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公開番号2024086308
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201372
出願日2022-12-16
発明の名称オーステナイト系合金材
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240620BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高温浸炭環境において優れた耐浸炭性を有するオーステナイト系合金材を提供する。
【解決手段】本実施形態によるオーステナイト系合金材は、化学組成が、質量%で、C:0.150%以下、Si:0.01~1.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.040%以下、S:0.0050%以下、Cr:10.00~25.00%、Ni:25.00~50.00%、sol.Al:2.50~3.50%、Nb:0.50~2.00%、N:0.0050~0.0300%、Ca:0.0002~0.0100%、及び、残部:Fe及び不純物を含有し、表面の算術平均粗さをRa(μm)と定義し、平均長さをRSm(mm)と定義したとき、式(1)で定義されるSrが300.0μm以下である。
Sr=2[(2Ra)2+(500RSm)2]0.5 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オーステナイト系合金材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.0050%以下、
Cr:10.00~25.00%、
Ni:25.00~50.00%、
sol.Al:2.50~3.50%、
Nb:0.50~2.00%、
N:0.0050~0.0300%、及び、
Ca:0.0002~0.0100%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記オーステナイト系合金材の表面の算術平均粗さをRa(μm)と定義し、平均長さをRSm(mm)と定義したとき、式(1)で定義されるSrが300.0μm以下である、
オーステナイト系合金材。
Sr=2[(2Ra)

+(500RSm)


0.5
(1)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
オーステナイト系合金材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.0050%以下、
Cr:10.00~25.00%、
Ni:25.00~50.00%、
sol.Al:2.50~3.50%、
Nb:0.50~2.00%、
N:0.0050~0.0300%、及び、
Ca:0.0002~0.0100%、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群~第3群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記オーステナイト系合金材の表面の算術平均粗さをRa(μm)と定義し、平均長さをRSm(mm)と定義したとき、式(1)で定義されるSrが300.0μm以下である、
オーステナイト系合金材。
Sr=2[(2Ra)

+(500RSm)


0.5
(1)
[第1群]
W:5.00%以下、
B:0.0100%以下、
Cu:0.10%以下、
Co:0.10%以下、
Mo:0.10%以下、
Ti:0.100%以下、及び、
V:0.20%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Zr:0.20%以下、
Hf:0.10%以下、
As:0.10%以下、及び、
Sn:0.050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Mg:0.010%以下、及び、
希土類元素:0.50%以下、からなる群から選択される1種以上
【請求項3】
請求項2に記載のオーステナイト系合金材であって、
前記化学組成は、第1群を含有する、
オーステナイト系合金材。
【請求項4】
請求項2に記載のオーステナイト系合金材であって、
前記化学組成は、第2群を含有する、
オーステナイト系合金材。
【請求項5】
請求項2に記載のオーステナイト系合金材であって、
前記化学組成は、第3群を含有する、
オーステナイト系合金材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合金材に関し、さらに詳しくは、オーステナイト系合金材に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
エチレン分解炉に代表される化学プラント設備では、炭化水素類を熱分解してエチレンに代表されるオレフィンを製造する。具体的には、化学プラント設備の反応炉は、合金管に代表される合金材で構成される。合金管内部には、炭化水素類及び水蒸気が供給され、合金管外部から熱が付与される。このとき、合金管内部で炭化水素類が熱分解されて、オレフィンが生成する。
【0003】
上述の化学プラント設備では、合金材が800~1000℃の高温の浸炭性雰囲気の環境に曝される。このような高温の浸炭性雰囲気の環境を、本明細書では、高温浸炭環境という。このような高温浸炭環境で使用される部材には、高いクリープ強度が求められる。
【0004】
このような高温浸炭環境では、オーステナイト系合金材が用いられる。オーステナイト系合金材では、800~1000℃の高温浸炭環境において、内部に、炭化物やラーベス相が生成する。これらの析出物による析出強化により、クリープ強度を高めることができる。
【0005】
上述の高温浸炭環境ではさらに、合金材の表面にコーキングが発生する。コーキングとは、合金材の表面に固体炭素が析出する現象である。コーキングが発生すると合金材に炭素が固溶する浸炭現象が生じる。このような浸炭現象は、合金材の寿命を低下する。そこで、高温浸炭環境に用いられる合金材ではさらに、耐浸炭性が求められる。
【0006】
高温浸炭環境に用いられるオーステナイト系合金材の耐浸炭性を高める技術が、国際公開第2018/003823号(特許文献1)に提案されている。特許文献1に開示されたオーステナイト系合金材では、Alを2.50%超以上含有する。さらに、表層のCr濃度のAl濃度に対する比を、表層以外のCr濃度のAl濃度に対する比よりも適度に小さくする。これにより、高温浸炭環境での使用中に、合金材の表面にアルミナ被膜が生成する。アルミナ被膜はクロミア被膜と比較して緻密である。アルミナ被膜により、炭素が合金材の内部に侵入するのを抑制できる。その結果、耐浸炭性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2018/003823号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1以外の他の手段によって、高温浸炭環境において耐浸炭性を高めることができてもよい。
【0009】
本発明の目的は、高温浸炭環境において優れた耐浸炭性を有するオーステナイト系合金材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によるオーステナイト系合金材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.0050%以下、
Cr:10.00~25.00%、
Ni:25.00~50.00%、
sol.Al:2.50~3.50%、
Nb:0.50~2.00%、
N:0.0050~0.0300%、及び、
Ca:0.0002~0.0100%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記オーステナイト系合金材の表面の算術平均粗さをRa(μm)と定義し、平均長さをRSm(mm)と定義したとき、式(1)で定義されるSrが300.0μm以下である。
Sr=2[(2Ra)

+(500RSm)


0.5
(1)
(【0011】以降は省略されています)

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