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公開番号2024084373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198611
出願日2022-12-13
発明の名称電気炉の精錬方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C21C 5/52 20060101AFI20240618BHJP(鉄冶金)
要約【課題】コストがかからず、かつ安定して溶鉄中の窒素濃度を低下できる電気炉の精錬方法を提供する。
【解決手段】ランスから溶鉄面へ酸素ガスを供給して脱窒処理を行う電気炉の精錬方法であって、静止状態の前記溶鉄面での前記酸素ガスの鉛直方向の流速を50m/s以上とし、かつ下記(1)前記溶鉄中の炭素濃度を0.01質量%以上、および(2)さらに炭材を供給し、前記供給する炭材中の炭素と前記酸素ガスとの供給量のモル比C/Oを0.2以上、の中の少なくとも何れかを満たす条件で脱窒処理を行う。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ランスから溶鉄面へ酸素ガスを供給して脱窒処理を行う電気炉の精錬方法であって、
静止状態の前記溶鉄面での前記酸素ガスの鉛直方向の流速を50m/s以上とし、かつ下記(1)および(2)の中の少なくとも何れかを満たす条件で脱窒処理を行うことを特徴とする電気炉の精錬方法。
(1)前記溶鉄中の炭素濃度を0.01質量%以上、
(2)さらに炭材を供給し、前記供給する炭材中の炭素と前記酸素ガスとの供給量のモル比C/Oを0.2以上。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記ランスの先端から静止状態の溶鉄面までのランス中心軸方向の直線距離(m)をx、静止状態の溶鉄面からの前記ランスの角度(°)をθ、前記ランスの先端のノズルの出口径(m)をdとした場合に、θ>20°かつx/d<50を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電気炉の精錬方法。
【請求項3】
前記ランスの先端での流速から減少する前に前記酸素ガスを静止状態の前記溶鉄面へ供給することにより脱窒処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電気炉の精錬方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、COガスを発生させて溶鉄中の窒素を除去する電気炉の精錬方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年は環境を考慮して電気炉を用いた操業が注目されているが、溶鋼を製造する際に、電気炉を用いた操業では溶鉄が大気にさらされやすいことから、高炉および転炉を用いた操業に比べて溶鉄中の窒素濃度は高くなる傾向がある。そこで、電気炉を用いて低窒素鋼を製造するために様々な技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、二重殻型電気炉を用いてシール性を高めて雰囲気からの吸窒を抑制する低窒素鋼の溶製方法が開示されている。また、特許文献2には、アーク炉操業において、送酸速度(酸素流量)、送酸時間および原料溶解終了時の溶鉄に含まれる炭素重量から炭素添加量を算出して脱窒処理を行う低窒素溶鋼の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2022-500556号公報
特開平10-121123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、特殊な設備が必要であることから設備コストが多くかかってしまう。また、特許文献2に記載の方法は、酸素の吹き付けを行う際に、送酸速度(酸素流量)に着目しているが、酸素の吹き付けに関するその他の処理条件が詳細に記載されていないため、脱窒効果にばらつきが生じやすい。
【0006】
本発明は前述の問題点を鑑み、コストがかからず、かつ安定して溶鉄中の窒素濃度を低下できる電気炉の精錬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のとおりである。
[1]
ランスから溶鉄面へ酸素ガスを供給して脱窒処理を行う電気炉の精錬方法であって、
静止状態の前記溶鉄面での前記酸素ガスの鉛直方向の流速を50m/s以上とし、かつ下記(1)および(2)の中の少なくとも何れかを満たす条件で脱窒処理を行うことを特徴とする電気炉の精錬方法。
(1)前記溶鉄中の炭素濃度を0.01質量%以上、
(2)さらに炭材を供給し、前記供給する炭材中の炭素と前記酸素ガスとの供給量のモル比C/Oを0.2以上。
[2]
前記ランスの先端から静止状態の溶鉄面までのランス中心軸方向の直線距離(m)をx、静止状態の溶鉄面からの前記ランスの角度(°)をθ、前記ランスの先端のノズルの出口径(m)をdとした場合に、θ>20°かつx/d<50を満たすことを特徴とする上記[1]に記載の電気炉の精錬方法。
[3]
前記ランスの先端での流速から減少する前に前記酸素ガス静止状態の前記溶鉄面へ供給することにより脱窒処理を行うことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の電気炉の精錬方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コストがかからず、かつ安定して溶鉄中の窒素濃度を低下できる電気炉の精錬方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、電気炉において、電極からアークによってスクラップを溶解し、その後、ランスから溶鉄に向けて酸素ガスを吹き付けて脱窒処理を行う例について説明する。なお、電気炉は交流式であってもよく直流式であってもよい。また、本実施形態で用いるランスは先端が単孔ノズルのものを用いるものとする。
【0010】
溶鉄中のNと雰囲気中のN
2
の反応は、下記(1)式により生じることが一般的に知られている。
2N=N
2
・・・(1)
したがって、雰囲気中のN
2
分圧が低ければ脱窒反応が生じ、雰囲気中のN
2
分圧が低いほど溶鉄中の平衡N濃度が低下する。一方、雰囲気中のN
2
分圧が高くなると吸窒反応が生じる。
(【0011】以降は省略されています)

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