金属酸化物であることを特徴とする彩色遮熱シート。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記赤色系金属酸化物と、前記顔料として、アゾレーキレッド、モノアゾレッド(Ca系、またはBa系)、縮合アゾレッド、(ジメチル)キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンレッド、アントラキノニルレッド、及びキナクリドンバイオレット、から選ばれた1種以上の赤色系顔料との併用による朱色、赤色、赤紫色の何れかである請求項1に記載の彩色遮熱シート。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記青色系金属酸化物と、前記顔料として、フタロシアニンブルー(α型、またはβ型)、アントラキノンブルー、コバルトブルー、群青、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレット、インダンスレンブルー、インジゴブルー、ペリレンブルー、及びフタロシアニングリーン、から選ばれた1種以上の青色系顔料との併用による緑色、青緑色、青色、青紫色の何れかである請求項1に記載の彩色遮熱シート。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記黄色系金属酸化物と、前記顔料として、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、ニッケルアゾイエロー、イソインドリンイエロー、イソインドリノンイエロー、ナフトールイエロー、キノフタロンイエロー、及び酸化鉄、から選ばれた1種以上の黄色系顔料との併用による橙色、黄色、黄銅色、黄緑色の何れかである請求項1に記載の彩色遮熱シート。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記黒色系金属酸化物と、前記顔料として、カーボンブラック、アニリンブラック、カーボングラファイト、及び酸窒化チタン、から選ばれた1種以上の黒色系顔料との併用による黒色である請求項1に記載の彩色遮熱シート。
【請求項6】
前記防汚層が、ケト/エノール型互変異性体、及びN-OR型ヒンダードアミン化合物を含む請求項1~5の何れか1項に記載の彩色遮熱シート。
【請求項7】
前記ケト/エノール型互変異性体が、ベンゾトリアゾール系互変異性体、トリアジン系互変異性体、及びジフェニルケトン系系互変異性体、から選ばれた1種以上のエネルギー変換物質である請求項6に記載の彩色遮熱シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、長期間の使用に耐えるテント膜構造物用の遮熱シート、すなわちテント膜構造物用として使用する彩色自在、かつ耐用年数の延長された遮熱シートに関し、具体的には、経年日射による変色・劣化の抑止によって耐用年数が延長された彩色自在な遮熱シートに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
密閉型のテント膜構造物は、インドアスポーツ(テニス、フットサル、ボルダリングなど)、イベントホール、パビリオン、巡業サーカステント、映像投影ドーム、グランピングなど娯楽(人間)を主体とするカラフルな仕様と、テント倉庫のように、工場資材の保管・備蓄、製品の物流(物品)を主体とする白、アイボリー、シルバー、ダークグリーンなどの落ち着いた定番色仕様とがある。いずれもポリエステル繊維織物などの合成繊維織物を基材として、その両面に軟質塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けて被覆したターポリン、または防水帆布などが使用されている。密閉型のテント膜構造物とは、出入口扉、開閉窓を有し、これらを閉じることで密閉空間を成すもので、一方、オープン型は、屋根構造を主体とする吹き抜け構造物で、具体的には、公園、テーマパークの日除けモニュメント、ビル間スペースに設けられるガーデンテラス屋根、パーゴラシェードなどである。密閉型のテント膜構造物は人や物品を風雨、日射から守る反面、採光性を得るための光半透過性仕様とするため、夏期の日射熱が内部にこもり温室状態となる欠点がある。一方、オープン型では風通しのよい反面、人や物品を風雨から守ることには不適切である。特に密閉型のテント膜構造物において、娯楽(人間)を主体とするものでは空調設備、冷暖房設備を完備するが、物流(物品)を主体とするテント倉庫にはこのような設備を装備するケースは少ない。しかしながらテント倉庫内は夏期の熱気がこもり過酷な環境となるため、工場資材の保管・備蓄を管理・入出庫する従事者にとって、扇風機、スポットクーラーなどの熱中症対策は不可欠となっている。
【0003】
このようなテント倉庫内の熱気を下げるためには、テント膜(ターポリン、防水帆布)の色を白、シルバーなどの反射色とすることが効果的で、特に酸化チタン白顔料は屈折率が高いことで光散乱力が大きく、それによって高い日射反射率(遮熱率)が得られることが知られている。しかし、光散乱力が大きい程、隠蔽性が高くなり、テント膜の採光性が阻害されるためテント倉庫内は日中も照明が必要な環境となっていた。このジレンマに対して当出願人は、遮熱効果と採光性とを兼ね備えたテント(倉庫用)膜材として、膜材の熱可塑性樹脂被覆層に、屈折率1.8以上、粒子径分布0.3~3.0μm、アスペクト比1.0~3.0の不定形無機化合物粒子(酸化チタン)を0.3~30質量%の含有量で含ませてなる膜材(特許文献1)を提案した。この実施例の膜材では38~65%の遮熱率、及び光線透過率4~45%の採光性を得ることができ、夏期の空調電力、及び通年の照明電力節減効果が期待できるものとなっている。しかし、この発明では白系、あるいはパステル調(酸化チタンベースの着色)の彩色に限定され、赤、青、黄、緑、などの純色での彩色が出来ず、しかも光線透過率4~45%の採光性の代償として、光線線透過による紫外線ダメージを受けることで、テント膜(熱可塑性樹脂被覆層)が変色したり、表面に亀裂を生じて膜材の耐用年数を短くする欠点を有していた。昨今の持続可能な省エネ社会構築の1つとして長期的使用が可能な遮熱性テント膜構造物が望まれている。これは遮熱テント膜材の耐用年数を数年延ばすことにより十分な遮熱効果を享受すると同時に、テント膜材の張替サイクルを長くすることで、テント膜材を製造するための合成繊維織物、及び熱可塑性樹脂などの原料となる石化資源の消費が減って、さらには二酸化炭素排出の削減にも繋がるからであり、テント膜構造物の広い普及のためには彩色の自在性が不可欠となっている。
【0004】
具体的に、軟質塩化ビニル系樹脂製のテント(倉庫用)膜材の耐用年数を向上させる手段として、本出願人は、軟質塩化ビニル系樹脂層に紫外線吸収剤を配合する方法(特許文献2)、遮熱性複合体シートの表面に高分子量紫外線吸収剤を配合した塗膜層を設ける方法(特許文献3)、遮熱効果を低下させる煤塵汚れの蓄積を長期間防止し、採光性、遮熱性、汚れ除去性に優れた屋外用膜材として、光触媒性最外層を有する採光性遮熱膜材(特許文献4)を提案している。これらは何れも有用な作用効果をもたらすものであるが、昨今のSDGsの取り組みの流れとして、より長期的に使用可能なテント膜構造物が望まれている。従ってテント膜構造物に用いる遮熱シートの耐用年数が延長されること、すなわち遮熱シートが継続安定的に遮熱効果を発現し、かつ彩色が自在であると同時に、退色・変色が僅少であることが不可欠となっている。本出願人は、近赤外線反射性金属複合酸化物(赤色系、青色系、黄色系、及び黒色系)を遮熱性付与物質、兼、顔料とする天然繊維調の遮熱性日除け膜材(特許文献5)を提案したが、近赤外線反射性金属複合酸化物は明度、または彩度の低い色彩発色が多く、目的に叶った色彩表現が困難で、特に鮮明な赤色、鮮明な青色、鮮明な黄色、鮮明な黒色などの純色による遮熱シートは存在していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-055177号公報
特開昭59-41249号公報
特開2001-225423号公報
特開2003-251728号公報
特開2015-083725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明における解決課題は、テント膜構造物用の遮熱シートの彩色の自在性付与、耐用年数の延長であり、すなわち彩色自在で、耐候性(紫外線劣化軽減)にも優れた遮熱シートの提供であり、また、また本発明における目的は、テント膜構造物全般に用いる彩色自在な遮熱シートの耐用年数の延長によって、膜構造物の張替交換(廃棄頻度)を減らし、新たなテント膜材を製造するための原料となる石化資源使用の削減に繋げ、地球環境保全に貢献することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる点を考慮し検討を重ねた結果、シート断面が「防汚層/熱可塑性樹脂層/布帛/熱可塑性樹脂層」の構成からなるテント膜構造物用シートにおいて、熱可塑性樹脂層が、近赤外線反射性金属酸化物、及び顔料を含むこと、さらに防汚層にケト/エノール型互変異性体、及びN-OR型ヒンダードアミン化合物を含むことよって、彩色自在で、耐候性(紫外線劣化軽減)にも優れ、耐用年数が延長された遮熱シートが得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の彩色遮熱シートは、シート断面が「防汚層/熱可塑性樹脂層/布帛/熱可塑性樹脂層」の構成からなるテント膜構造物用シートであって、前記熱可塑性樹脂層が、近赤外線反射性金属酸化物、及び顔料を含み、これらによって着色されていて、前記近赤外線反射性金属酸化物が、1)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモンから選ばれた1以上の白色系金属酸化物、2)亜鉛-鉄-クロム複合酸化物、亜鉛-鉄-クロム-アルミニウム複合酸化物から選ばれた1以上の赤色系金属酸化物、3)コバルト-アルミニウム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-クロム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-マグネシウム複合酸化物、コバルト-アルミニウム-亜鉛複合酸化物、コバルト-錫複合酸化物、コバルト-ニッケル-亜鉛複合酸化物、コバルト-ニッケル-チタン-亜鉛複合酸化物、コバルト-亜鉛-マグネシウム複合酸化物、コバルト-亜鉛-クロム-チタン複合酸化物、コバルト-亜鉛-ニッケル-チタン複合酸化物から選ばれた1以上の青色系金属酸化物、4)ビスマス-バナジウム-アルミニウム複合酸化物、ニッケル-バリウム-チタン複合酸化物、ニッケル-チタン複合酸化物、ニッケル-アンチモン-チタン複合酸化物、クロム-アンチモン-チタン複合酸化物、鉛-アンチモン-チタン複合酸化物から選ばれた1以上の黄色系金属酸化物、5)鉄-クロム複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、鉄-クロム-コバルト-マンガン複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マグネシウム複合酸化物、銅-クロム-マンガン複合酸化物、銅-ビスマス複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物から選ばれた1以上の黒色系金属酸化物であることが好ましい。これによって熱可塑性樹脂層が近赤外線反射性金属酸化物によって彩色されると同時に、近赤外線反射性金属酸化物による遮熱効果の発現が得られる。特に顔料との併用(近赤外線反射性金属酸化物と顔料の質量比が10:10~10:1)によって彩色が自在で、近赤外線反射性金属酸化物が耐候性(紫外線劣化軽減)にも優れることによって、耐用年数が延長された遮熱シートを得ることができる。
【0009】
本発明の彩色遮熱シートは、前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記赤色系金属酸化物と、前記顔料として、アゾレーキレッド、モノアゾレッド(Ca系、またはBa系)、縮合アゾレッド、(ジメチル)キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンレッド、アントラキノニルレッド、及びキナクリドンバイオレット、から選ばれた1種以上の赤色系顔料との併用(赤色系金属酸化物と顔料の質量比が10:10~10:1)による朱色、赤色、赤紫色の何れかであることが好ましい。この併用によって熱可塑性樹脂層が、鮮明な任意の赤系に彩色されると同時に遮熱効果を発現する。
【0010】
本発明の彩色遮熱シートは、前記熱可塑性樹脂層の着色が、前記青色系金属酸化物と、前記顔料として、フタロシアニンブルー(α型、またはβ型)、アントラキノンブルー、コバルトブルー、群青、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレット、インダンスレンブルー、インジゴブルー、ペリレンブルー、及びフタロシアニングリーン、から選ばれた1種以上の青色系顔料との併用(青色系金属酸化物と顔料の質量比が10:10~10:1)による緑色、青緑色、青色、青紫色の何れかであることが好ましい。この併用によって熱可塑性樹脂層が、鮮明な任意の青系に彩色されると同時に遮熱効果を発現する。
(【0011】以降は省略されています)

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